※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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ポツ ポツ__




……あ。












〈…あめ……〉
〔…ぽちゅぽちゅ……〕



『そうだね。降ってきたね。』

















僕の家に行く事を了承してくれた2人。




そんな2人とバスや電車に乗って帰る事も考えたけど、タクシーを選んで正解だったね。

じゃなきゃ移動に時間をとられて今頃濡れちゃってたかも。















キッ…
「はい着きました。QRコードはお客さんの正面のタブレットに出ますので。」



『あ、はい。…ピロン。』



「はい、確認できました。ご乗車ありがとうございました。」



『こちらこそありがとうございました。
じゃあ2人とも車を降りようね。』



〈うん。〉
〔うん。〕

















タクシーから降りた僕達は急いで軒下まで向かった。
















パシャ…

『ふぅ…まだ降り始めでよかった。
2人とも大丈夫?』



〈うん。〉
〔だいじょぷ。〕



『良かった。じゃあ今鍵開けるね。』



〈うん!〉
〈うん!〉



カチャ カラカラカラ__
『はい、開いたよ。』



〈…わぁ……ここが…〉
〔くましゃんのおうち…〕



『フフ。さぁ、中にどうぞ。』



〈うん!〉
〔うん!〕















僕には慣れた家でも2人には馴染みのない家だからか、2人はずっとキョロキョロ。





そんな2人の様子が可愛いくて僕は2人を自由にさせてみた。

初めての場所だし、先ず見て慣れてもらうしかないもんね。














〈ちっちゃい…?〉
〔ちがう?〕



『フフ。そうだね。2人の住んでるマンションとは違って大きな建物ではないね。』



〈あ、おそと!〉
〔みえりゅ!〕



『うん。ここから庭に出れるんだよ。』



トテトテ……ピタッ
〈…くりゃい…〉
〔…うぅ……〕



『フフ。カチッ!これでどう?』



〈あ!みえちゃ!〉
〔わぁ!〕



『暗くなってきたからここの廊下はちょっと怖かったかな?』



〈かじゅこわくないよ!〉
〔じゅ、じゅんもへーきだもん!〕



『フフ。そっか~。でもお家の中が暗いと歩く時に危ないからここからは電気を点けて探検しようね。』



〈うん!〉
〔うん!〕















それから一通り家の中を歩きまわって探検をした僕達。



僕の部屋を見つけた時は2人とも”やったぁ~“と喜んでいた。








そして探検に満足した2人と洗面所で手を洗い、僕達はリビングへ…


と、いっても家は畳だから”茶の間“と呼んだ方がしっくりくるけどね。















__コトンッ

『はい、2人とも。麦茶をどうぞ。』



〈……〉
〔……〕



『…あれ?どうしたの?』



〈…くましゃんのおうち…ひちょいない?〉
〔くましゃんひちょりぽっち…なの?〕



『え?あ、うん。僕はこの家に1人で住んでるよ。
ここは元々僕のお爺ちゃんとお婆ちゃんの家だったんだけど、僕が貰って__ 』



〈……〉
〔……〕



『…あ、もしかして………フフ。僕が1人ぼっちで寂しくないか心配してくれたの?』



ギュ…
〈……ひちょり…いや…〉
〔…いっちょがいい……〕















優しい子達……













スッ
『ここからお外のお庭が見えるんだけど分かるかな?』



〈?〉
〔?〕



『あのお庭には今トマトやオクラ…お野菜が植えてあるんだ。』



〈どこ…?〉
〔あ!あのあかいの?〕



『うん、そう。
他にはお花もあるんだよ?見える?』



〈ん~?あ!あっちゃ!〉
〔きいりょのおはな!〕



『そう、黄色いお花もあるね。
今日はね?雨が降ったから大丈夫だけど毎日そのお野菜やお花にお水をあげているんだ。
大きくな~れ。美味しくな~れ。って言いながらね。』



〈おおきくな~りぇ?〉
〔おいちくな~りぇ?〕



『うん。そうするとあんな風にトマトも赤くなってくれて、黄色い綺麗なお花も元気に咲いてくれる。
僕はそれを毎日見れるのが嬉しくて楽しい。
だから、寂しくないんだよ。』



〈…ほんちょ?〉
〔ひちょりへーき?〕



『フフ。うん平気だよ。』



〈よかっちゃ…〉
〔ホッ…〕

















何をすれば悲しくて、何に対して寂しいと感じるのか…




それを2人が分かっているという事に胸が苦しくなる…






こんな歳で分からなくていいのに…

今日は楽しかったと笑って眠れる…そんな日々を過ごすだけでいいはずなのに……














ピカッ! ゴロゴロ…

〈っ!〉
〔ぴえっ!〕












雷…

もっと雨が強くなるの…?





でもこれは一時的なものだと思うけど……













ギュゥ!
〈…ぅぅ……〉
〔…グスッ……〕



『!』












タタッ

僕は急いで縁側のカーテンを閉めに向かった。



そして外が見えないようにしてから戻って、くっつきあっている2人の背中を撫でた。













〈…グスッ……〉
〔ひっく……〕



『…にわのシャベルが 1日ぬれて  
雨があがって くしゃみをひとつ 』



〈…へ?〉
〔…おう…た?〕



『うんそう。僕もね?雷さんがゴロゴロ鳴ると怖いの。
だからお歌を歌って雷さんが聞こえないようにしちゃおうと思うんだけど…2人とも僕と一緒に歌ってくれる?』



〈…くましゃんこわいの?〉
〔おうたうたったらへーきになりゅ?〕



『うん。2人が一緒に歌ってくれたら。』



〈わかっちゃ!〉
〔いいよ!〕



『ありがとう。じゃあいっぱい歌おう。』
















それから僕達はスマホで伴奏を流しながら歌をうたった。








~♬

にわのシャベルが 1日ぬれて
雨があがって くしゃみをひとつ
くもがながれて 光がさして
みあげてみれば

ラララ

虹が虹が 空にかかって
きみのきみの 気分もはれて
きっと明日は いい天気
きっと明日は いい天気













最初はまだ外を気にしてびくびくしていた2人だったけど、歌っているうちに気にならなくなったみたいで、体を揺らしながら大きな声で歌ってくれるようになった。





そして”もっと歌う“と言う2人…


全ての電気をつけていたから十分に明るかったけど、その2人の可愛い歌声で更に家の中が明るくなったようだった…








そんな2人の歌を近くで聞きながら、時間も時間だったから2人が食べれる夜ご飯の準備をしていた。



簡単で申し訳ないけど、今日はオムライス。

そして野菜スープが出来あがった時…









ピンポーン♫


〈!〉
〔!〕












来客を知らせる音が鳴った。



2人が歌っていた直ぐ近くからその音が聞こえてきたからか、ビックリしてしまった2人…







僕は”ごめんね?ちょっと待っててね?“と2人に言ってから玄関へと急いで向かった。




時計を見ると6時過ぎ…

いつもより早い気がするけど、来たのがその人であって欲しいと願いながら……













パタパタ

『はい。今開けます。』





カチャ  カラカラカラカ__

『お待たせしまし__ 』



バッ!
《大隈君遅くなって申し訳ない!子供達は!?》



『櫻坂さん…』















雨が降りそうだから僕の家に行く事をメッセージで送っていた…

それからここの住所も…








既読になったか見ていなかったけど、良かった…


櫻坂さんが2人を迎えに来てくれた……






こんな早い時間に来てくれたんだから、きっと急いで__






ポタッ…





……ん?水?


………あ、雨っ!!















『お、櫻坂さん!濡れてます!』



《え?あ、それは走ったから……いや、それよりも子供達の様子は__ 》



『2人は可愛い歌声を聞かせてくれてました!
それよりも風邪ひいちゃいます!』



《え?歌声…?ぉっ!?》



グイッ
『はい。でも今は早く中に入って下さい!
お風呂沸かしてますから!こっちです!』



《風呂?あ、いやそこまでは__ 》



『ダメです!
また倒れたら誰が悲しむと思っているんですかお父さん!』



《っ!!》



グイグイッ
『さぁ、早く!』



《は、はい…》
















声が聞こえただろうし、2人も早くお父さんに会いたいよね?



でも、ごめんね?


先にお父さんをお風呂場に案内するからもう少し待っててね?