※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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ガラガラガラ…


「あ、すみませーん!まだ準備中です!」



《あ、いえ俺は__ 》



ヒョイッ
[結翔いらっしゃい!待ってたよ!]



《貴雅……》



「あれ?貴雅さんのお知り合いでしたか?」



[そうそう。俺の子供の頃からの親友。
店にいるからこっちに顔出してって言ってたんだ。]



「あ、そうだったんですか……なんかすみません。」



[いいよ、いいよ。]



スッ
《こんにちは。櫻坂といいます。》



「あ!俺は藤井です!
1ヶ月前からこの“相良亭”で修行させてもらってます!
さっきはすみませんでした!」



《いえ。こちらこそ休憩中にお邪魔してすみません。》



「いえいえそんな!」



[はいはーい。流星に結翔が来る事を言わなかった俺が悪かったからこの話しはおしまい!いいね?]



「あ、はい…」



[よし。じゃあ結翔上に行こうか?
流星はこのまま休憩しといて。]



「分かりました。」

















彼の名前は、相良 貴雅。



小、中と同じ学校で高校や大学が違っても変わらずに付き合いのある数少ない俺の友人だ。







そしてここは貴雅の家。


1階が“相良亭”というラーメン屋で2階と3階が自宅になっている。







そんな貴雅の家になんで俺が来たかというと……













__ストン

[結翔、毎年ありがとね。]



《当然だよ。俺はおばさんにお世話になりまくったんだから。》



[ハハ。今年も母ちゃんが喜ぶよ。]
















亡くなって3年…今日は貴雅の母さんの命日だ。







貴雅のおばさんは俺の母親より親っぽかった…






共働きで家にいない親と反抗期で家に帰りたくなかった俺…

だから何をするでもなく夜遅くまで街に毎日のようにいたら、ある日貴雅と貴雅の母さんが現れた。






そして俺をこの店まで連れてきて、ラーメンに炒飯と餃子まで出してくれて…





”ご飯だけはちゃんと食べなさい。父ちゃんの作るラーメンは最高よ?…だから何時でも来なさいね。“





そう言ってくれた…









それからは時々店にお邪魔しては、美味いラーメンをご馳走になった。




寡黙なおじさんとお喋りで楽しいおばさん…

そして俺がラーメンを食い終わるまでニコニコしながら隣に座ってるだけの貴雅…





そんな優しくあたたかいこの家族がいたから俺は道を踏み外さずに済んだんだ…










チーン



…だからいつまででも感謝する。


もうここでしか感謝の言葉を言えないけど、これからもずっと言いにくる…







”ありがとうおばさん“……
















[フフ、母ちゃん笑ってるねきっと。]



《…だと…いいな。》



[本当にありがとね。母ちゃんを忘れないでいてくれて。]



《当然だって言ったじゃん。忘れる訳ない。俺にとっておばさんは親以上なんだから…》



[そう言ってくれて俺も嬉しいよ。]



《あ、そうだ。ゴソッ……これ。》



[あ、母ちゃんの好きだった大福?]



《毎年同じ物ってどうなんだろうって思ったけど、やっぱりおばさんにはこれかなって…》



[ありがとう。俺と父ちゃんも好きだから美味しく頂きます。]



《ハハ。うん、そうして。》



[ハハハ。]



《ところで…おじさんは?》



[うん。この休憩中に母ちゃんの墓に行ってるよ。]



《え?…貴雅はよかったのか?》



[俺は朝のうちに行ってきたからね。
それに父ちゃんは1人でゆっくり母ちゃんと話したいみたいだし。]



《…店、休まないんだ……》



[ハハハ。それこそ定休日以外に休んだら母ちゃんに怒られちゃうからね。]



《そっか……おばさん怒ったら怖いもんな…》



[そうそう♪あ、そうだ。結翔昼って食べた?]



《あ……実はまだ……》



[よかった。俺もまだだから作ってたんだ。一緒に食べない?
あ、それとも仕事………って、そういえば今日平日だよね?仕事は?]



《半休を取ってあるから大丈夫だよ。》



[え?わざわざ母ちゃんの為に?]



《それもあったけど、病院に行かなきゃいけなくて…》



[えっ!どこか具合悪いの!?]



《あ、いや…今日はこの前受けた検査の結果を聞きにいっただけで__ 》



[検査結果って何があったの!?異常がみつかったとか!?]















これは、おばさんの事があるから過敏になってるんだな…



言わなきゃ良かったな……














《貴雅落ちついて。問題なかったから。》



[本当に!?]



《本当に。》



[っ、良かった……]



《うん。》



[でも検査結果なんて………そもそも検査を受けるような何かがあったの?
会社で受ける検診にひっかかったとか?]



《……あー、うん。ちょっと…ね?》



[ちょっとって?]














タイミング的に今話す内容じゃない気がするんだよな…



おばさんの命日に”倒れた“なんて俺が言ったら貴雅の中のおばさんと結びついてしまうだろうし…







でも、貴雅の事だから知るまで聞いてきそうだし……

















[結翔?ちょっとって何?]



《う……えっと…今はもう大丈夫だから心配しないで聞いて欲しいんだけど…》



[うん、分かった。で、何?]



《ちょっと……10日前に道端で倒れて救急車で運ばれた事があって……》



ドサッ! 
[なっ!はぁ!?どういう事!?]



《あ!ああ…大福が……》



[大福とかいいから!]



《いやでも潰れた大福なんておばさんにやれな__ 》



バッ!
[母ちゃん!後で形直すから許して!
はいこれで大丈夫!さあ、ちゃんと話して!話すまで帰さないからね!?]
















…やっぱりこの話しはしない方が良かったかもな……




というか大福…

おばさん、食べ物を粗末にしたりなんかすると物凄く怒ってたけど……







…すみません、おばさん。


貴雅が驚くような事を言った俺も悪いので今回だけはどうか見逃して下さい……