※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
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ガチャ…
『あ、こんにちは。』
《こんにちは…。今日からよろしくお願いします。》
『はい。こちらこそお願いします。』
あの日と変わらない笑顔にあの日と変わらない声…
…なんだか落ちつく。
《じゃあ中にどうぞ。》
『あ、はい。失礼します。』
そう言うと彼はバッグの中から真新しいスリッパを取り出した。
そういう決まりがあって会社から支給されるのかとも思ったけど、そのスリッパをよく見ると違う気がしてきた。
そんな可愛いくまのマークが入ったスリッパを社員全員が履いているとは考えにくいから…
ジー
《……》
『ん?あ、スリッパはいつも持ち込みさせて頂いているんです。
頻繁に洗ったりするので持ち帰れるように。』
《なるほど…。》
『でも今回は…フフ。ちょっと可愛いのを買ってしまったかもしれませんね。
気に入ってくれるかな…?』
それは、双子に対して言ってるんだろうな…
“こちらです” と彼を案内してダイニングに着くとさっきまで隅で座っていた双子が立ってこちらを見ていた。
…彼の声を覚えていたんだろうか?
スッ
『…あ。』
《……》
『…櫻坂さん。これからの事で色々決めなければいけない事があるんですが…その前に僕の事を2人に説明して頂けますか?』
《え?先に?》
『はい。』
《…でも、説明ってなにを__ 》
『僕が何者でこれからこのお家で何をするかの説明です。』
《え?それなら大隈さん本人から__ 》
『いいえ。”お父さん“からがいいんです。
だからお願いします。』
《……》
それにどんな意味があるのか俺には分からなかったけど、驚いた顔をして立ち尽くしている双子にもその方がいいような気がしてきて俺は彼に仕事を頼んだ事を説明した。
《…だから、これからは大隈さんが家によく来てくれるようになるんだ。》
〈……〉
〔……〕
俺の話しは理解できただろうか?
それとも難しかったか?
嬉しいのかよく分からない表情をしている2人を見ていると__
ストン…
『…フフ。僕は2人のお名前を覚えてるけど、2人はどうかな?
僕の事覚えててくれたりするかな?』
〈……うん…〉
〔…くましゃん…〕
《っ!》
喋った……
『フフ。はい、そのくまさんです。
覚えててくれて嬉しいよ和臣君、潤己君。』
《……》
『僕は2人のお父さんに頼まれて、これから皆のお家でお仕事をさせてもらいます。
お掃除したりお洗濯したり、ご飯を作ったりするお仕事です。
でも、もし2人が嫌なら僕はこのお家には来ないようにします。』
〈!〉
〔!〕
『どうかな?これから僕は皆のお家にいっぱい来てもいいかな?』
〈うん!〉
〔きて!〕
『本当?僕ともっと仲良くしてくれる?』
〈うん!〉
〔しゅる!〕
『わぁ~。そう言ってもらえてとっても嬉しい。
じゃあ僕は2人のお父さんにありがとうを言わなきゃいけないね。』
〈…どちて?〉
〔ありがちょ?〕
『だってお父さんが僕をお家に呼んでくれたから、こうしてまた2人にも会う事ができたんだもん。
それが嬉しいから僕は”ありがとう“を言うんだよ。』
〈…うれちいと…ありがちょ……〉
〔じゅんもくましゃんとあえてうれちい!〕
『わぁ♪潤己君ありがとう。』
〈か、かずもうれちいもん!〉
『フフ♪うん、和臣君もありがとう。
そして、和臣君と潤己君のお父さん。2人にこうしてまた会わせてくれてありがとうございます。』
《え?…あ、いえそんな……それにそれはこちらの__ 》
〈ありがちょ…でしゅ…〉
〔ありがちょ……〕
《っ!!》
『フフ。2人とも“ありがとう”を上手に言えたね。凄いね。』
〈うん♪〉
〔へへ♪〕
…まさか、2人から話しかけられるなんて……
しかも、その言葉が“ありがとう”だなんて……
『これから僕とお父さんは少し難しいお話をしなきゃいけなくなるんだけど、2人はその間何をしていますか?
もしよければ、僕が持ってきた絵本を読んでみる?』
〈うん!〉
〔みりゅ!〕
ゴソッ
『じゃあ、あとでどんな絵本だったか僕に教えてくれる?』
〈わかっちゃ!〉
〔いいよ!〕
『フフ。お願いしま~す♪』
〈はーい。〉
〔はーい。〕
こんな双子が見れるなんて……
やっぱり彼に来てもらう事を選んでよかった……