※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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コンコンコンッ__ガチャ


『…お疲れ様で…す……』











シーン…












……あれ?松丘社長がいない?



仕事終わりに僕をここに呼んだ張本人なのに……
















『まさか忘れてたりして…?』



スッ
「誰が忘れるって?」



『わぁぁ!?』



「驚きすぎだろうがよ。」
















そりゃ驚くよ!















『なんで扉の後ろに隠れてるんですか!』



「そりゃ、俺が出るのとお前が開けるのが同時だったからぶつかるのを避けただけだ。」



『あ、なるほど…………ん?
社長が少し後ろに下がればぶつからなかったんじゃ…』



「……」



『だってどう考えてもドアの後ろに隠れるより簡単な気が……』



「俺の長い足だと大差変わらないんだよ。」



『ああ、なるほど~。』



「…プッ、ハハハ!」



『?』



「いい!お前のそういう所がいい!」















そういう所って……どういう所?















「いいか、那智。お前はそのまんまでいろよ?」



『へ?…あ、はい…頑張ります…?』



バシバシ
「ガハハハ!」















松丘社長はこんな風に時々よく分からない事を言う…



でも取り敢えず、背中が痛いよ社長……


















そこに座れと言われて黒いソファーに座った僕…


電話じゃなくて面と向かって社長と話すとなるとやっぱり緊張しちゃうよね…













僕が働いているTOKYOクリーンサービスという会社は、主にビルやマンション、レジャー施設やホテル等の清掃を請け負っている大きな会社。




でも、僕の仕事はそういうビル清掃などというものではなくて大きな会社の中に数十人しかいない“ハウスキーパー”。

要望があった家事全般を代わりにする…というのが仕事。











そして、この部所を作ったのがここにいる松丘社長なんだ。






なんでもある1人の男性の為に作った部所らしいけど、元々信頼と実績のある会社だったから評判になったみたいで、人員を増やして今の形になったみたい。


僕達が出勤する事務所も本社ビルとは別にあって、TOKYOクリーンサービスの子会社みたいな感じかな。








ただ作った人が社長だから、僕の直属の上司が社長になってしまうんだ。


そして何かあるとこうしてわざわざ本社ビルまで来なきゃいけなくなる。







社長だし、忙しい方だし、僕達が出向くのは当然なんだろうけど…僕は人が多い本社ビルは苦手かな。

こじんまりしたあの事務所に早く帰りたいと思うもん。






…でも、そんな事を言っても呼び出される僕の方に問題があるんだけどね。

















『…あの社長?今日のお話しは奥寺さんの事ですよね?』



「ああ、それもあるな。」



『…やっぱり。
すみません社長…また契約を切られてしまって……』



「こっちが契約を切ったんだ。そこは間違えるな。」



『…同じですよね?』



「違うだろうが。」



『…え?損失は同じでは?』



「損失?馬鹿を言うな。
うちの従業員に色目を使い、脅すような相手と契約を続ける事の方が会社にとっての損失だ。」















社長……













「しかし…こういった事が立て続けにあると那智の評判に傷がつくのが問題だ。
今回とその前の家で1ヶ月も契約が続いてないという業務履歴が書類上残ってしまうんだからな。」

















信頼と実績を掲げているんだからそうだよね…


しかも個人宅での仕事だから、僕に問題があると判断されて僕への依頼者は少なくなるはず…






時給計算だから、仕事がなければ僕の給料もなくなっちゃうし……





やっぱりこのままこの仕事を続けるのは厳しいのかな…















「こら那智。
ここを辞めようと考えてるんじゃねぇよ。」



『だって社長……』



「言っただろ?今回もお前に落度はねぇよ。
落度があるとすればそんな人間がいる家と契約して行けと言ったこっちの方だ。」



『……』



「それに、今回は連続でこういう結果にはなったがその前の実績は十分にあるはずだ。
なんたってあのHIMEI警備保障の社長宅で約2年働いて、1度も注意勧告を受ける事はなかった。
更に、あちらの都合で週一になったとはいえ今でもお前指名で契約が続いているし貰った個人評価も高いときたもんだ。
誇れよ、那智。」



『…優しい方達ですから。』



「そこは自分が正しく称賛されていると有り難く受けとるもんだぞ?」



『…いえ、僕はそんな……』



「ったくお前は。いつになったら自己採点が低いと気づくんだ?」



『僕はまだまだです…
ちゃんと出来ていたら今回の奥寺さんの事も起きなかったはずなので…』



「ハァ。お前はそういう奴だよな。」



『……』



「変われとは言わないが、少しは自分が思っている以上に出来る奴だと分かれ。
だからこそこうしてお前指名で新たに契約依頼が来ているんだからな。」



『…え?僕を指名ですか?……どなたかのお知り合いの方なんですか?』



「いや。まったくのご新規さんだぞ?」



『え?じゃあどうして僕を指名なんて……』



「あちらさんは数日前にお前から名刺を貰ったと言っていたぞ。」



『…名刺?』
















名刺は持っているけど、僕は契約者と初めて会う時にしか名刺は渡さない。


だからご新規の方が数日前に僕から名刺を受け取ったなんてそんな事…………ん?数日前?






………あ、もしかして__









   






「わざわざお前を呼んだのはこのご新規さんの事だ。
今までとは少し違う依頼内容も含まれていたからお前に確認しようと思ってな。」



『…あの…もしかしてその方って___ 』



「櫻坂 結翔という人物だ。
なんだ?やっぱり知り合いだったか?」

















…櫻坂さんってやっぱりあの時のお父さんだよね?




お礼したいとずっと言って下さっていたから名刺を渡しちゃったけど……



…え?

まさか、そのお礼が今回の“依頼”なの?





でも、少し違う依頼内容ってなんだろ?















「那智。お前子供の事はまだ好きだよな?」














…へ?












『はい。それは勿論です。』
















そんな事で前の職場を辞めた訳じゃないからね。





だけど………え?

まさか少し違う依頼内容って___















「なら大丈夫だな。
お前免許も持ってるしな。」















……わぁ、やっぱりかぁ。



あの時寂しくなるからあの子達にお別れの言葉は言わないできたんだけど……










でも、僕の仕事はハウスキーパーなんだよ…?





だけど……

求められているのはシッター?






こういう場合はどうなるんだろう…?














「まあ、契約を結ぶかどうかは那智に任せる。
どうする?断るか?」

















断るかどうか……ん~。
















『社長。僕は____ 』