※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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「では私は1度戻りますね。
櫻坂さん。後で医師と来ますからそれまでゆっくりしていて下さいね。」



《あ、はい。分かりました。》















看護師の人がそう言って出ていき残ったのは寝ている和臣達と俺と“おおくまさん”という彼だけ。







ジー

……大分、若い男性だったんだな。




あの時聞いた声は落ち着いた声だったからもっと歳が上の人だと思ったけど……
















『あの~?』



《あ…すみません。》



『いえいえ。目が覚めたばかりですもんね。』



スッ…
《この度は大変ご迷惑をおかけしてしまい__ 》



『ああ、そんな無理して起きなくていいです。
それに僕は当然の事をしたまでですから。』



《しかし、子供達の面倒もみて頂いたと聞いています…》



『それこそ気になさらないで下さい。
とってもいい子達で沢山お話しできて僕も楽しかったですから。』



《……話した…?》



『え?』



《喋ったんですか…?2人が…?》



『え?はい2人とお話ししましたが………あ、個人情報的な事とかは聞いていませんよ?
好きな食べ物とか…あ、それと好きな動物も教えてくれたので一緒に絵を描いたりしてました。』

















好きな食べ物や動物…


それすら俺は知らない……双子から聞けた事もない……





それなのにこの彼には話をしたなんて……











俺は初対面の彼以下という事か…?


じゃあ俺は何の為にこんなに……












グッ…
《……》



『……あ、あの。ガサッ…これをどうぞ。』



《…これは?》



『一応、あの子達の朝御飯用として買ってきたんですけど、お父さんがいらっしゃるし僕はそろそろ帰りますね。』



《……え?》



『えっと荷物荷物…』



《ちょ、ちょっと待って下さい。お礼だってまだ__ 》



『いいえ、本当に大丈夫ですから。』



《そういう訳にはいきませんよ。
ガサッ…これだってわざわざ買ってきて下さったんですよね?
それに看護師さんから聞きましたけど昨日もなんですよね?》



『あ、いえ。昨日の夜は看護師さん達が色々下さったんですよ。
フフ。おやつなんかも沢山で2人とも悩みながら選んでて……』



《……》



『あ……。えっと、ですからお礼なら看護師さんに__ 』



《看護師さんにも勿論します。
でもそれとこれとは別なはずです。
ああして2人がここで眠れているのも貴方のお陰でしょうし……》


















俺ではそうはいかない…はず……

















『…2人ともお父さんをとても心配していましたよ。
お父さんが倒れてしまった時もそうです。
泣きそうな顔で僕の所に走ってきて、“早く来て”と僕の手を引いて案内してくれました。』



《……え?》



『あの歳でそんな行動ができるなんて凄いですよね。』



《……》



『でも、それもこれもあの子達がお父さんを想っているからだと僕は思います。
それだけは疑わないであげて下さい。』



《!》



『じゃあ僕はそろそろ行きますね。
2人が起きちゃうと僕も離れるのが寂しくなっちゃいそうなので。』



《あ!待って下さい!
本当に感謝しているんです。ですからお願いします。お名前と連絡先を教えて下さい。》



『お礼なんて……僕はお父さんが元気になって下さればそれでいいのに……』



《お願いします。》



『…ふぅ、分かりました。えっとじゃあ……ゴソッ



《……》



スッ
『僕は大隈 那智といいます。連絡先はこの名刺に……あ、これには個人の連絡先は書いてないんだった。
ちょっと待って下さいね?』















そう言ってその名刺の裏に携帯の番号を書きだした彼…


そして書き終わると俺にそれを手渡してきた。

















スッ
《ありがとうございます。必ずご連絡します。》



『ん~。こんなつもりじゃなかったんですけど……』



《すみません。ちゃんとしないと私の気が晴れないので…》



『そういう事なら…はい、分かりました。』



《ありがとうございます。》



『あ、2人が起きたら僕は“森へ帰った”とお伝え下さい。』



《……森…ですか?》



『フフ、はい。森のくまさんです。』



《?》



『フフ。ではお大事になさって下さいね。失礼します。』



ペコッ
《本当にありがとうございました。》














__カチャン











クルッ

“大隈 那智” ……か。


俺の周りにはいない雰囲気の持ち主だったな……










『でも、それもこれもあの子達がお父さんを想っているからだと僕は思います。
それだけは疑わないであげて下さい。』









チラッ…


俺を想っている…


彼には疑うなとは言われたけど、本当にそんな事があるんだろうか…?
















俺は、2人の寝顔を見ながらそんな事を考えていた……