※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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カチャ
『それでは時間になりましたのでこれで___ 』



バタバタ
「ああ、待って待って大隈(おおくま)君!」



『……』



「今日こそはいいでしょ?ね?」



『いえ、そういう訳には__ 』



「もう!この前もそれじゃない!」



『…すみません。ですがこれが決まりですから。』



「仕事は終わったのよ?
この後はプライベートなんだから構わないでしょう?
それに大隈君の為にお酒も色々用意しているのよ?」



『…すみません。』



「少しくらいいいじゃない!
それでも断るって言うならハウスキーパーの契約を辞めるわよ!?」



ペコッ
『……失礼します。』



「えっ!?嘘でしょ?…あ、ちょっと!?」





__パタンッ













スタスタスタ…






……はぁぁ。



まただ。

また…こんな事になっちゃった……









この家で何件目だろう…



でも、まだ今回は相手が女性だったから良かったかな…

男の力で引き留められた時は家から逃げ出すのがやっとだったし…










はぁぁ。


取り敢えず“TOKYOクリーンサービス”の松丘社長に連絡しておこう。





「またか!」と言われてしまうだろうけど、前みたいに黙ってる方が後で怒られるだろうしね…

















帰り道、社長に電話で報告すると案の定 “またなのか!” と言われてしまった。


でも“お前は間違っていない”とも言ってもらえた。







…良かった。

クビにならずに済んで。






でも…また松丘社長には迷惑をかけてしまった……







僕、違う職場探した方がいいのかな…


いい再就職先だったんだけどな……








はぁぁ……















テテテッ トンッ!

『…え?』










今、後ろで何かが___












クルッ
『…え!?ど、どうしたの?』














園児服を来た子供?


こんな時間に…しかも2人だけで?













ストンッ
『君たちどうしたの?
お父さんかお母さんは一緒じゃないの?』



グイグイッ
〈こっち!〉
〔こっち!〕



『ちょ、ちょっと待って!何?どうしたの?』



〈きて!〉
〔きて!〕



『っ!』











 


この表情、何かあったんだ!













『うん、分かったよ。
僕はどこに行けばいいかな?案内してくれる?』



ギュ!
〈こっち!〉
〔こっち!〕
















片方ずつ男の子達と手を繋ぎ案内された先には、道に倒れているスーツ姿の男性がいた。


駆けよって声をかけてみるけど、反応がよくない。





でも何とか聞こえてきた声は…














《危ないから…何処かに行ったらダメだ……》
















と、子供達を心配する言葉だった。





怪我をしたとかではないみたいだけど、自力では動けそうにないその姿を見て僕は救急車を呼んだ。



子供の目の前だしタクシーを捕まえて病院まで送ろうかと思ったけど、ここに子供達だけを残しておく事なんてできなかったから。










救急車が来るまでの間、僕はお父さんの頭の下に着ていたカーディガンを置いたりしていた。


そして、僕の腕から離れない2人にこれからの事をできるだけゆっくり落ち着いた口調で説明した。
















『2人とも。救急車さんという車は知ってるかな?』



〈…コクッ〉
〔…コクッ〕



『じゃあ救急車さんはどんな事をしてくれる車か分かるかな?』



〈…つれてく。〉
〔いたいいたい…〕



『そう。よく知ってるね。偉いね。』



〈……〉
〔……〕



『その救急車さんはお父さんの為に今からここに来てくれるんだ。
お仕事してますというピーポーピーポーという音が鳴るけど、救急車さんにビックリしないでいれるかな?』



〈…コクッ〉
〔…コクッ〕



『偉いね。
でも、怖かったらお耳をふさいだりおめめを隠してもいいからね?』



〈…うん。〉
〔…こう?〕



『フフ。そう上手だよ。』



〈…いっしょ?〉
〔…いる?〕



『ん?僕が一緒にいるかって事?』



〈うん。〉
〔うん。〕

















救急車には一緒に乗れないかもしれない。


でも、不安なはずのこの子達だけにするのは辛い…
















ギュ…
『うん、僕も一緒にいるから大丈夫だよ。』



〈うん!〉
〔うん!〕


















僕は小さな2つの手を握りながらそう言った…