※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































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ガサ ゴソッ…

『……じゃ。』



《えぇっ!本当に!?智夜くーん!?》











__パタンッ 










『……っ。』



…スタスタスタ










……なんだよ、あれ。










スタスタスタ









……なんなんだよ、あの顔。



あんな今にも泣きそうな顔されたら……何も言えねぇじゃん。







だから、こうしてさっさと帰るしかなかったじゃん…


あの場で断るなんて…できねぇじゃん……










スタスタ…








《それがたまらなく嫌で……誰にも見せたくないって思って…
だから我慢できなくなったんだ…
智夜君には俺だけ見てて欲しいから…
俺の恋人だから見るなって…“フリ”じゃなくて本当の恋人として言いたいって思ったから…》










…そんな事言われたって、俺にどうしろっていうんだよ。








お前もそうだったように、俺だって初めてなんだよ。





しかも俺はお前と違って恋人とか付き合うとか一切考えてなかった…


それなのに急にフリじゃなく本当の…なんて言われたって……










……無理だろ。

















そんな事を考えていたらいつの間にか家に着いていた。


考え事してたのにバスを間違わずにちゃんと乗った俺……ある意味凄いな。









暗くなる前に帰れた俺は綾野さんに満面の笑みで出迎えられた。



そして、大野さんと櫻井さんが今日はいない事を教えられた。








デート……


2人は時々デートをしているのを知っていたけど…今日は何だかその言葉を聞くのが微妙だった……





恋人の2人は何も悪くない…


ただ俺がそこに過剰に反応しているだけなんだ…















綾野さんの美味しいご飯に、綾野さんの面白い話し…



それに対して俺はちゃんと返事できていたと思う。






でも…

ここに大野さんがいない事に少しホッとしていたのも事実だ。



大野さんなら何かに気づいていたかもしれないと思ったからだ…








でも、もし大野さんに何か聞かれたとしても俺は何も話せなかったと思う…

…いや、話してはいけないと思ったんだ。







あいつが…真剣な顔で言ったあの言葉を……
















そういう事にはまったくもって初心者の俺でも、返事を返さないのはダメだって事は分かっていた。


そして、返すのが遅くなるのもよくないって事も……











だけど……



どうしても返せなかった。








かかってきた電話にも出なかったし、何度もきたメッセージにも返せなかった。



俺の返事は決まっているのに……いや、決まっているからこそ返事ができなかったんだ。







あいつが……


悲しい顔をすると思ったら……できなかった……
















学園でもそうだった。


俺はあいつを避けた。








話しかけようと近づいてくるあいつからわざと距離をとったし、昼休みなんて久しぶりにスタートダッシュをして1人になった。



そんな事を続けていたらいつの間にか、あいつも俺に話しかけるのを諦めたようで、ただこっちを見ているだけになった…











こんなんじゃダメだと分かっているけど、これでいいんじゃないか?と思う自分もいた。


このまま時間が過ぎて何もなかったかのようになってしまえばいいんじゃないかって……














そして、そんな風に過ごしていた5日間はあっという間に過ぎ、とうとう暁翔と一言も喋らずに夏休みに入ってしまった。