※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































𓏸𓈒𓂃𓂃𓂃☾°̥࿐໒꒱ 𓂃𓂃𓂃𓏸𓈒









俺がよく空を見上げている事をこいつは知っていたんだろうけど、本当に見ていたのは空じゃなくて鳥だって事は分かっていなかったんだろうな。





だから、こんな高い場所からじゃ俺が本当に見たい物は見れないんだけど……


でも、マンションの10階から見る空なんてそう簡単に見れないだろうから感謝はしてる…。










高い場所というのは風が冷たく感じるんだな…と、自分の体が冷えている事に気づいて後ろを見ると……











ブルブル…
《……》



『…お前さ?』



《へ…?》



『…どっちで震えてんの?』













大分窓ギリギリの所に立ってるんだよな…


しかも、ここを1度も掃除した事ないって言ってたから考えられる事といったら寒くて震えてるというよりは……













『…なぁ?もっとこっちこねぇの?』



《ぅっ……い、いや智夜君からのお誘いは嬉しいんだけど……そっちはちょっと俺には厳しいかなっと……》



『…お前やっぱり……』



《ちょ、ちょっとだけ!ちょっと高い所がダメなだけだから!》















…に、しては焦りすぎじゃね?


ま、誰にでも苦手な事はあるだろうし、これ以上俺がからかったりしたら流石に可哀想だよな…














『捨ててもいいようなボロ布ってあるか?』



《…え?ボロ布?》



ツンツン
『…掃除。』



《あ!あぁ!
ちょっと待ってて。今持ってくるから。》














さて、この場所を提供してくれた礼はちゃんとしないとな。








ボロ布って言ったのに、真新しそうなタオルを持ってきた櫻谷。


学園に入る時にここに引っ越してきたって話しだから、古い物なんてなかったんだろうけどな…












ベランダの掃除が終わった俺は、真っ黒に汚れたタオルを持って中に入った。













スー
『櫻谷、掃除終わっ__ 』



《あ!ありがとう智夜君!
俺には出来ない事だったから本当に助かるよ!》



『……』



カチャ
《ん?どうかした?》



『…お前、それ洗ったのか?』



《え?なんの事?》



『今、お前が食器棚に突っ込んでる皿とかの事だよ。』



《………洗う?買ったばかりなのに?》














…ダメだ、こいつ。














スタスタ
『戻せ。全部だ。』



《…え?あ、う、うん…》



『…ったく。底のシールも取ってねぇじゃねぇか。』



《あ、そんなのもあったんだね?》



『…あるんだよ。
で、こういう物は先ずは洗うんだ。それから乾かしてしまう。』



《……へぇ?》



『…お前、知らない誰かがベタベタ触った物で飯が食いたかったのか?』



《あっ!そっか!そうだよね!?》



『…ハァ。洗剤とかはあるみたいだし俺が洗ってやる。
お前は洗ったやつを拭く係。いいな?』



《ハハ。うん♪》















…なんで楽しそうに笑うのかよく分からないけど、それくらいはさせないとな。


落とさないように注意はしとくけど……













横並びでシンクの前に立つ俺達。


何がそんなに楽しいのか、櫻谷はずっと笑ってた。






だけど、さっきの事は何も聞いてこなかった……






………。














ジャー

『……なぁ。』



《ん~?》



『…何も聞かないんだな。』



《ん?》



『……』



《あ、もしかして智夜君が気分悪くなったさっきの事を言ってる?》



『……』



《う~ん……
智夜君は俺とは違うだろうなって思うからかな。》



『…どういう意味だ?』



《俺はクズ親の事を聞かれても今はすんなり話せるようになったけど、それを智夜君にも当てはめていい事じゃないでしょ?
俺と智夜君は似たような経験をしたもの同士だけど、違う人間なんだからさ。》



『……』



《だから俺からは聞かない……と、いうか聞いちゃいけないと思ってる。
そんな事したら智夜君に嫌われそうだしね?ハハ。》













……別に俺は___













《でも、後悔はしてるかな。》



『……後悔?』



《あんなに智夜君が具合悪そうになってしまうんだったら、その元凶に何かしておけばよかったな…っていう後悔。ハハハ。》



『っ!お、おい…それはいくら何でも__ 』



《勿論、嫌味くらいで終わらせてあげるつもり。
手を出すとか…俺はあんなクズ親みたいにはならないからね。》












信用ならねぇ顔で言ってるの気づいてんのか、こいつ…?














『…俺の事では手を出すなよ?』



《え?》



『…それでお前に何かあったらどうすんだよ。
お前もだし、お姫様達の事もあるんだから少しは考えろ…バカ。』



《っ!》



『…でも、ま……そう思ってくれたってだけで、少しは楽になったっつうか……』



バッ!
《それって喜んでくれてるって事であってるよね!?》



バシャ
『ぅわっ!ちょ、濡れるって!』



《えっ……あ!》



『……どうしてくれんだよ…腹に水かかったじゃねぇか……』



《ゴメン!
今、タオルと着替え持ってくるから!バッ!》



『あ、待て!タオルだけでいいしせめてその手に持ってる皿を__ 』




バタバタバタ













……持って行きやがった。


ハァ…あれ、割れなきゃいいけど……








俺は櫻谷が戻るまで洗い物を続けた。


そして、買った物が入っていたバッグの中にまだ残っている物を見つけて取り出した。












ガサッ

『!』











……マジか。


まさか、本当にこれも買うとは……






それは、俺が勧めたプラスチックのプレートだった。


しかも、ウサギの柄と戦隊キャラがプリントされてるプレート2つ……








……フフ…どんな顔してこれを使うんだよ。










俺は、このプレートに盛り盛りにおかずを乗せている櫻谷の姿を想像して1人笑っていた。



そんな時だった。










~♫


…ん?なんの音だ?










バタバタバタ

《誰か来たみたい!
あ、智夜君これタオルと服!使ってね!》



『あ、あぁ……』













タオルだけで良かったんだけどな…


しかも皿持ってねぇって事は何処かに置いてきてんじゃんか…





割れる音はしなかったからまだ無事っぽいけどな…












《ん~?誰だろ?……え?》



『…どうした?』



《智夜君…人が来た……》



『…だろうな?』



《…その……》



『?』



《……殿様なんだけど……いいかな?》














…………は?