※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































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カチャ
《見て見て智夜君。この皿もよくない?》



『……』



《あ、こっちもいいかも。》

















色んな店を回って最後にどこに寄るのかと思ったら、100均ね…


前の店にも食器はあったんだけど……まぁ、分かるけどな。














《100均でもこんなに種類多いんだね…ハァ、困るな…。》



『……』



《あ、もしかして呆れてる?》



『…なんでだ?』



《わざわざ違う店に来たからさ…》



『…別に。
買うなら安い物をっていうのは俺にも分かるからな。』



《っ!分かってくれる!?
嬉しいなぁ~。やっぱり俺達似てるね、智夜君。》



『…まぁ、それは否定しない。』



《ハハ。だからかな?
智夜君と買い物してると楽なんだよね。
ちゃんと値札確認できるし、どっちが安いかとか話せるからね。
殿様とかはそういうの一切見ないし……一緒にいるとハラハラするんだよね…》















お殿様は即決タイプ…と。


また無駄な情報がたまってくな…

















『じゃあ買ってもらったっていう家電や鍋とかはそのお殿様が…?』



《あ、ううん。それは姫様だよ。
色々調べてくれて性能がいいやつを選んだって教えてくれたよ。
…まあ、どっちにしろ最新作だったりで高いんだろうから使いづらいのはあるんだけど……》














お姫様は吟味するけど値段は気にしないタイプ…と。





………。







こんなに情報寄越しやがって…こいつは俺にどうなって欲しいんだ?






しかもその情報というのは“重要”とかお姫様に言われてるやつなんじゃねぇのか?


それなのにべらべらと……大丈夫か、こいつ?






これ、お姫様にバレたら怒られるやつじゃね?
















《だから俺が買う物はせめて安いやつでもいいかなって思ってるんだ。
智夜君はどれがいいと思う?》















ま、本人は全く気にしてなさそうだからいいか。

怒られるとしても俺じゃねぇし。














カツッ
『じゃあこれ。』



《ああ、これね~。
って、これ子供用のプレートじゃん!》



『ダメなのか?』



《なんでこれ~?》



『お前、落として割りそうじゃん?だからこれ。』



《俺をよく分かっててくれて嬉しいけど…せめてこんな可愛いウサギ柄じゃないのはないの?》



『…じゃあ……これ?』



《だからって戦隊ものをチョイス!?
もう、なんでそんな面白い事してくれるの~?》
















…お前が違うのって言ったんじゃん。


…ハァ。








結局、俺は口を出さずに櫻谷が選び終わるまで付き合ってやった。


大皿ばっかり選んでいる事には一言いってやりたかったけど、こいつの食う量を考えたらそれも有りかと思ったし、何が足りないかを自分で気づけばいいと思ったからな。








買い物が終わる頃には、櫻谷だけじゃなく俺の両手も塞がっていた。


細々した物ばかりとはいっても、何もない家だとこれだけ必要になるんだな…と、改めて実感した。








ビルを出ると、俺達は荷物を運んでくれる人の所へ向かった。




車で来てくれているというその人は黒いスーツに黒いサングラスで見た時に一瞬足が止まったけど、櫻谷にあれがHIMEIで支給されてるスーツだと教えられて納得した。

ボディーガードっぽいといえばそう見えるしな…。









ってか、この人は仕事中じゃないのか?…と思ったりもしたけど社長が“行け”と言ったらそうするしかないんだろうな……






俺にも丁寧に話しかけてくれるその人に荷物を渡し、その人と櫻谷が何かを話しているのを少し離れた所で待っていると、俺の目線の先に見覚えのあるような人の姿が見えた…


そして、ジッと見ているとそれはやっぱり見た事のある人だった……















『っ……』













…なんだよ、それ………












タタッ
《智夜君。車で送ってくれるっていうからもしよかったらこのまま……》



『……』



《…智夜君?どうしたの?》



『……なぁ…?』



《うん?》



『……あそこにいる子供…何歳くらいに見える…?』



《あそこ?ん~?
あ!あのお父さんと手を繋いでいるチェックの服を着た男の子?》



『……ああ…』



《そうだな~?4、5歳くらいじゃないかな?》



『……』



《それがどうかしたの?》



『……親子…なんだろうな……』



《え?そうなんじゃない?
隣にはお母さんっぽい人もいるし楽しそうに笑ってるし、家族でしょ。》



『……』



《智夜君…?》



スッ
『……帰る。』



《えっ!?智夜君!?》


















笑ってた…


真ん中にいる子供に向かって…笑ってた……








あんな顔するなんて…俺は知らない……









《そうだな~?4、5歳くらいじゃないかな?》








…ハハ……俺はそんな前からあんたにとってはいらない奴だったんだな……





忘れてたのに…

このまま忘れたかったのに………最悪だ……