※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































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スタ…スタ…

『…ハァ……』



《あ、疲れちゃった?
あと9分後にはまた昼食休憩とるからもう少し頑張ってね。》














9分…

ほんと細かいな、おい…。









こいつに渡された“しおり” 。


この予定表は全くもって普通じゃないと言ったのに、こいつは笑ってばかりで聞きやしなかった…










そして、書かれていた時間ピッタリに移動開始…



しおりに書かれている事が全部頭に入っているのか、腕時計を見ながら俺の手を引いて行動するからこいつに着いていくしかなくて…








でも、所々に休憩を入れてくるんだよな。


しかも歩き疲れたなって思う頃に丁度よく……







それがしおり通りだからか余計怖くなるんだけどな、俺は…


こいつは俺の体力まで把握してるのか…ってな。















《あ、智夜君ここだよ。》



『ここ…?』














…うわぁ。

ピンクの外壁とか…また入りずらそうな店を選んだな…







なんなんだ、こいつのチョイス?















《こういう所に詳しい人がHIMEIにはいてね?
その人に聞きながら殿様と練ったプランなんだ。》
















おぉい。

またお殿様も関係してんのかよ…














《なんでもパスタが美味しらしくて…あ!あと季節のフルーツパフェも美味しいんだって。》



『…俺、そんなに食えねぇけど?』



《大丈夫。パフェは俺と半分ずつにしようね。ハハ。》



『……』



《さあ、行こう。》















半分ずつ…?

1つのパフェを男同士で…?





“ふり”は店の中でも続けろって事か?








…ハァ……目立つだろうな……














ピンクの外壁で中も凄いのかと思ったけど中は全くそういった感じではなくて、寧ろ落ち着いた雰囲気だった。


こういうのをレトロ…というのかな?









しかも、お殿様とどこぞの誰かのチョイスは間違っていなくて、ランチのパスタは美味かった。




そしてパフェ……

季節のフルーツはいちじくでそっちも美味そうだったけど、2切れとアイス少しで限界だった。




ランチでサラダとかパンとか色々ついてきたからだな…







でもこいつは有言実行をしてきた…




チラチラ見られてるのに…

絶対気づいていないはずないのに…






…お構い無しなのは凄ぇよ。











俺は櫻谷がパフェを食ってる間にしおりを見直していた。


今までは街をブラブラって感じで特定の店は書いてなかったけど、午後はがっつり書かれてあるんだよな…













『……これさ?』



《へ?…モグモグ》



『…食ってからでいい。』



《ゴクンッ……うん、大丈夫だよ。それで?》



『…今日の目的って__ 』



《そう。そこに書いてる物を買いたいと思ってるんだ。》



『…結構細かく書いてるな。
ピーラーなんて知ってたのか?』



《あ、それは姫様の所のハウスキーパーの人に何が必要か聞いたんだよ。》



『…ハウスキーパー?』



《掃除とか料理とかしてくれる人の事だね。》



『ああ。』



《大きい物や高い物は姫様達から送られてきたんだけど、調味料とか小さい物は自分で揃えろと言われてさ…》



『…なるほど。
揃えろと言われても何も分からないからそのハウスキーパーさんに聞いたんだな。』



《そうなんだよ。
でも、その買い物の為にカードを渡されるとは思わなかったから……落としたらどうしようって内心ドキドキなんだよね…。》














……それ、物凄く分かる。


俺も前のポケットに財布を移したからな。















《俺には分不相応と分かってるしそう言ったんだけど、“遠慮なんかしたら札束積み上げるぞ” って言われたから使わない訳にはいかないんだよね…》



『…それお姫様か?』



《よく分かってるね。うん、そうなんだ。》















それはカードを渡されるよりも怖いな…













『…でも、結構な量あるな?これ全部買うんだろ?
荷物持ちくらいはするけど__ 』



《あ、それは大丈夫。
買い物終わったら連絡しろって言われてるんだ。
どうやら荷物を持って帰ってくれる人を送ってくれるみたい。》



『……それってさ?』



《ん?》



『…俺とじゃなくてその人と来たら良かったんじゃね?』



《まさか。それじゃデートにならないじゃない。》



『……こだわるな…』



《勿論。だって智夜君気づいてた?
既に学園の人達数人とすれ違ってるんだよ?》



『……マジ?』



《うん。間違いないよ。
あれは1年のスポーツ課の人と、2年の普通課の人達だね。
だから来週にはデートしていたっていう噂も広まるんじゃないかな?楽しみだね。》
















楽しみって……


というか俺は、お前が人を見ただけで学年だけじゃなく課まで言い当てるのが怖ぇよ…。













カタッ
《さて、そろそろデートの続きをしに行こうか?》



『え?あぁ、うん。じゃあ金__ 』



《あ、出さないでね?
これはデートなんだから俺が払うのが当然。
智夜君が払ったなんて言ったら俺が殿様達に色々言われちゃうしね。》













……待て。


俺もよく知りはしないけど、そういうのって女性相手に男が格好つけたい時にするものじゃないのか?














『……俺、男だぞ?』



《え?勿論知ってるけど?
ハハハ。さぁ、行こうか智夜君。》
















……そうだよな、知ってるよな?





じゃあ…知ってるのになんでなんだ?


男の俺しかいないのに格好つけたい訳でもないだろうし……
















《智夜君?置いてはいかないけど、まだ?》



カタンッ
『あ、悪い。今行く。』














考えても分からない事は仕方ない。


取り敢えず今は、しおり通りに動かないとな。