※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
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月曜日、昼休み。
俺は保冷バッグを持って中庭のベンチへと来ていた。
《あ~、楽しみだな~。》
このウキウキしている櫻谷と一緒に…。
なぜ一緒にいるのかというと昨日俺が櫻谷に “明日の昼飯は用意するなよ” と連絡していたからだ。
というのも、櫻谷が来た時に持ってきたお土産と“迷惑料”なる貰った物が一品教えるくらいじゃ釣り合わないと綾野さんが判断したから、櫻谷への弁当も作った…という訳なんだ。
ゴソッ
『…はい。櫻谷の弁当。』
《うわぁ!開けていい?》
『…どぞ。』
パカッ…
《っ!何これ凄い!!》
そう、綾野さんは凄いんだよ。
しかも今日の弁当は更に豪華だ。
櫻谷がよく食べる奴だから、弁当箱もデカいしな。
《唐揚げに、ハンバーグに、焼き鮭……えっ!ローストビーフ!?
それに、海老チリにこれはコロッケ…?》
『それカニクリームコロッケ。』
《なんとっ!
野菜のナムルみたいな物もあるし…あ!ご飯も色とりどりの1口おにぎりだ!なんか可愛い!》
『…俺、それ作った。』
《えっ!?どれ!?》
『そこのポテトサラダと__ 』
スッ
《これだね!じゃあいただきます!…パクッ
んんっ!美味しいよ大嶺君!》
『……』
《他にもあるんだよねっ!?》
『……ブロッコリーも茹でた。』
《これかぁ!パクッ!
んー!これも美味しいよ!流石だね大嶺君!》
いや、ブロッコリーを切って茹でただけだから美味いのはブロッコリーであって……
…って、他を食わずにそこだけ空にすんなよ。
《他は?ねぇ大嶺君、他はなにを?》
他って……って、なんでそんなに期待した目で見てくるんだよ?
『…いいから、食いたいの食えよ。』
《えぇ……うん、分かったよ大嶺君。》
…今度は悲しそうな顔するし……
…フッ、ハハハ。
弁当を食うだけでそんなコロコロ表情を変える奴初めて見た。
あ、でも櫻井さんも大野さんが作ったケーキを前にすると一気に表情が変わって本当に嬉しそうにしてたっけ。
で、食べ終わると “なんで食べてしまったんだ…” なんて言って本当にガッカリした顔をするんだよな。
名前だけじゃなくて、そんな所も似てるとは……
……ん?
でも、なんで櫻谷が櫻井さんに似てるなんて事になるんだ?
櫻井さんは大野さんが作ってくれたって事が嬉しいからそんな風になるんだろうけど……櫻谷は…なんだ?
《んー!モグモグ…これもおいひいー!》
…ん?ああ、なんだ。
櫻谷も櫻井さんみたいに食うのが好きって所が似てるから、だから被って見えたんだな。
…にしても……ノンストップでよく口に入るな。
まぁ、それだけ美味いって事だから綾野さんにはいい報告ができるな。
俺の弁当と櫻谷の弁当では量が違ったのに、別に用意されていたデザートのフルーツを食べる時はほぼ同時だった。
しかも、まだ入る余裕があるとか……すげぇ腹してんな。
《ハァ~。ご馳走さまでした!本当に美味しかったです!》
『…あぁうん…綾野さんに伝えとく。』
《うん、お願いします!
特に大嶺君の作ってくれたサラダとかブロッコリーも美味しくて__ 》
『ブロッコリーはブロッコリー本来の野菜の味だ。』
《えぇ、それだけじゃないと思__ 》
『それだけだって。』
《えぇ…?まぁ、そう大嶺君が言うなら…
あ!そうだ忘れる所だった!》
『ん?』
ガサッ
《はい、大嶺君これお土産。》
『……は?』
《京都の織物で作られた小物入れ。
俺と色ちがいでお揃いなんだ。ハハ。》
『……は?…なんで?』
《え?京都に行ったからだけど?
大嶺君もあの時聞いていたよね?》
『……いや、そうじゃなくて…』
《え?》
なんで……わざわざお揃いなんだよ?
《…もしかして見る前から気に入らないとかかな?
柄が綺麗だったんだけど……違う物を選べば良かったかも…》
…ハッ!
お土産をわざわざ買ってきてくれたっていうのに何やってんだよ俺。
ギュ
『ありがと。何かに使わせてもらう。』
《パァァ!うん、使って使って!》
土産を突き返すとかそんな最低な事は流石にできないからな…
《そうだ大嶺君、聞いてよ。
俺が姫様達の所に着いたら直ぐに__ 》
ジャリッ
「あ、あの櫻谷君!」
《…え?》
「ちょ、ちょっと話ししたいんだけどいいかな!?」
……誰だこいつ?