※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































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その後、大野さんとは櫻谷とは関係ない事を話していた。




大野さんが今度の休みはまた皆で何処かに出掛けようか?と、違う話しをふってくれたからだ。







人が多くて騒がしい所が嫌いな大野さん。

今もよく見たら顔色が悪い…






2階に籠るとこうなるのは今までも何度も見てきた。




でも、大野さんはどんなに体が辛そうでも俺に対する態度を変える事はなかった。


忙しいのに無理してでも俺が帰ってくるのを待っていてくれたり、“おかえり”と微笑んでくれたり…









大野さんはいつだって、俺の側で俺を見ていてくれてる…





それが分かっていたのに、俺はなんであんなにもガキっぽい事を考えていたんだろう…


なんで櫻谷と自分を比べる事なんてしたんだろう…






でも……






【俺は大嶺君だからこの家に呼んだ。
大嶺君だから一緒に暮らそうと言った。
他の誰でもない…君だからなんだよ。】






あの言葉が聞けて良かった…


俺でいいんだって思わせてくれたあの言葉を……














だけど、大野さんとは長く話しはしてられなかった。


というのも、キッチンから何度も聞こえてくる音に大野さんが頭を押さえてしまったからだ。







壁がないといっても、綾野さんが食事の準備をしていれば絶体に聞こえてこない音。


しかも、櫻谷の慌てた声も合わさって色々限界だったんだと思う……






俺が“もういいから少しでも静かな上に戻って” と言うと、苦笑いで “ごめんね” と言って大野さんは直ぐに階段を上って行ってしまったから。















それからは暫くその場所から櫻谷を見ていた。







相変わらずわちゃわちゃしている櫻谷…


でも、顔は真剣というか必死だった。









…櫻谷は確かに大野さんに聞いてみたい事があっただろうけど、それは綾野さんに聞かれなきゃ自分からは言わなかったのかもしれない。


ただ、料理を教わって何事もなく帰っていたかも……










そんな櫻谷に俺は勝手に嫉妬…したんだよな。


大野さん達を取られるとか思って…






………。






…なんか、櫻谷に悪い事した気分になったから側で手伝う…のは、流石に邪魔だろうからもっと近くで見るだけ見とくか。

綾野さんがいるし俺のアドバイスなんて必要ないだろうけど…











スタ…
『……』



《あ!大嶺君!あの大野さんは……》



『…忙しい人だから。』



《…そっか……ちゃんと謝りたかったんだけど……》



『…なあ、櫻谷?』



《やっぱり失礼な事を言ったから怒らせてしまったのかも…》



『なあ、櫻谷。』



《あ、直接言えないならせめて大嶺君から__ 》



『おい、焦げるぞ!』



《え?あ、あぁっ!どうしよう!ガチャ ガタッ!



「櫻谷君。そういう時は落ち着いて火を消すんです。pi…



《…すみません…あぁ…野菜が……》



「食べれなくはありません。
少し芳ばしくなった程度で済んでますからね。しかし…」



『櫻谷…お前あれもこれも出来る訳じゃないんだから炒めてる時は炒める事にだけ集中しろよ。』



《ぐ……》



「大嶺君の言う通りですね。
大野さんがいらっしゃった時もそちらばかり気にしながら手を動かすから物がよく落ちるんですよ?
あれが包丁だったらどうなっていたか……」



《う……》



「…料理、なめないで下さいね?」



《ビクッ! はい!本当にすみませんでした!》














綾野さんの大事なキッチン…


荒らされたんだからそりゃ怒るよな…











櫻谷が初めて作った野菜炒めは所々焦げていた。


でも櫻谷の顔は…嬉しそうだった。









じゃあこのままもう一品…と、綾野さんが言った時インターフォンが鳴った。



そして綾野さんが来客に対応して戻ってくると……













「櫻谷君。姫乃さんの会社の方という人が迎えにきましたよ。」



《えっ!?どうして…》



「姫乃さんは京都に出張中なんですね。
だから代わりに来させられたみたいですけど…“教育が必要だから今すぐ連れて来い” と、その方は姫乃さんに言われたそうですよ?」



《っ!!》



「どうされますか?」



《…ハッ!あ、あの綾野さん!俺__ 》



「ふふ。姫乃さんは怖い方ですからね。
櫻谷君が作った料理はタッパーに詰めますので持ち帰って下さいね。
京都まで向かう新幹線の中ででも食べて下さい。」













…京都……


“連れて来い”って京都までって意味なのか……





すげぇな、お姫様……










バタバタ

《本当にすみません!
綾野さん今日は教えて頂きありがとうございました!
また次回もよろしくお願いします!》



「……ふふ。」



《大嶺君も今日は本当にごめんね?
月曜日にまた学校で。》



『…うん。』



《それとあの…大野さんに……》



「櫻谷君が謝っていたと伝えておきますよ。」



《っ!はい、お願いします。
それじゃあお邪魔しました。》












__ガチャン




「……」
『……』






……ああ、静かだ。












ガサッ


……ん?










『…綾野さん?それって……』



「ああ、これは姫乃さん達から頂いた“迷惑料”ですよ。」












迷惑料……


紙袋が3つも……











『…綾野さん。』



「なんでしょうか?」



『…さっき櫻谷から“次回も”って言われた時、笑ってるだけで何も返さなかったですよね…』



「大嶺君。」



『…はい。』



「なるべく早く櫻谷君に調理器具を揃えるように言って下さいね。」













やっぱり怒ってるんだな……


うるさいのを嫌う大野さんの事もあるだろうしな……













『…はい。そうします。』



「お願いします。
では片付けと…残りの材料で今日の夕食を先に作ってしまいますか。」



『お手伝いしま……いや、俺も邪魔しちゃ__ 』



「よろしくお願いしますね、大嶺君。」



『っ!……いいんですか…?』



「大嶺君なら勿論ですよ。」












“俺”なら……


こんな所でも俺でいいと言われてるように感じられるなんてな……














『…ありがとうございます。』



「それにきっと大嶺君が作ってくれたと言ったら大野さんも少しは召し上がってくれると思いますしね。」



『っ!はい、頑張ります。』



「ふふ。助かります。
デザートはこちらの頂いた物がありますしね。
真空さんが相葉さんのお家にお泊まりなのが残念ですが3人で美味しく頂きましょう。」



『はい。…あ、あの綾野さん?』



「はい?」



『櫻井さんを忘れてませんか…?
確か今日は早く帰ってくると言っていたような…』



「……あ。」














あ、マジで忘れてたんだな…














「…大嶺君。4人で美味しく頂きましょう。」











っ!


普通に言い直した……














『フッ、ハハ…はい。そうしましょう。』



「では気を取り直して、大嶺君。お手伝いをよろしくお願いしますね?」



『はい。分かりました。』