※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































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『…大野さん……俺___ 』







ガシャン!

『!?』




《うわっ!すみません!》



「料理中に余所見とは…いい度胸です、櫻谷君。」



《本当にすみません!》
















…なんだ、料理バットを落とした音か。




ビックリしたな。

その所為で話を途中で止める事に……ハッ!








俺……

今、大野さんになにもかも言おうとしなかったか…?






っ!

何を考えてたんだよ、俺…。







櫻谷がこの家にいる事が嫌とか、大野さんの事を聞いてくるのが嫌とか…自分でもガキっぽいっ事考えてるって思ってたじゃないか。





それなのに……


そんな事を大野さんに言ったらどう思われるか…。








子供すぎると笑われる…?


ため息をつかれて呆られる…?






最悪、心が狭いとか思われて俺を__












「櫻谷君。私は短冊切りとお願いしたはずなのに何故いちょう切りになったのでしょう?」



《えっ!?これ間違ってますか!?》



「今日はそれで仕方ないですね。
…でも、器用に繋げなくていいので1枚1枚にはして下さい。」



《ビローン……あぁぁ…》



「ふふ。ある意味器用ではありますよね。」



《っ////……すみません…》












…もうあんなに綾野さんとも仲良さそうに話してる。




俺は最初からあんなに話せなかったのに…





……。






…櫻谷は勉強ができる。

…櫻谷は愛想がいい。

…櫻谷はハキハキものを言う。




…同じ親に恵まれなかった同士だとしても、俺と櫻谷じゃ………全然違う……














ボソッ
『……ここにいるのは俺なんかじゃなくて櫻谷みたいな奴の方が良かった…?』



【……】



『……ハッ!』













俺、今声に出してたんじゃ…?














『あ、えっと今のは違っ__ 』



【最近バス停まで迎えにいけてないし、ゆっくり話す時間も取れなかったから不安にさせたかな?
ごめんね。
この土日で終わらせるから月曜日にはまた__ 】



『謝らないで!』



【……】



『…違う……今のは間違いで何でもないんだ…』



【……】



『っ、ごめん…忘れて……』










グッ…



バカだ、俺…

世話になってる人の前でこんな事言うなんて……















【…確かに、櫻谷君はいい人なんだろうね。】



『っ!』



【彼の過去を知っていたから、あんなに明るいとは思わなかった。
でもそれだけ彼が精一杯境遇に立ち向かい努力した結果だと思うから、そこには感心するよ。
それに今も頑張っているんだと思うから応援したくなるね。】



『……』



【でも、それだけだよ。
彼の方がよかったなんて思う訳ない。】



『……え…?』



【今、彼がああしていられるのは姫乃さん達がいたからだと思うよ?
だから俺じゃダメだったはず。
怒りも恨みも遠慮せず吐き出せと言う姫乃さん達じゃなければね。】



『……』



【それに彼が今日ここにいるのは大嶺君が彼を気にかけているのが分かったからだよ。
そうじゃなきゃ俺は彼がこの家に来る事は許してないよ。】



『…え?』



【…フフ。どうして彼に料理を教えようと思ったの?】



『それは……あの時の礼を……』



【それだけ?】



『っ……コンビニ弁当ばかりだとか…あいつが言うから……』



【それだけでここに呼んだの?】



『っ!だって、あいつの家も学校の調理室も使えなくて仕方なくて!
そ、それに反対されるかと思ったらされなかったし!』



【しないよ。
彼の事が本当に嫌なら大嶺君は“来るな”と言えたはずなのに、俺達にわざわざ答えを求めてきたんだから反対なんてしない。
だってそれが君が彼個人を嫌っている訳じゃないって証だから。】



『!』



【綾ちゃんがああやって櫻谷君に熱心に料理を教えているのも、大嶺君が櫻谷君を気にかけているって分かっているから協力しようとしてるだけ。】



『……』



【そして俺があっちに行かずここにいるのも、そんな顔をした君を1人にはしたくないし、君といたいからだよ。】



『っ……』



【俺は大嶺君だからこの家に呼んだ。
大嶺君だから一緒に暮らそうと言った。
他の誰でもない…君だからなんだよ。】



『っ、大野…さん……』



【それに__ 】






ガシャン!

「…櫻谷君……」



《わぁぁ!すみません!本当にすみません!》













……また、何か落としたのか?














【…ほらね?】



『え?』



【そもそも、うるさいのが嫌な俺と櫻谷君……合うと思う?】



『あ……』



【さっきも“黙れ”とかつい言いそうになったよ。
大嶺君の友達だから一応俺も挨拶しなきゃと思って手を止めて降りてきたんだから、言わないようにって頑張ったけどね?】















そうだったんだ…

だからわざわざ来てくれたんだ……






でも……













『フッ、ハハハ!
大野さんの“黙れ”聞きたかったな!』



【やめて。次うるさくされたら言いたくなるから。】



『ハハハ!』



【…フフ。うん、やっぱり大嶺君には笑顔が似合うね。】















っ……/////


そんな事言われたら恥ずかしいけど、でも大野さんに言われるのは………




…嫌じゃないから困るんだよな。