※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































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「櫻谷君。
君、何かを嗅ぎまわる為にこの家に足を踏み入れた……なんて事はないですよね?」








  



両手を組み櫻谷を見つめる綾野さん…



いやあれは睨んでる…の方が正しいか……














《…嗅ぎまわる?……え?》



「君には大嶺君の事でお世話になりましたし、あの姫乃さんが後見人になっていらっしゃるそうなので、今日はこのような場を提供しましたが、それだけでお招きした訳ではないんですよ。
こうして私も個人的に君に問いただしたいと思ったものでね。
…それで櫻谷君、君の返答は?
事と次第によってはこちらも対処…しなくてはならないですからね。」



《っ!お、俺はそんな事は思っていな__ 》



「大野さん。」



《!》



「大野さんの事を君が知りたがっているとこちらは大嶺君から聞いているのですが?」



《そ、それは……》



「否定するとこちらは余計警戒する事になりますが…よろしいですか?」



《っ!……あ、あの……俺は……》



「……」



ガタッ! バッ!
《す、すみませんでした!
でも嗅ぎまわるとかそんなつもりはなかったんです!》



「…というと?」



《確かに大嶺君から少しでも情報が得られないかと聞いたりもしました。
今日もこうしてお邪魔させてもらえると聞いてもしかしたら大野さんにお会いできるかもと期待もしてました。
でも違うんです!
決して嗅ぎまわろうとかそんなつもりはなくて俺は……俺はただ……》



「“ただ”なんでしょう?」



グッ!
《俺は!俺は大野さんがどういう人なのか知りたかったんです!
そしてもしお会いできたら聞いてみたかったんです!
姫様と殿様のどちらとお付き合いしているのか、それとも両人と付き合っているのかを!!》



「!」












………は?


何言ってるんだ…?














「…ええ…と、櫻谷君いったい何を__ 」



《本当にすみません!
でも姫様達は意味深に笑うだけで何も教えてはもらえないし、それでどうしても気になってしまって__ 》



「ちょっと待って下さい櫻谷君!」



《あ……》



「…取り敢えず…座りましょう。」



《は、はい…。ストン…














さっきの言葉には流石の綾野さんも驚いたみたいだな…



確かにそうだよな…

だって大野さんには櫻井さんがいるから。






しかし……


櫻谷が大野さんの事を俺にやけに聞いてきたのはこれが知りたかったのか?






なら俺が櫻井さんがいると答えてればこんな綾野さんまで困らせる状況にはならなかったんじゃ……


いや、でもそれも無理か。







俺が大野さんの個人的な事を話すはずないし、綾野さんや成瀬さんからも大野さんに関して他の人に余り話さないでと言われているしな。













「…櫻谷君。
それは……その、大野さんが姫乃さんや殿井さんとお付き合いしているとご本人達が仰っていたのですか?」



《え?あ、いえ。2人は言ってません。》



「言ってないんですか?」



《はい。でも!
大野さんは命の恩人だとか、大切で守りたい人だという事は聞きました。
だから俺に大野さんと一緒に暮らしている大嶺君と同じ高校に進学するように言ってきましたから!》













……え?


まさかそれって、俺がいるから櫻谷もあの学校に入ったって事か…?















《でもそうする理由を聞いても姫様は“仲良くしてもらえ”と言うだけだし、じゃあ大野さんという人はどういう人ですかと聞いても“個人情報だ”と言われるだけで何も教えてもらえなかったんです。
だからあの2人の本当に珍しい柔らかな微笑みとか、大野さんの事を“大切で守りたい人”という言葉から俺は大野さんは2人のどちらかの恋人か2人両方の恋人なんじゃないかと考えたんです。》



「…2人と付き合うとか…そこに疑問は抱かなかったのですか?」



《え?ああ…でも、あり得なくはないと思いました。
あの姫様達ですし。》















お姫様達ならあり得るのか……


でも、櫻谷から聞いてる2人からはそうはみえないけどな…












「…そう櫻谷君から思われてるとしたら、お2人にも問題がありそうですね。」



《いえ!姫様達は尊敬する人達です!何も問題はありません!》



「…そう…ですか。
櫻谷君がそう思っているのなら私は何も言えませんね。
しかし……大野さんとお付き合いですか。
それはお2人には問わなかったのですか?」



《問いました!
でも“ノーコメント”と笑って言われました。》



「ハァ……姫乃さん…」














……櫻谷。


綾野さんも思っただろうけど、俺もたぶん同じ事を思った…




お前、絶体2人に遊ばれてるぞ…?














《……あの?》



「ああ、すみません。
どうお答えしたらいいか考えてました。
ただ、姫乃さんがそこまでお話しにならないという事は、私からも何もお伝えできないのではないかと思うのですよ。」



《えっ!?》



「個人情報と仰られているのがまさにその通りですからね。
私こそまさに第三者ですし。」



《えぇ!…でも確かにそう…ですよね……》



「はい。」



《…分かりました。
もしかしたら今日でこの疑問がスッキリすると思ったのですが……そう簡単じゃないですよね。
あの…お騒がせしてすみませんでした。
もうこの話しは一切しませんので許してもら__ 》



スタ
【簡単だよ。】



「あ…。」
『っ!』



《…え?》












なんで……

今日は2階の仕事部屋から降りてこないって言ってたのに……















タン タン タン…

【俺は姫乃さんとも殿井さんとも付き合ってはいない。
それが答えだよ。】













なんで……大野さん……














《ま、まさか……大野さん…ですか?》



【そうだよ。】



《っ!……女性じゃなかったんだ……じゃあ大嶺君はどちらかの隠し子じゃないって事…?》















………は?