※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























••┈┈••✼🍀✼••┈┈••









寒くなって風邪をひかなかったのも、ちょっと有り余る程の元気があるのも、この日を迎えるのが楽しみだったからじゃないかとさえ思う。



病は気からなんて言うし、そもそも絶対に風邪なんてひいてられない!って思えたからね。







そう、きちゃったんだよ…

とうとう、この日が!







タンッ…



シャー









あ~、ドキドキするぅ!!











ゴソッ…
《……寒い。》



『見て、櫻木 翔琉!今日も晴れるよ!』



《…まだ…夜は明けてない……》



『でも晴れるもん!』



《…分かった……分かったから…早くこっちに。
智早が隣にいなくて寒いんだ…》



『もぉ~何言ってるのぉ?
僕、ベッドには戻らないよ?』



《……あ?》



『明日もお店開けるから、今日は土曜日だけど市場に行くって言ってあったでしょ?』



《…じゃあ…俺は寒いまま…か?》



『…あ、ごめんね?
まだ早いしカーテン閉めるからね。』



《……智早がいないと寒くて__ 》



『エアコンの設定1℃上げておくから~。』



《…そういう意味じゃ__ 》



ポフポフッ
『はい、僕の枕。これ抱いてまだ寝ててねぇ~。』



《……ギュ。》















あ、可愛い…♡



チュッ…


ンフフ♪







寝惚けて可愛い櫻木 翔琉にキスをして僕はシャワーを浴びて出掛ける準備をした。


今日はドキドキに加えて忙しい1日になるからね。










櫻木 翔琉は今日はお休みらしい。



いや、お休みにする為に頑張ったのかも。

昨日も僕が寝てから帰って来たからね。









そんな櫻木 翔琉にはカットフルーツとヨーグルトを準備して冷蔵庫に入れておく。


冷蔵庫の隣のホワイトボードにもメッセージを残したから、起きたら気づいて食べてくれるはず。







よし。






スッ


僕はいつもより多い荷物を持って玄関を出た。

櫻木 翔琉を起こさないようにそっと“行ってきます”と言ってね。









予定時刻の10分前に降りたはずなのに、マンションの前には既にお店の車が停まっていた。



駆け足でその車に乗り込むと……










[おはよう~!寒い中待たせたら可哀想だと思って早く来たよ~♪]



『ロクちゃんありがとぉ~♪』



[風邪なんてひいたら大変だしね~♪]



『ンフフ♪僕、嬉しい~♪』



〘……いいから、早く行こうぜ。〙



『あ、ランちゃんもおはよぉ♪
今日はよろしくお願いしま~す♪』



〘……ああ。〙



『?』


[あ、智早君ごめんね?
藍、寒くてまだ本調子じゃないみたいなんだ。]



『…そうなんだ~。……でも、忍者なのに…』



〘…おい、忍者でも寒いもんは寒いだろうが。
ってか、俺は忍者じゃねぇ。〙



『え~?分かった内緒ね♪』



〘だから違ぇって……ああ、もういいわ……〙



『ンフフ♪』



[じゃあ行きますか?]



『は~い。“なんでも屋”さん、今日は荷物持ちよろしくお願いします♪』



[毎度ありがとうございます!頑張ります!]
〘……っす。〙















いつもは市場に行かない土曜日。


だけど、イベントなんかと重なるとどうしても仕入れに行かなきゃいけないから、今日はこうして“なんでも屋”さんにお仕事をお願いした。




僕、店長になったからそこら辺も僕の判断でいいってユキちゃんが言ってくれたからね~。







そのいつも一緒に仕入れに行くユキちゃんは、クリスマスという事もありホストクラブの太客とパーティーに出席したりと忙しいからこれないんだよね。


ちゃんと胃薬飲んでればいいけど…












『…あれ?そういえばヒロさんはいないの?』











僕、一応3人だと思って依頼料準備してたのに。











[あ、緋路は__ ]



〘お前がヒロに色目使うから置いてきた。〙



『え~?なにそれぇ~?』



[こら、藍!そんな失礼な言い方しないの!]



〘…本当の事だろ?ジッとヒロの事見てんじゃん。〙



[違うでしょ!]



『そぉだよランちゃん!ロクちゃんの言う通り違うよ!』



[ほら!]



〘……〙



『僕は3人共じっと見てるからね!』



[…え?]
〘…は?〙



『だって皆イケメンで、目の保養なんだから見るなっていう方が無理だから!
そしてイケメン見てニヤけるなっていうのはもっと無理だから!』



[……智早君…]



『だから、いつもイケメンありがとぉ!』



〘…んだよ、それ。お前変な趣味してんな。〙



[イケメンありがとうって……俺、これ喜んでいいの?
あとで櫻木さんに怒られたりしない?]



『大丈夫♪
もう櫻木 翔琉は呆れながらも仕方ないって思ってるみたいだから。
あと、イケメンなんだから喜んで?
それとその顔に産んでくれたご両親に感謝してね~♪』



[え?あ、うん……わ、分かった。]



『ンフフ♪という事でヒロさんがいないのは残念だけど、今日も目の保養よろしくね、2人共♪』



〘…緑太、仕事って荷物持ちだったよな?〙



[藍、俺達はなんでも屋…臨機応変に頑張らないと。
取り敢えず、格好いい顔でもしとこうか?]



〘…どんな顔だよ?〙



キュ
[……こんなのは?]



〘……〙



[え?ちょっと藍、なんか言って!?]



〘…ヒロ、連れてくれば良かった。〙



[えっ!それ俺の顔が全然ダメって事!?ちょっと藍!?]











わぁ~♪

ロクちゃんは朝から元気いっぱいでいいねぇ~♪



こっちもほっこりさせられるよぉ~♪






ランちゃんは、寒いのか白いマフラーでグルグル巻きで顔の半分も見えないけど可愛いし……うん、やっぱり目の保養だなぁ~♪















今日は追加のお花の仕入れ。



というのも、昨日新しく入った2人を連れて大量に仕入れに来たんだけど、思った以上に花束の注文が入っちゃったんだよね。






男性からのプレゼントでもう1つ…と考えた時にお花は選びやすいのかもね~?






クリスマスの贈り物にこんな感じの花束はどうですか?と見える所に飾っていたのが良かったのかなぁ?


一緒に飾っていたコットンフラワーのリースもなん十個も売れたしねぇ~。












そうそう、そのコットンフラワーも今日は仕入れなきゃだよね。


あとは赤い薔薇と……あ!あのアンティークローズも綺麗♪







ホストクラブの方もクリスマス仕様にしなきゃだから、あの大箱を……うんうん、やっぱり“なんでも屋”さんをお願いして良かったかも♪











ランちゃんには “ぐへぇ…” なんて言われたけど、沢山の綺麗なお花を仕入れる事ができた。


ちょっと多すぎるかな?なんて思ったりもしたけど、25日にお花を渡したいっていうお客さんが来ると予想しての仕入れ。





明日もお店は開けるけど、日曜で市場休みだから今日の内になんとか確保しとかなきゃだしね。












ロクちゃんとランちゃんが頑張ってくれたお陰でいつもの時間にお店に戻ってこれた僕達。


搬入も2人に任せちゃって、僕は運ばれた物から早速お花の水揚げ作業。





開店までには仮眠状態から目覚めさせてあげなきゃだもんね~。









そしてその作業をしつつも頭の中では、今日、注文が入っている花束達の組み合わせを考え中…


値段やざっくりなイメージは言われたけど、あとは僕にお任せの物ばかりだから…








今日は僕はずっとこのバックヤードに籠る予定。


呼ばれたら店内に行かなきゃだけど、予約の注文分は全部僕が作らなきゃだからね。






あ、そうだ!


大野君に頼まれた花束用のお花も見なきゃ!










タタタ…


うん、綺麗……









スッ
〘すげぇな、それ。〙



『え?あ、うん綺麗でしょ?この青い薔薇。』



〘…まぁな。〙



『ンフフ♪ランちゃんも気になる?』



〘…いい色してんなとは思う。〙



『ヒロさんにあげたい?』



〘いや、どちらかというとヒロには赤だな。〙



『赤なの?』



〘赤はヒロに似合うからな。〙



『…なるほどねぇ~。』



〘ところで、そろそろ時間になるけど他にする事あるかって緑太が言ってる。〙



『あれ?朝ごはんは?』



〘んなの、お前が花に話しかけてる内にもう食い終わってるっつうの。〙



『あれ~?そんなに時間経っちゃってた?』



〘今日はお前の歌まで聞かされた。〙



『え?僕、出ちゃってた?』



〘がっつりな。
緑太に静かにって言われたから俺も黙ってた。〙



『うわぁ…なんかごめんね?』



〘別にいい。悪くなかったしな。〙



『え?』



〘……なんだよ?〙



『…えへへ♪なんか嬉しくなっちゃって~♪
あ、たぶん歌ってたのシキの歌だと思うから興味があるなら__ 』



〘別にない。〙



『……』



〘……今度はなんだよ?〙



『プゥ!少しくらい興味もってくれてもいいじゃん!』



〘……おい、なんで怒ってんだよ。〙



『シキの歌は最高なんだから!あの歌を聞いたら絶対にランちゃんだって__ 』



〘分かった、分かったから落ち着けって。
ヒロに言って時間ある時にでも聞いてみるって。〙



『本当!?』



〘あ、ああ…。〙



『嬉しい♪絶対に“いい”ってランちゃんも言うから!』



〘…決まってんのかよ。〙



『シキの歌を聞いて“嫌”って言う人はいないのだぁ~♪』



〘…そうかよ。〙



『ンフフ♪あ、時間だって話しだったよね?』



〘ん?ああ。もう8時になるからな。〙



『じゃあちょっとそのまま待ってて~。』



〘…は?他にする事は?〙



『ないない。待ってて~。』



〘あ、おい…〙










僕はパタパタと店内に行って、数種類のお花を手にしてレジ脇の作業用カウンターへ3つに別けて並べた。


そして頭の中のイメージ通りに組み合わせ、水で湿らせたペーパーとアルミホイル、そしてそれぞれにラッピングして最後に可愛くリボンをつけて……出来上がり♪







時間にして、10分くらいかな?



そのラッピングしたお花を持ってまたバックヤードへと戻ると……










『お待たせ~。』



[あ、智早君どうかしたの……って、その花束は?どこかに届ける用?]



『あ、違う違う~。
これは、僕から3人へのクリスマスプレゼント~♪』



[えっ!?]



『はい、これロクちゃんの~♪
ミントティーの薔薇メインで淡い感じに作りましたぁ♪
クリスマスホーリの赤い身とサンタさんの飾りが可愛いでしょ~?
で、こっちはヒロさんに赤い薔薇…白いカスミソウも入れてあるから1番クリスマスっぽいかもね~。
そして、これは…』



〘……俺?〙



『シルバーの飾りも入れたから、これもクリスマスっぽいでしょ?』



〘…さっきの青いやつ……〙



『ランちゃん青い薔薇を綺麗って言ってたからね~♪』



〘……くれんの?〙



『うん♪
今日はありがとうって意味と、よいクリスマスをって事で♪』



ギュ…
〘……ありがと。〙



『ンフフ♪』



[智早君ありがとう♪
これで事務所もいっきに明るくなるよ~♪]



『あ~、統一感なくしちゃってごめんね?』



[そんな事ないない!
それぞれに楽しめるって事だし、お得だよ♪]



『ンフフ♪うん、そう言ってくれてありがとぉ~♪
あ、8時になっちゃったね?
本当に今日はありがとぉ♪助かりました~
それで、これ……ガサッ…今日の依頼料です♪』



[っ!わざわざ現金で用意してくれたの!?]



『ランちゃんがその日に貰える現金がいいって言ってたから~。』



〘…言った。〙



[もう、藍ってばぁ……でも、助かるよ!
あ、今領収書書くから待っててね!]











と、ロクちゃんがパタパタしている間にもランちゃんは僕が作った花束を見てくれてて…












〘…智早、お前こんなの一瞬で作れるなんて凄いな。
ちょっと見直した。
ヒロも喜ぶと思う……うん、大事にするわ。〙










って、言ってくれた。


“見直した”っていう所に、ランちゃんにとって僕はどんな風に思われてるの?……って気になったけど、褒めてくれた事には間違いないからそっちだけを考えるようにした。






それに、“大事にする”って言ってくれたランちゃんの顔が優しく微笑んでくれてて、僕はとっても嬉しくなったから。



だって、この仕事をするようになって1番良かったと思える顔をしてくれていたんだから……













帰り際にちょっと慌ただしくさせちゃったけど、時間になったからロクちゃん達は“またよろしくね~”と言って帰って行った。






これからは光君達が出勤するまで僕1人の時間。


だからシキの歌をイヤホンで聴きながら水揚げ作業を再開して、注文のお花も作ったりしなきゃね♪



と、思っていたんだけど……














トントン
「智早さん?智早さん?」



『……へ?光君?』



「おはようございます。さっきから固まってますけど大丈夫ですか?」












……あれ~?



見れば水揚げ作業は終わってるけど、その水入りバケツの前に屈んでいた僕…

これ、もしかするともしかする…?









「…その様子だとまた歌に聞き入っちゃいましたか?」











……みたいだよ、光君……恐るべし、シキの歌……





じゃないっ!








バッ!
『じ、時間!?』



「はい…開店時間迫ってます…」










今日は忙しい1日で、ドキドキの予定まであるのにぼーとしすぎだよ、僕!












『が、頑張るね!』


「お願いします。」











絶対に遅刻なんてできないから急がないと!