※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























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可愛い花が描かれている封筒の中には、“おめでとうございます” と書かれた淡い黄色の紙以外にも、手続きの仕方が書いてある白い紙も入っていた。


URLを読み取ってサイトに繋がるみたいだけど……






……これ、本物…だよね…?









“おめでとうございます”と書かれていて、“シキのシークレットライブにご招待します” …って……










プルプル…


あ、手が…震えてきたんだけど……












スタスタ
《お、もう開けたのか?聴くのは後でと……どうした智早?》












どうしたって…だって……











『…当た…っちゃった……“シキ”のシークレットライブ…』



《……は?》



『だから“おめでとうございます” って……ほら!これ見てよ!』



カサッ
《……確かに、“ご招待”と書かれてるな。》



『でしょ!?』



《だが、ご招待って…シキは一切顔出ししないだろ?
それなのに人を呼んでライブをやるのか?》



『あ……そう…だった……』











シュン…


なんか急に高い所から落とされた気分になっちゃった……












《っ!わ、悪かった!
でもほら!これはあれだ!
あー、そう!配信とかに当たったって事じゃないか!?》



ピクッ
『……配信?』



《そう!
ここまで“おめでとうございます”なんて書いてあるんだから、シークレットライブの配信を見れる権利に当たったって事じゃないか!?》



『配信………』



《…あ、ああ………》











配信……

スマホ1つで見れちゃうし、TVに接続すれば大画面でも見れちゃうやつ……





顔出ししないシキだから、映像とか挟めばそれなら出来そう…



じゃあこれは、ファンクラブ限定のシークレットライブ…の…配信……










っ!!












『なにそれぇ!すっごく楽しみ~♪』



《っ!…ガッカリしたんじゃないのか?》



『え?なんで?
だって、ライブなんだよ?
CDやスマホでしか聞いた事がないシキの歌が聞けるんだよ!?
嬉しすぎるよぉ~♪』



《あ、ああ、そうだな…》



『先に撮ってあるやつの配信なのかなぁ~?
それともその日に歌うのかなぁ~?
あぁ、もぉ!どっちでも嬉しい~♪』












僕はその封筒と紙を抱きしめながらソファーの上でコロコロした。


シキのファンクラブ限定アルバムをゲットできただけじゃなくて、まさか、こんなおまけ付きだと思わなかったから嬉しすぎたんだもん!







あ~♪

なんか幸せすぎるよぉ~♪













コロン コロン
『ンフフ~♡』




《…流石、シキの大ファンといった所だな。》



『だってこれお知らせとかなかったんだよ?
まさにシークレット!
僕みたいに開けて喜んでる人沢山いるよ、絶対!』



《…かもな。》



『…ちょっとぉ~。櫻木 翔琉テンション低い~。』



《…いや、シキの歌は好きだぞ。
こうして毎日家でシキの歌が流れていても苦じゃないしな。
ただ…このシークレットライブの日にちがな……》



『クリスマスイブの夜だよね~♪』



《それだ。》



『あ、これってシキからのクリスマスプレゼントだったりしてぇ~?』



《あり得るな。だが…この日に計画していた予定が……智早、このシキのライブを見ないという選択は__ 》



『勿論ないよぉ~。』



《……そう、くるよな。ハァ……》



『え~?櫻木 翔琉もシキのライブ楽しみでしょう?』



《……まあな。》



『知らない内にファンクラブまで入ってるしね~。』



《入ったな。》



『そして、知らない内に限定のファーストアルバムも買ってたしね~。』



《買ったな。
これは保管用というやつでいいんだろ?》



『…え?』



《このファンクラブ限定の物は1人1つだから智早が喜ぶと思ってな。》



『っ!…僕の為に?』



《当然だろ?恋人が喜ぶ事なら何でもするさ。》



ギュッ!
『ありがとぉ櫻木 翔琉!僕、凄く嬉しい♪』



《…今までで1番のその喜びように、少し複雑ではあるが……まあ、智早が喜ぶなら良しとするか。》











え~?

1番かなぁ~?でも、本当に嬉しいのは間違いないよね♪



だって、保管用があるのならこっちに付いてきたDVDは躊躇いなく何回も見れるもんね~♪










はぁ~、本当にいい事ばっかり。



……あ!










『…ねぇ、櫻木 翔琉?
これって町田さんが言ってたアレ…かなぁ?』



《ん?ああ、帰り際に言われたアレか。
“ツチノコ的存在を見れたから幸運がありますよ” というやつな。》



『うん、それ~。』



《…確かに、智早がこれ程までに喜んでいるんだからそうかもしれないな。》



『ンフフ♪
うん、ツチノコのトモエちゃん様々だぁ~♪』



《…“トモエちゃん”…また、そうやって智早はお気に入りを増やして行くな。》



『またあの工房に行こうね~♪』



《…町田といい、また趣味のイケメンウォッチングか?》



『勿論、それもあるけどぉ~』



《…あるんだな。》



『お茶碗だけじゃなくて、2人で使うお皿とかも手作りでお揃いにできたらいいなぁ~って思ったんだよね~。』



《っ!お揃い……いいな、それ。よし行こう。》



『アハハ♪うん、またデートしようね♪』



《ああ。》



『あ!僕、ご飯の準備してくるね~。
早く食べて早く鑑賞会しよぉ~♪』



《フッ、ああ。》



『あ、櫻木 翔琉はその箱の中身出してテーブルに綺麗に並べてて~♪
あとで一緒に記念写真撮ろうねぇ~♪』



《フッ。本当に子供みたいで可愛いな。
分かった。こっちはしておく。》



『うん、よろしくねぇ~♪』













僕は料理の仕上げをして、ダイニングテーブルにお皿を並べていた。



今日は櫻木 翔琉の希望でシーフードグラタン。

櫻木 翔琉が貝好きだから、貝がたっぷり入ってるんだよね~♪







寒くなってきたから、そろそろお鍋もいいよね~





あ、土鍋。

2人用のはないから買わなきゃねぇ~。





なんて考えながら、熱々のグラタン皿をテーブルに運んでいると……









スッ
《智早。》



『ん~。あ、並べ終わったぁ?』



《終わったんだが……》



『どうしたのぉ?』



《取り敢えず、その熱い物は置いてくれ。危ない気がする。》



『…へ?あぁ、うん分かったぁ~。』













そう言われて、僕はコルク製の鍋敷きの上にグラタン皿を乗せた。


そして安心したような顔でそれを見ていた櫻木 翔琉がまた話しだした。











カサッ
《智早、これを見てくれ。》



『これ?』



《俺の方の箱にも入っていた花の絵の封筒の中身だ。》



『…あれ?黄色じゃなくて普通の白?』



《ああ。違いは他にもある。》



『違い?』











そう言われて書かれている事を呼んでみると……











『……え?これって…』



《そうだ…。
俺の方には “ファンクラブ限定シークレットライブの配信” と書かれてある。》



『…“おめでとうございます” が……ない……』



《…ああ。これはファンクラブに入っている者なら皆が見れるという事らしい。》



『っ!……じゃあ、僕に来たのって!』



《本当にライブ会場に招待されたって事だろうな…。》



『っ!!…じゃあ……まさかのシキの生歌が聞けちゃったり……』



《するだろうな。》












っ!!











プルプルプルプル…


《……》



ガバッ!
『キャア~!!』



《…おっと…やっぱり皿を置かせて正解だったな……》



『なにそれ、なにそれぇ~♡
本当に最高のクリスマスプレゼントなんだけどぉ~!』












僕はあまりにも嬉しくて櫻木 翔琉に抱きつきながらピョンピョンと跳び跳ねた。














《……俺と過ごす以上のこの喜び……かなり複雑だ。》














そう言った櫻木 翔琉の言葉は聞こえないくらいに、僕の頭の中はシキのシークレットライブの事でいっぱいだった。