※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























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“よろしく”って……

しかも、僕の名前も知ってるこの人は……誰?








あっ!

まさか、櫻木 翔琉が言っていた、僕の事を詳しく記事にしたとかいう記者の人っ!?






だとすると僕が働いている花屋がここで、僕の名前を知ってるのも頷ける!




なぜストレッチしていたのかは謎だけど……あ!もしかしてそれも怪しいと思った僕が逃げ出した時に追いかけて捕まえる為の準備運動とかっ!?



あり得る!







でも、どうしよう……


逃げ出そうにも、なんかこの人足速そうだし…というか身長差があるからリーチ長くて直ぐ捕まってしまいそう……







どこかのお店に匿ってもらう?

この時間帯は……あ、でも早いお店の人は市場かぁ……






どうしよう…


商店街の会長は起きてるかもしれないけど、ここからじゃお家は遠いし、驚かせちゃうかも…



じゃあ前の公園?


でも、そこまで行くにも追いつかれちゃったら……








うぅぅ…どうしよう……










グルグル
「今日って市場に仕入れに行くんですよね?」









っ!

それも知ってるの!?





や、やっぱりこの人……もぉ確定じゃない?




なんか腕グルグル回してるし、臨戦態勢…?









と、取り敢えずこの人からできるだけ距離を取って、えっとあとは……あ、そうだ電話!

ユキちゃんがこっちに向かってるはずだから、運が良ければユキちゃんの車に一時避難できるはず!












ジリ……




「あれ?違いました?月、金は仕入れだと……あ、最近は賞をとられたから更にお客さんも増えて水曜日にも行く事が多くなったんでしたね。
凄いですね!受賞おめでとうございます♪」



『あ、ありがとうございます。』











……って、違うぅ!


イケメンの笑顔についつい普通にお礼言っちゃったけど、こんな会話している場合じゃないんだって!












「俺にもそんな才能あったらなぁ……
あ!すみません!俺の周りって結構いい意味でも悪い意味でも才能を持った人ばっかりで……つい、自分には何もないって思っちゃって言っちゃってました!
何言ってんだろ、俺。…ハハハ、おかしいですよね。」











なんか……










『……無理に笑わなくてもいいですよ?』



「……え?」



『僕はおかしいとも思いません。
僕も人に対して羨ましいと思った事はありますから。
それに貴方も才能あると思います。
こんな朝早くなのに、その笑顔出せるのって凄くないですか?
だって僕、貴方の爽やかな笑顔を見て今日はいい日になりそぉ~って思いましたもん。』



「俺の…笑った顔が才能ですか?」



パンパンッ!
『はい。朝からいい笑顔をありがとうございます。』



「……拝まれてます…?」



『はい、元気をもらった感謝を込めて。』



「…ぶっ!アヒャヒャヒャ♪
俺、仏様でもお地蔵様でもないですからぁ~ハハハ♪」











……はぁ、イケメンって罪だなぁ~。


どんなにクシャクシャの顔して笑ってても、ずっと見てられる……素敵だなぁ……











……ハッ!



って!

和んでる場合じゃないし、拝んでる場合でもなかった!!










イケメン……恐るべし。










ジリ  ジリ……


早くここから離れ__










「あれ?なんか後ろに下がってません?」



『ギクッ!』



「あ、もしかしてそちらに用事が?
では俺も一緒に。」



『え、遠慮したいです!』



「……え?」



『来ないで下さい!…というか僕に近づかないで下さい!』



「……急に…どうしたんですか?
俺、何か不快にさせる事…言いましたか?」










う……

イケメンがしょんぼり顔……



やめてぇ…そういう怒られた子犬みたいな顔に弱いんだよぉ、僕…










でもでも、この人に関わっちゃいけないんだよぉ…

嘘だらけの記事を書く酷い人なんだから、関わったら絶対に僕が怒られちゃうんだよぉ。


しかも、確実に2人には大目玉だよぉ…。










だから、ゴメンだけど僕ここから逃げ__












「すみません…
俺、気づかない内に大羽さんを不快にさせるなにかを言っちゃったんですね……」



『ぅ……』












だ、騙されないもん!


きっとこれも僕に近づく作戦?かなんかなんでしょう!?




だからそんな顔されると心苦しいけど、僕は心を鬼にして__











「大羽さんと仲良くなれたら…なんて思ったんですけど、迷惑でしかないですよね。
すみません。」










心を鬼に……











「でも、お願いします!
俺も仕事で…もう今更引き返す事はできないんです。
だから、大羽さんと一緒にいる事を許して下さい!」











鬼に…………







なんて、なれないよぉ!












「必要以上に話しかけたりしませんから、どうか__ 」



『一緒にいるからっ!
だからそんな悲しそうな顔しないでぇ~!』



「パァ!いいんですかっ!?
ありがとうございます!ここで大羽さんに拒否されたら、死活問題になる所でした!
依頼料が高かったので本当にありがたいです!」



『うんうん、そうなんだぁ~。
それは良かったよぉ~。
生活は大事だもんねぇ~。』



「はい。
俺、これでも事務所の所長してまして…ハハ。
それで、うちはあと2人雇っているので、これで彼等の生活も潤います!
豆腐生活とはさよならです♪」



『豆腐生活…?』



「はい、うちの事務所の1人が豆腐造りにハマってまして…
あ!凄く美味しいんですよ?それに食費を浮かせるのにも大いに助かってます!」



『そぉなんだぁ~。
僕、薬味いっぱい乗せて食べる豆腐好きぃ~♪』



「あ、じゃあ今度持ってきますよ♪」



『本当にぃ~?わぁ、嬉しい♪』



「クフフ♪喜んでもらえて何よりです!
それにこうして普通に話して下さる事にも♪」












だって本当にいい人にしか感じないイケメンなんだもん。


笑った顔は本当に素敵だしぃ~?








まぁ、記者の人と話したなんて事がバレたら凄く怒られるんだろうけど……あ、そうだ!

僕から嘘の記事書かないでって言ったらどうにかならないかな?



本当の事を書かれるなら仕方ないけど、せめて家族やこの商店街の人に迷惑がかからないようにして…って。





うん、言ってみよう!











『えっとあの……お名前、相葉さんだよねぇ?』



「はい♪
相葉ちゃんでも、相葉君でも…あ、緑太君でも好きなように呼んで下さい♪」











……“ロクちゃん” ま、僕ならそう呼ぶなぁ~


でも、記者さんにそんな馴れ馴れしくはちょっと…ダメだよね。











『あの、相葉さんが書く記事なんだけどぉ…』



「…記事?」



『うん。あれ、どうにかならない?
僕の事はいいけどぉ、周りに迷惑がかかるのは嫌なんだよねぇ。』



「…俺、記事なんて書いてませんよ?」



『え?…他の人が書いてるの?相葉さんは取材だけ?』



「…取材?
あ、仕事柄調査とかは多いですよ?
結構そういう男女の事での依頼が多くて…。
あ!そういう調査結果とかの書類は書いたりもしますけど、他の書類関係は確かに所員の1人に任せてますね。
その事ですか?」











…ん?

調査?





あ、でもこういう突撃取材みたいな事も調査って言うのかも。



僕、そういう業界用語?みたいなの全然知らないしねぇ~。











『えっとぉ~出版社で使われている言葉とか僕はよく分からないんだけどぉ~』



「あ、俺も分かりません。そんなのあるんですか?」










…ん?

出版社の人なのに、分からないの?



でも……











『え?今、相葉さんが“調査”とか言ったよねぇ?』



「あ、はい。うちはそういう“依頼”を受けますので。」



『…依頼……』












それ、さっきも言ってた……












「あ、それだけじゃないですよ?
うちの事務所の名前が“なんでも屋”なので、本当に色んな仕事が入ってきますからね。
逃げ出したペット探しなんて依頼数断トツです。
あ、最近のオススメは失せ物探しなんですよ~。
失せ物がまだ実在してこの世にあるなら百発百中!
大羽さんも、もし何かありました是非お試し下さい♪」












……ん?


…あれ?なんかちょっとおかしくない?






出版社なのに、ペット探し?

それに事務所の名前が“なんでも屋”って……








……あれ?












『…あのぉ?相葉さんって記者さんじゃないの?』



「え?俺が記者?
俺、そんな格好いい感じに見えますか?眼鏡もかけてないですよ?」










…記者の人は眼鏡をかけてるって決まってるの?


って、いやいやそこじゃない。











『記者じゃない…?
じゃあ……えっと、どちら様ですか?』



「え?俺、相葉ちゃんですよ?嫌だなぁ~もう忘れちゃいましたか?」











あ、本人的には“相葉ちゃん”呼びがいいの?



…って、だからそこじゃないんだって。













『名前は分かるよ?うん。…けど、相葉さんは何をしている人?
僕に何か用があるからここにいるんだよね…?』



「それは勿論って……え?もしかして俺の事何も聞いてませんでしたか?」











…あ、なんかこの感じって、もしかして……












「じゃあちゃんと自己紹介が必要でしたね!
あ、そうだ名刺!」













そう言って、相葉さんはポケットから出した財布の中から1枚抜いた物を僕の前に…










スッ
「“なんでも屋”のこれでも所長をしてます、相葉 緑太です。
この度、櫻木様から依頼を頂きまして、大羽さんの身辺警護をする事になりました!
どうぞよろしくお願いします!」












……でたよ。


その名前、でたよ。














僕は相葉さんから“なんでも屋”と入った名刺を受け取ってから、相葉さんに“ちょっとごめんね”と言って、バッグの中からスマホを取り出した。








タンタン タンッ!






「あ、電話ですか?じゃあ俺、少しだけ離れてますね。」












気が利くイケメンの相葉さん……



呼び名は“ロクちゃん” だね。うん決まり。









ロクちゃんには後で誤解してた事をちゃんと話して、あんな態度をとってしまった事を謝るから待っててね?



まずは、僕に何も教えなかったこっちに文句言ってからじゃないとね。









purururu-pururu……

《……チッ……おい、誰だ…よ…》












……ほほぉ?



まぁ、朝早いしねぇ?

そりゃ眠いよねぇ?


寝惚けてても仕方ないよねぇ?






だけど、僕、君のお陰でプンプンしてるから目を覚ませてあげるねぇ~?










『やぁ、おはよう櫻木 翔琉。
君が選んだ彼、とってもイケメンだね?
僕、嬉しい。
じゃあ、そのイケメンの彼とこれからもっと仲良くなりたいから電話切るね。バイバ~イ。』



《っ!は!?なっ!!待っ__ 》











タンッ!!





フンッだ!


櫻木 翔琉のおバカ!2度寝なんてできなくなっちゃえ!!