※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























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僕がノーマルの男の人がダメになった原因…


そして凄く傷ついたあの時の出来事…










今度はあれが記事になるの…?







どうして?

そんなに僕の事を書いて何が楽しいの…?














《智早、何か異変はないのか?》



『…え……あ、えっと……何も…?』



《本当か?》











本当かって急に聞かれても…



商店街でならちょっとした変化はあったけど、あれには僕は関係ないと思うし……










『…ぅぅ、急に言われても…そんなの分からないょ……』



《ハッ!すまない!》



グイッ! ギュ…
『っ…』



《そうだよな!悪かった智早っ!》













…櫻木 翔琉に強く抱きしめられた。





でも今日は落ちつかない…

いつもは苦しいよぉとかふざけて言えるのに、なんか言えない…











確かにあの事は実際に起きた事だし、ユキちゃんをはじめ、知ってる人はいる…。






だけどあんな事を僕から誰かに言いふらしたりしないから、詳しい事を知ってるのは家族とそれから弁護士さんをつけるように言ってくれたユキちゃん…



あと、僕にあの人が“慰謝料払って!”と言ってきた時に一緒にいた元ホスト仲間の亀ちゃん…



亀ちゃんの場合、完全に巻き込んでしまった形だったけど……







でも詳しくというか、僕が自ら全てを話した人は皆、僕が信用している人達。

だから、今回記事になったみたいに誰かに言ったりするような人達じゃない。



そこは信じてるし、疑ったりなんかしない。










だから残る可能性としては……あの人達。










スリッ…
《智早、心配するな。
俺は“書かれている”とは言ったが、世に出るとは言ってないからな。》



『…え?…その記事、出たんじゃないの?』



《出ていない。
もし出たとしても当分先か…或いは、一生出ないだろう。》



『…どうして…そう言いきれるの?』



《昨日一応ニュースにもなったんだが、その小さな出版社が入るビルにサイバー攻撃があったそうだ。
まあ、簡単に言えばPCにウイルスが入って使い物にならなくなり、業務を停止している状況だという事だ。》



『ウイルス…?』



《だから記事は出ていない。
復旧がいつになるかも分からないんだから当然だな。》



『…でも、そういうのってバックアップとか取ってる物でしょ?出ないとは言いきれないよね?』



《凄腕の……いや、ウイルスのたちが悪かったんだろう。
そのPCに接続した機器、バックアップを取っている物にも感染したらしいからな。》



『…そんな事になっちゃうんだ……怖いね…』



《そうだな。》



『…でも、どうしてそこまで知ってるの?
それもニュースでやってた?』



《いや、ニュースではそこまでは取り上げられなかったな。》



『…じゃあどうやって__ 』



《情報は買うんだよ、智早。》



『あ、そっかぁ…例の“5人組さん”達が教えてくれたんだね?』



《ああ。》













…本当にその5人組さん達は知らない事なんてないね。




僕、あんまりTVとか見ないけど、スマホでニュースはよく見てるから一応世間が注目している事とかに置いていかれたりしてないつもりだったんだけど…

そんなニュースには気づかなかったのになぁ~。









でも情報を売る人達だから、そういう事は沢山知ってなきゃいけないとかなのかもね?






…あれ?


でも__








『櫻木 翔琉…?』



《ん?》



『どうして櫻木 翔琉はそんな記事が書かれているという事を知れたの?』



《“5人組”から聞いたんだが?》



『え…?』



《…ん?ああ、なるほど。そういう事か。》



『?』



《俺がそんな嘘だらけの記事がまた書かれていると知ったのは、“5人組”が俺に教えてきたからだ。
そして嘘だらけの記事の中身も送ってもらって読む事ができた。
なぜそんな事を知れたのかというと、この前の事もあるから俺と智早の事には現在進行形で常に目を光らせてもらってるからだ。
因みに、5人組とは前金を払って1年契約をしてるぞ。》



『!』



《冬は暇だから“仕事をどうも”とも言われたな。》



『それって…僕を守る為にって事…?』



《当然だ。》



『っ!でも彼らはお金が高いって言ってたよね?
……ねぇ、僕はどんな記事を書かれても気にしないから、僕の為にお金を使わないで?』



《無理だ。》



『どうして…?
あ、櫻木 翔琉のお家の評判を落としちゃうから?
そういう事なら分かる……それなら納得もできちゃうけど……』











納得もできちゃうけど、同じくらい僕が櫻木 翔琉の側にいる事に引け目を感じちゃう…


この前の記事だって、櫻木 翔琉は何も言わなかったけど、僕がその記事の事を検索した時に大分櫻木家を酷く言われてるSNSを目にしたから……





でも最近は、もう忘れてしまったかのようにその記事の事は上がってなくて…




だから、このまま櫻木 翔琉と付き合っててもいいんだって…僕の中では勝手に思ってたんだけど……












キュ……










次、記事が出たら…



それが、僕のせいで櫻木家に迷惑をかける内容だったりしたら…





僕、変わらずに櫻木 翔琉の側にいれるのかな……?













《智早、そういう事じゃない。》



『…え?』



《俺はこの前の時も、今回も一切家の心配などしていない。》



『!』



《智早は家が潰れたりしないかを心配しているんだろうが、なんの問題もない。
そんな柔な家でもなければ柔な人間もあの家にはいないからな。》



『っ…』



《俺が“無理だ”と言ったのは、嘘で俺の恋人を傷つける者を見過ごす事なんかできないという事だ。
だから使える物は何でも使う。
あの5人組を俺は信用しているしな。》



『……』



《それに…5人組を使うのは俺の為でもある。》



『……え?』



《“気にしない”と強がりを言う恋人の前で、冷静でいられる為の情報が手に入るんだからな。
じゃなきゃ、俺はあの出版社に殴り込みにでも行っているかもな。》



『っ!そ、そんな事…しないよね?』



《…フッ。例えばの話だ。》












ホッ…びっくりしたぁ…












『良かったぁ…櫻木 翔琉の手がお花を持てなくなるなんて嫌だから、絶対にしないでね?』



《じゃあ俺にこのまま智早を守らせてくれるか?》



『え…?』



《同じ事だ。
智早が俺の手や俺の家、俺の家族を心配してくれるように、俺は智早を心配していたい。
俺は、あの商店街の店で働く智早が好きだ。
そして商店街を大事に思う智早も、花を愛しそうに見つめる智早も…俺は好きなんだ。
だから、守らせてくれ。》












あ、そうか…



今回はたまたま記事が出ていなかったから良かったけど、その消えた記事に詳しく書かれていたという事は、今回はお店やお店のある商店街の事も書かれていたのかもしれない…




ううん…

お店だけじゃなくて、ホストクラブの方のお店だったり、家族や大事な人達の事も……










櫻木 翔琉はその全てを含めて“守らせて”と言ってくれているんだ…


僕が悲しくならないようにって…








そっかぁ…



僕の彼氏は……格好いいな……












『…ごめんね、櫻木 翔琉。
もぉ、5人組さん達の事は何も言わない。
櫻木 翔琉にお任せします。』



《智早…》



『ありがとぉ…。これからもよろしくね?』



ギュ!
《勿論だ。》














サワサワ サワサワ






紅葉は綺麗で、山は静か…

それに誰もいないから気にする事なく櫻木 翔琉の腕の中にいれる……








……うん、落ち着いてきた。












《少し落ちついたか?》



『…んふふ。それもお見通しだったぁ?』



《ああ、分かるさ。
いつもより智早の身体が強張っていたからな。》



『…僕の筋肉まで把握済みなの?』



《当然だ。智早のは固すぎず柔らかすぎないから物凄く齧りつきたくなる筋肉だよな。》



『…食べる気?』



《いや、綺麗な身体に歯形はなるべくつけたくないから、今度セックスの許しが貰えたその時は全身を舐めまわしてもいいか?》













…僕の彼氏は格好いいって思ってた所なのに……


どうしてそう、変態さんになって残念な事を言うのかなぁ…?












《まあ、許可がなくてもするけどな。》












するんかいっ!








…はぁ。

ほんの数分前に戻り……いや、もぉこれが本来に戻ったって感じするかもね。



調子も出てきたし。











「兄貴ー?大羽さーん?」










あ、たっちゃんが呼んでる!









『時間になったのかも!
たっちゃんが呼んでるから戻ろぉ?』



《……》



『ほら?行く__ 』



グッ!
『…櫻木 翔琉?』



《もう1つだけ…いいか?》











え?

キスしたいとか?





まぁ、ここは誰もいないし全然いいけどぉ~?













《…智早。最近身の回りで……いや、誰かに会ったか?》











あれ?キスじゃないの…?


しかもなんか真面目なというか、どこか怒っているような顔…?





それに質問の意味がちょっと…











『誰かって……どの人の事を言ってるの?』



《…これはまだ証拠がないから今は俺の憶測の話しになるんだが……》











…櫻木 翔琉が言いづらそう。


いや、言いたくないって感じ…?










《…俺は、あの世に出そうになった記事の出所は、智早の…昔の男か、その関係者だと思っている。》











…あぁ、そういう事か。

だから名前も出したくなかった…って事かぁ。





僕が嘘をつかれていた事を知って、櫻木 翔琉が怒ってくれた事があったもんね。
















《…すまない。
智早が思い出したくないであろう事を__》



『いいよ。僕もそう思ってるから。』



《!?》



『だって、当事者なら詳しいよね?
それに僕、付き合っていた人には隠し事なんてしないから、聞かれたら何でも答えていたし…
って、“付き合う”という表現もおかしいよね。
あっちは結婚してたんだから…』



《智早は何一つ悪くないだろ!》



『…ん。ありがと…櫻木 翔琉。』



《智早…》



『えっとさっきの質問の答えだけど…
僕は“栄田 裕基 ”には会っていないし、その奥さんとも会ってない。
そういう決まり事だし、請求された慰謝料というお金もちゃんと渡して終わったんだから。
それに……僕を騙した奴に会いたいと…僕が本気で思うとでも?』



《っ!すまない智早!やはり嫌な事を思い出させてしまった!》












…うん、思い出した。

このチクチクする胸の痛みと一緒に…





でも、櫻木 翔琉が悪い訳じゃない。

櫻木 翔琉はただ、“気をつけろ”と言いたいだけだよね?




またどんな嘘で傷つけられるか分からないから、出会さないように気をつけろって。






…分かってるよ、櫻木 翔琉。


それに今は僕の側に君がいてくれるから大丈夫。














『…櫻木 翔琉おんぶして?そして下まで猛ダッシュして?
そしたら僕の気分も良くなるからぁ~♪』



「っ!分かった。恋人の可愛い頼みなら幾らでも!」













こんな風に、君が僕を好きでいてくれると分かっていれば何が起こっても僕は強くいれるから……