※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























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走行中の車の中でとんでも発言をする櫻木 翔琉を静かにさせようと口を手で塞いでいたんだけど、“ずっと”なんて無理だった…。







だって…

櫻木 翔琉が逆に僕の手を掴んで、エッチぃ顔で僕の指を舐めようとしてくるんだもん……








…ほんとやめてよねぇ……と、思ったよね。






だって、たっちゃんが運転してるんだよ?






ミラーを見た時に、僕達がそんな事してたらギョッとしちゃうじゃん?


…しないかもしれないけど。







それにさぁ~?

そういうのはちゃんとベッドがある場所でしてくれないとさぁ、その気になっちゃうのを耐える僕の身にもなってよねぇ~って……








だから、僕からパッと手を引き抜いたよね。







僕が手を引き抜いた事で櫻木 翔琉は不服そうな顔をしたけど、こうするしかないんだって……僕が大変になるから。







でも、今はデート中なんだから……




そう思って、皮張りの椅子の上に置かれた櫻木 翔琉の手をギュッと握ったよね。







その時の櫻木 翔琉の顔といったら…。



まぁ、なんか可愛いく見えたからいいけどさぁ~♪









そして、車に乗って1時間以上、窓から見える周りの景色が明らかに変わってきた頃、さっきの工事しているという道よりガタガタ道に車が入った。


そして舗装されていない山道を上って行った先の、古民家らしい家の前で車は停まった。







どうやらここが今日のデートの目的地らしい…けど……






ここは何?


…え?まさか、櫻木 翔琉の別荘の1つとか言わないよね?










ガチャ
「どうぞ、兄貴。」



《ああ。》



『……』



グッ…
《ん?智早、ほら降りるぞ?》



『…櫻木 翔琉…?』



《どうした?》



『…ここって、櫻木 翔琉の別荘?』



《は?》



『あ、隠れ家的なやつぅ?』



《…いや、こんな山奥を好んで選ばないだろ。俺は都心派だぞ?》











あ~、うん……確かにそう言われればそうだね。


君、すんごいお洒落だし、君の部屋なんてなんか“最新”ってつきそうな、僕には使い道が分からない物とかあったしねぇ~。






でも、僕的にはこういう落ち着く場所が___









《智早はこういう所が好きだろ?
海…とも思ったが、どうやら天気予報では風が強いらしいからな。
だから今日はここにしたんだ。》



『…え?僕に合わせてくれたの?』



《当然だ。智早を喜ばせるのは俺の役目だ。》



『…キュン♡』









あ、今すっごくキュン♡ときた……













《ん?どうした?》



『…へ?あ、ううん///なんでもないよぉ~』










もぉ、急に格好いい事言うからドキドキしちゃったじゃんかぁ…/////




でも……

格好いい言葉とイケメてる顔……ぁ~、たまらんっ♡



エッチぃ事想像しているあのニヤニヤ顔より10倍いい♡








ずっとイケメてるこの顔しててくれないかなぁ~?








スッ…
《そうか?じゃあほら行くぞ。》



『あ、うん♪……ギュ!』



《っ!……ニヤニヤ》



『ん?……えっ!?』











な、なんで一瞬でニヤニヤ顔になったのぉ…?



あのイケメてる顔は!?もぉ終わり!?











《…智早から抱きつくような腕組み……いいな、これ。》



『!』









…あぁ…僕のせいだったかぁ……









スルッ…
『……』



《…なぜ辞めるんだ?》



『…イケメてる顔…かむばぁ~っく。』



《智早、俺の腕が急に寒くなったぞ?
だから智早こそ“come back here”なんだが?》









…おぉ……発音いい…




でも、大丈夫、大丈夫。

今日は風も少しあるけどポカポカ日和だから、僕がそこに戻らなくてもその内あったまるよぉ~。










《…智早、聞いて__ 》



パタパタ
「兄貴、お待たせしました。
受付を済ませてきましたので、工房の方にご案内します。」



『……工房?』



「はい、そうです。ここは……って、兄貴どうしましょうか?
まだ黙っていた方がいいですか?」










いや、たっちゃん…

ここまで来たのにまださっきの櫻木 翔琉が言った事守るの?











《…はぁ。》



「っ!兄貴すみません!俺なにかまずい事を言いましたか!?」










…いや、たっちゃん。

櫻木 翔琉のこのため息はきっと……











《…腕が寒いんだよ。》










ほらね。









「それは大変です!兄貴の替えの服がありますので着込みますか?
それとも車にブランケットが…あ、ホッカイロも用意していますがどれにしますか!?」









…わぉ。

たっちゃん用意いいねぇ…




というか用意よすぎない?










って、違う違う。


まずたっちゃんは落ち着いて?






櫻木 翔琉のこれは……









キュッ…
《!》



『…手繋いでた方が歩きやすいよね?』



《フッ、そうだな智早。》



『あ、たっちゃん。何もいらないからね?』



「…え?必要ないですか?でも寒いと__ 」



《もう必要ない。ベストな体温だ。》










ほらね~。


ただ拗ねてただけだからねぇ~。











「そ、そうですか…良かったです。
ではこちらへどうぞ。」










僕達は手を繋ぎたっちゃんのあとに続きその工房という所へ…








スタスタ
『…で?ここはなに工房なの?』



《ん?ああ、ここは陶芸だ。その体験ができるらしい。》



『陶芸?』



《そうだ。智早はやった事があるか?》



『ないよぉ~?へぇ~陶芸かぁ~』



《智早は好きそうだと思ったが?》



『うん。楽しみぃ~♪』



《そうだと思った。
ここはな?あの芸能人の“櫻田 朱鷺弥”がお忍びで来ても情報が一切外に漏れなかったという、信頼できる場所なんだ。》










へぇ~!

それは凄いねぇ~。




あんな有名人が来たら自慢しちゃいそうなものなのにぃ……って、あれ?





今、普通に櫻木 翔琉は言ったよね?


情報が漏れてないのにどうして櫻木 翔琉は知ってるの?











『…君、どうして皆は知らない事知ってるの?』



《デートするのに最高の場所を探すなら、調べさせるものだろ?》










…いや、それが普通だろ?みたいなノリで言ってるけどさぁ………




うん、もぉいいや。


どうせきっと今回も僕や僕の周りの事を調べた人達に頼んだんだろうから、“有名人がお忍びで”っていう情報を知ってて当然だな~とも、思えるし、ちょっと怖いからあんまり僕は関わりあいたくないしねぇ…。










“あ、そう…” と、適当な返事を返していざ工房の中へ。



中にはたっちゃんと濃紺の作務衣を来た若い男性が立っていた。










「ようこそいらっしゃいました。
今日皆様の担当をさせていただきます、“蒼蓮工房”の町田と申します。よろしくお願いします。」










わぉ♪

これまた美人系のイケメンさんきたぁ~♪




いいねぇ~♪

陶芸に、目の保養…更に楽しみが増え__









パシッ!
『ふぎゃ!』



《……どうも。
今日は“恋人”といい思い出を作りに来たのでどうぞ宜しく。》



「あ、はい…こちらこそ……あの?いい音がしましたがお連れ方は大丈夫で__ 」



《問題ない。お気づかいどうも。》



「そ、そうですか…では早速、説明させて頂きます。
ですがまず、服が汚れないようにこのエプロンをどうぞ。
着け終わりましたらそこのお席にお座り下さい。」



《分かった。》











いやいや、“分かった”じゃないから!

僕はどんなエプロンかも、席がどこかも分からないからね!





だからまずこの僕の目を隠してる手をどけてよ!!

















櫻木 翔琉の口を塞いだ事へこ仕返しか、ただのイケメンウォッチングの妨害か……

どっちにしろ、いい気分じゃなかった彼氏のご機嫌を損なわないように大人しく席に座り説明を聞いた僕。




またペシッてされたら嫌だったからね。







でも、いざ創作が始まると楽しくて、ガッツリ1人の世界に入っていた。


だから大人しかったはずなのに、隣に座る櫻木 翔琉は不満顔…。








たっちゃんが教えてくれたんだけど、話しかけられても僕が全部無視しちゃってたらしい。



でも仕方ないよね?

こんな集中しちゃう事をデートに選んだのは櫻木 翔琉なんだから~。









1番先に出来上がったのは僕。

そして次がたっちゃん。




それで櫻木 翔琉が最後だったんだけど……






君、お花以外は不器用だったんだねぇ……









それにさぁ?

もぉ、それマンツーマンじゃん?




近いじゃん?

手なんて重なってるじゃん?






…ま、そうしないといけない作業ではあったんだけどね。






でも、僕、大人しく2人を見てたよ。

偉いよね。



櫻木 翔琉にも僕を見習って欲しいよねぇ~うんうん。











「あ、あの大羽さん…」



ベシッ  ベシッ
『なに~?たっちゃん。』



「土が……」



ベシッ!
『ん~?』



「いえ、何でもないです……これ、俺のもどうぞ。」



ベチッ!
『うん、ありがとぉ~』













土の空気抜きは大事だって説明受けたしぃ~、目の前に土があるならするしかないよねぇ~?


叩いたあとに土を練っていても櫻木 翔琉の作品が出来上がりそうもなかったので、僕はもう1個作る事にした。






2人を見ているよりもこっちに集中してた方が僕的にも、たっちゃん的にも良さそうだったしねぇ~。




そして、僕が2個目も仕上がる頃に櫻木 翔琉のも出来上がって、2人にはちょっと驚かれちゃった。




そして、先生…でいいのかな?

教えてくれてる町田先生には……




「大羽さん凄いです!才能ありますよ!」




なんて、綺麗な笑顔付きで言われちゃったから……んふふ♪気分よくなっちゃったぁ~♪


誉められると誰でも嬉しいよねぇ~。










そして半乾燥が必要らしくて、その間は休憩という事になりお茶を頂いた後に僕と櫻木 翔琉は外にお散歩に出た。





“裏手の山の紅葉が綺麗だからお2人でどうですか?”と町田先生が勧めてくれたからねぇ~。




だから、手を繋いで誰もいない2人だけの木の葉の擦れる音だけがする静かな山道をお散歩。





静か…

僕達だけ…







…これって、やっぱりさぁ?

そういう事だよね?






僕は櫻木 翔琉に聞いてみたかった事を聞いてみた。













『ねぇ、櫻木 翔琉?』



《どうした?》



『今日、こんな芸能人がお忍びで来てもバレなかった場所を選んだのってどうして?』



《……》



『…陶芸、楽しかったよ。僕、ハマりそうだし文句があるとかじゃないんだよ?
だけど……』


《……》



『…やっぱりまだあの記事が原因で、僕達、大っぴらには出歩けないって事なの?』












僕の周りで、あれが僕だと気づいた人は2人…


それに、あの記事以降新しいのは出てないからもぉ大丈夫かと思ったんだけど…










《…智早。最近周りで変な事は起きてないか?
何かいつもと違うとか、誰かに見られていたとかどんな些細な事でもいい。》



『……なに、それ…』



《…実はあの5人組に情報を探らせていた時に、前の記事を出した出版社で新しい記事が書かれている事が分かった。
…しかもそれがほぼ智早の情報だった。》



『…え?…僕の?』



《ああ…。俺の相手を詳しく探ったというような見出しで、本名は無かったが年齢や住んでいる区名、家族構成や学歴に職歴…
そして、過去に揉めたという出来事が詳しく書かれてあった…。》



『過去……それって、まさか僕が慰謝料を支払った…あの件?』



《ああ…その件の事だ。》











っ!!