※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























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…これは、櫻木 翔琉の家の人に受け入れてもらえたって事なのかな?




櫻木 翔琉のお母さんは僕の言葉に物凄く笑ってくれて、笑いがおさまると櫻木 翔琉を手で追い払うと僕の隣に座った。


そして僕を…












ギュゥ!
「ちぃチャン貴方最高よ~♡」











抱きしめてくれた。


僕、母ちゃん以外で初めて女の人に抱きしめられたかも…





それに“ちぃチャン”って…そっちも初めてかも。








そして僕をちぃチャンと呼ぶ櫻木 翔琉のお母さんは、沢山の質問をしてくれた。



たぶん、おじいちゃんが聞きたい事を代わりに聞いてくれているのかも。

僕が答える度に“そうですってお父さん!” とおじいちゃんに向かって言っていたから。











「じゃあ今まで女の人とは付き合った事がないのね?」



『うん、1度もないよぉ~。』



「なによ!やっぱりあの記事は出鱈目ばかりじゃない!」



『あ、でも~僕も読んだけど元ホストとか合ってたし、今お花屋をしているのも合ってたから1割は正しいよぉ?』



「たった1割じゃないの!お父様!やっぱり訴訟よ!」



『…え?』



「うむ。磯貝、直ぐに弁護士に連絡をせぇ。」



「はい、かしこまりました旦那様。」



『わ、わ、わぁ!
ちょ、ちょっと待って!』











なんか話が大事になっていってしまって、慌てている僕に助け船を出してくれたのが、櫻木 翔琉のお父さんだった。










「待って下さい。
実名も、花屋の店名も載っていませんし、写真にぼかしまで入っているのですから、あちら側は幾らでも言い逃れできると思います。
それに、この場合訴えるのは大羽君になりますが、とうの本人の意見を蔑ろにするのはどうかと思います。」











お父さん!

僕の言いたい事言ってくれてありがとぉ!




お母さんが話す隣で静かに正座して僕に質問とかもしてこなかったから、お父さんには嫌われてるのかと思ってたよぉ~。













「お主は黙っておれ!」



「そうよ!あなたは黙ってお茶を飲んでて頂戴!」



「は、はい。すみません…。」












お、お父さん…






そういえば櫻木 翔琉に渡されたあのブラックBOOKにも書いてたっけ…

婿養子のお父さんは肩身が狭く家では立場が弱い…って。









もしかしてさっき話さなかったのも、ただ話しに割り込めなかっただけなんじゃ…


あり得るよねぇ……









でも、お父さんがきっかけを作ってくれたから僕の意見もちゃんと言えた。






僕の名前が出てる訳でもないし、お店の名前も出てない。

それに、別に隠していないから知られて困る事もないしね。




だからあの記事で、櫻木 翔琉や櫻木家の名誉がどうとかじゃなかったら、僕の事では何もしないで欲しいってね。









だけどお母さんは“え~!?”と叫び、おじいちゃんは腕を組んで険しい顔……





だからお母さんはお父さんに任せて、僕はおじいちゃんと一緒にお庭に。



櫻木 翔琉のお父さんがそうしてって僕にお願いしてきたからね~。











お庭に出るとおじいちゃんの顔もさっきよりは険しさが取れて、僕がノースポールを見たいと言うと優しく笑ってくれた。


それからは、おじいちゃんと並んでお庭の散策。







おばあちゃんが植えたお花達は、大事に大事に育てられ今も季節毎に沢山の花が開くらしい。


また見にきてもいい?と訪ねると、“毎日でもいいぞ”と最後には凄くいい笑顔になってくれた。












これで櫻木 翔琉のお父さんも安心してくれるかなぁ~なんて思って、おじいちゃんと腕を組んでお家の中のさっきの部屋に戻ると……









「大羽君、よかった!」



『え?どうしたのお父さん?』



「お義父さんの事はありがとう。機嫌が良くなっているようだ。
それで早速、次をお願いできるかい?
ちょっと撫子と言い合って不機嫌になってしまってね…」



『え?お母さんとって……あ。』










…櫻木 翔琉の事を忘れてた。





そこには黙々と花をいける櫻木 翔琉の姿があった。

しかも物凄く不機嫌顔で…








ヂョキ スッ!


ヂョキ… 








…僕、おじいちゃんみたいに花を見て人の本質とかは分からないけど、今の櫻木 翔琉がどんな気持ちで花をいけてるかは分かるかなぁ~。




…ま、終わるまでは待ってみよぉかなぁ~。


お花も中途半端にされちゃ可哀想だしね?

















スッ   …カタン

《……》



『終わった?』



《……ああ、終わった。》



『…なんか、ごめんね?』



《…俺を完全に忘れていたな。》



『うん。』



《即答か…》



『あ、ごめん。』



《智早だしな…》



『ぅ…。怒ってる?』



《…機嫌は良くない。》



『あ~、うん。お母さんと揉めたって聞いたよ?』



《…ああ。》



『理由は?』



《…俺の智早を“ちぃチャン”と呼ぶなと言ったら、小さい男だと言われた。
“そんな小さな男はちぃチャンに嫌われちゃうわよ~?”ともな。
だから言い争った。》











…子供か。











『…もぉ~。』



《仕方ないだろ。
母だとしても、嫌なものは嫌だったんだ。
俺の智早にベタベタと触り、馴れ馴れしく呼ぶしいつまでも話しているし、しまいには智早を“気に入った”とまで言ってるんだからな。》



『…おじいちゃんはいいの?』



《お祖父様が声をあげて笑うのを久しぶりに聞いたからな。
だが、母は駄目だ。
俺の知らない所で智早と何をするか分からない。》



『…それも、おじいちゃんはいいの?』



《お祖父様は必ず俺に断りを入れるはずだし、智早に何かするとも考えづらい。》











…それ、お母さんは僕に何かするつもりだって事?










《いいか智早。
母に何を言われても付いて行くなよ?
美味い物や甘い物で釣られるだろうが、絶対守るんだぞ。》












…わぁ、釣られる前提があるのね。












『…僕、約束はできなよ?だって行っちゃうかもだもん。』



《なっ!?》



『だって、櫻木 翔琉のお母さんなんだよ?
君の恋人としては気に入られたらそれは嬉しい事じゃん?』



《!》



『あ、お母さんだけじゃないよ?
君のお父さんやおじいちゃんに誘われても行っちゃうかも。
だって君のご家族だしねぇ~。』



《…お祖父様は別として、そこに気を遣う必要はないだろう?》



『なに言ってるのぉ?
男の僕を受け入れてくれた人達なんだよ?
嬉しいからに決まってるじゃん。』





「ちぃチャンいっぱい誘うわねぇ~♡」
「こら撫子…また翔琉が不機嫌になるからやめなさい。」

「儂も誘おうかのぉ。」
「お義父さんはいいと思います。」

「ちょっとあなた!私は駄目ってなに?」
「だから翔琉が…」





《…いたのか。》










…うん、実はいたんだよ。

ずっと静かにしてくれてたけどね?



ってか、今まで気づかない君にも驚くけどね?











フリフリ
「ちぃチャ~ン♡こっち見て~。」



フリフリ
『あ、は~い。』



《…チッ💢智早手を振り返さなくていい!》












…だって、手を振られたらそう返すしかないじゃん。











「いやねぇ~。あの独占欲は誰に似たのかしら?あなた?」
「撫子…もう本当に辞めてあげてくれ。」









あ、なんか間に入ってるお父さんが可哀想になってきたなぁ…


こっちもこっちで、たっちゃんみたいに眉間に縦皺入っちゃってるし~。






うん、お父さんばかりに任せられないよね?

彼氏の機嫌を直すのも彼氏の役目~ってね。








フニッ
《!》



『こら~。眉間に皺なんてイケメンが台無しでしょ~?
戻して戻して~。』



《だが…》



『僕、イケメンの君となら“いい事”したいなぁ~。』



《っ!》



コソッ
『さっきは君。じゃあ次は……僕の番でしょ?』




ガタッ!
『ゎっ!』



《お祖父様、そろそろ失礼します。》



「ふむ…。昼食を一緒にと思っとったがの?」



《ありがとうございます。
しかしそれは夜に回して下さい。…いえ、夜も難しいかもしれないので日を改めて下さい。》



「…なにか大事な用でもあるのか?」



《はい。智早を喜ばせるというこの上無く大事な用です。
ですのでたぶん…いやきっと智早は足腰が立たなく__ 》



『わーわーわー!』













相手は君が尊敬してるおじいちゃん!


折角、僕が小声で言ったのに、ナニを言おうとしてるの君は!











「…聞こえんかったのぉ。なんと言ったんじゃ?」












おじいちゃんも聞き返さなくていいからぁ~!