※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























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彼の名前は大野君。

よく、この山風商店街の近くにある公園に来ている儚げな雰囲気を持つ美人さんで、でも僕と話す時やお花を見ている時は目を輝かせて微笑んでる可愛い人。








僕の目の保養の1人でもあるんだよねぇ~。






大野君は、うゎっ超イケメン!って感じじゃなくて、ふんわりした感じで可愛い系で、話すと疲れもとれちゃうというか…ちょっと咳が出るなぁ~って思ってても大野君と会うとなんか治ってたりするっていう不思議な癒し人なんだよねぇ~。









でも時々、光の加減なのか、目が金色に見えちゃう時とか、真剣な表情をしている時は本当にドキッとしちゃうんだよねぇ~


イイッ♡ってねぇ~










普段は可愛いのに時折見せるその逆らえないような瞳に、もぉ僕はドキドキさせられっぱなしで罪作りな人なんだよぉ~?



でも、大野君は彼氏持ち!






残念…てはなったけど、何より!

大野君とその大野君の彼氏が一緒にいる所を初めて見た時に、違いが分かったから、残念よりも納得したんだぁ~。







だって、巡り会うべくして巡り会った2人…というか、そうなる事が決まっていたかのような2人の姿だったんだもん!


見つめ合って微笑んでるだけでなんかそこだけ別空間みたいにキラキラ光って見えたんだから!






これ、マジで!




僕、ロマンチックな事も大好物だし、よく“乙女よねぇ~”なんて事も言われちゃったりするけど、でもあれは僕が乙女フィルターを発揮しなくても輝いて見えたんだからぁ~!





…って、ユキちゃんに言っても信じてくれなかったけどねぇ~。














そして、大野君はこの商店街にお店を出した時の初めてのお客さんなんだ。



資格とか取るのを頑張ったり、お花の勉強を沢山したり、市場に通って花農家さんと交流を深めたり、出来る限らの準備は色々してきたけど、やっぱり素人だから不安はあったの…






だから、開店してもお客さんが1人も来なかったらどうしよう?って…


このお花達がお店から1歩も外に出れず、誰も笑顔にできなかったらどうしようって…












でも、その不安は的中で開店してから1時間経ってもお客さんは来なくて…


ユキちゃんと“どうしよう?”と話したり、“外で呼び込む?”とか案を出したりしてた時に、ドアの所でカリカリという音が聞こえてきたんだよね。






なんだろ?と、思ってユキちゃん拘りのアンティーク風のドアを中から開けると、そこには白とグレーの大きな体の猫ちゃんが座ってたんだ。






……え?

猫ちゃんがお客さん第一号?







とか、思っているとその猫ちゃんが徐に立ち上がって、他にもいた猫を屈んで撫でていた人の元に……


そう、その人が大野君だったんだけどね~





そして、その大野君が……













【…こんにちは。今日から開店だと聞いていたんですが、何時から開きますか?】



『え?お店はもう開いてますけど…?』



【あ、そうなんだ……でも…】



『でも?』



【その看板…】



『看板?……あっ!“close”になってる!』



【だからまだなのかと思って…】













という感じに、ユキちゃんが“俺がする”って言ってすっかり忘れてた凡ミスを教えてくれたんだよね~。


しかも大野君が待ってる間に店の前を通った人が“何のお店?” “カフェなのかな?”という事を言っていたと聞いて、お客さんが入って来なかったのは全部ユキちゃんの所為だった事が判明した瞬間だよね。








だってその当時は、今みたいな外からお店の中が見えるガラスのドアじゃなくて、アンティーク風の木のドアだったし、お洒落に拘った所為で外観からも確かにカフェのようにも見えてた。


しかも、鉢植えをお店の外に出す事もユキちゃんが格好いい外観が目立たなくなるとか言って拒否ってたから、花屋さんだというのが外からじゃ分からなくなってたんだよね。





お店の名前“CLOVER”だけじゃ、確かにカフェとかにもありそうだし?








だから、もぉね?

開店1日目にしてお店の改装が決定したよね。





まずドアをガラスに変えたり、“お花屋さん”と書かれた登り旗を設置したり、外に鉢植を置く為の棚を作ってもらったりとかねぇ~。






大野君、お花を買いに来てくれたのにその話しにも付き合ってくれて…というかほぼ大野君が案を出してくれたんだよね。


センス?が凄くよくて、特に“外観を損ないたくないならこの色かな…”と、のぼり旗や棚の色の指定までしてくれて、そのセンスにユキちゃんが惚れこんじゃって、次から次へと聞きまくって長い時間離さなかったの。







その大野君が店の中にいると、なぜか近くの公園に住んでる猫ちゃん達も次から次へとお店にやってくるもんだから、ドアは開けっ放し。


しかも、その猫ちゃん達が鉢植えにぶつかって怪我なんかさせちゃったら大変だと思って外に移動していると、1人、2人とお客さんがここが花屋だという事に気づいてくれて…




結果、猫ちゃんが増えるのと同じくらいお客さんも増えていき忙しくなっていったんだ。











まさに、猫の手も借りたい!という状況になった頃に、その大野君が戻ってくるのが遅いから様子を見に来たという、綾野君という人と、同じ商店街に店を構える珈琲ショップの店長の小栗君という2人のイケメンが現れて、僕達のお店を手伝ってくれたんだ。


まさにイケメン救世主だったよね!





だって、レジやら接客やら完璧だし、何よりユキちゃんみたいに笑顔に胡散臭さがなくて爽やかなんだもん!















そんな事があったこのお店の開店日から、大野君は常連さんになってくれた。




ただ、大野君の事で知っている事は、“大野”という名前と、“猫公園”と呼ばれている商店街の近くの公園によく来るついでにこのお店にも来てくれているという事。

そして、大野君は絵を描くのが趣味?みたいで、よく花を購入してくれる…という事くらいかなぁ?










と、いうのも、それ以上僕はあまり詮索しないようにしているんだぁ~。




ホストをしていた時に身についた事なんだけど、自分の事を話したかったり聞いて欲しい人と、詮索されるのが嫌な人ってハッキリ別れてるからね~。





で、大野君はがっつり後者。




これは勘じゃなくて、断言できるレベル。









僕、そういうの分かる子なんだよねぇ~。


だから、ホストしてる時もうまくいっていたのかもねぇ~なんて思ってる♪




これ、ちょっと自慢♪











あ、でもだからと言って大野君と話さないとかじゃないよ?

寧ろよく話すとさえ思うもん。





だって、僕達好み似てるみたいだしねぇ~?











スッ
『はい、これが今日仕入れてきたお花達だよぉ~。』



【ありがとう。…あ、あのアキイロアジサイの配色…いいね…】



『やっぱり?僕もそう思ってたんだぁ~♪
やっぱり好み似てるよねぇ~。』



【うん。近くで見てもいい?】



『どうぞどうぞ~。
なんたって大野君はユキちゃんがここに入るの許可してるただ1人のお客さんだからね~♪』











ここは、お店の奥にある従業員しか立ち入れない場所。





と、言っても予約の花籠や花束なんかを作ったりするスペース。

お店のバケツに入りきらないお花達もここにいるしねぇ~。





そして、ここに大野君のお目当てのお花達がいるんだ。








お店に出るお花達は、バラだったら棘取りされている物だったり、下の葉は切られている物になるけど、ここはそのままの状態のお花達を置いておくんだ。


さっきも、櫻木 翔琉に“そのバラのトゲはそのままでいいから”と言って首を傾げられたけど、この大野君みたいにそのままの状態のお花が欲しいというお客さんもいるからね~。











【これ、お店にも並んでるよね?】



『うん、大丈夫~。』



【じゃあ全部もらっていっても平気?】



『平気~♪
そのアンティーク色は、たぶんお客さんの好み分かれるだろいしぃ~?』



【…それでも、仕入れちゃったんだ?】



『僕がいいと思ったからきっと大野君も気に入るだろうと思って。』



【…フフ。うん、気に入った。
でも今日俺が来なかったらどうしてたの?】



『そしたらホストクラブの入口でお客様を迎えるお花になるだけ~。』



【じゃあ来て良かった。】



『うん、来てくれてありがとう~。』













本当に色んな意味で、感謝かも。


さっきまで息がつまりそうだったけど、大野君と一緒にいて楽になった気がするし~。













【…何かあった?】



『え?』



【…疲れてる気がするから。】



『っ!…大野君!聞いてくれるっ!?時間ある!?』












大野君とはお花や食べ物の好みが似ているけど、ここは違うんだよね。
 


大野君は詮索されるのを嫌がるタイプだけど、僕は気にしないタイプ。


そして、僕は色々溜め込まずに直ぐ表に出すタイプで、話を聞いて欲しいと思ったら言っちゃう方!








だから、よく僕の話を聞いてくれる聞き上手の大野君には全て話してしまいたくなるんだよぉ!













【…あ、うん。いいけど…でも、今お店1人でしょ?
空にはできないよね?戻る?】



『あ、そうだっ……いや、それが1人じゃないから困ってるというか~息がつまってるというか~』



【?】



『……大野君。僕、彼氏ができちゃった…。』



【え?】



『彼氏になっちゃったんだよぉ……ぅぅ…』



【…なんか“おめでとう”って言わない方がいい状況みたいだね?】



『そうなの!』



【…あれ?でも確か、大羽君の男運が悪すぎるからあのオーナーが決めた相手としかもう付き合えないとかっていう話しじゃなかったっけ?】



『そのはずだったの!
でもユキちゃんが決める前に僕が…』



【……】



『でも!櫻木 翔琉はズルいんだよ!
確かに“付き合う”って僕も言っちゃったけど、舐められて気持ちいい事され続けて、それなのに“恋人になると言わないとダさせない”なんていう方がズルいと思わない!?
あの状況で抗うとか無理でしょぉ!?』



【…う、うん?】



『しかも、一緒にいる時にちょっと僕が怪我しちゃって、その責任を取るとか言って昨日からずっと一緒で……
ユキちゃんもユキちゃんだよ!
弱味握られてるくらいで僕を売ってさぁ~!
シキの歌で1日が始まるのに僕の調子は狂わされ続けてるし!
しかもこのままじゃ夜まで一緒にいる事になりそうだしさぁ!』



【…あ、うん……なんか、詳しく聞かないと分からない所も多かったけど……取り敢えず。
もしかして、お店の外にいた人がその櫻木って人じゃない?】



『え?…あ、電話してくるって言ってたから、たぶん。
会ったの?』



【会ったというか…なんか、商店街の会長さん?という人と話してはいたよ。】



『え?会長のおじいさんと?』



【今日の夜、商店街の集まりがあるんでしょ…?
その出席の確認に大羽君の所に来たみたいだけど、彼が…“今日は2人で新たな1ページを刻む予定だから日にちを何とかずらしてくれないか?“ って、肩を掴んで揺すりながら頼んでたよ…。 】













なっ!?御年75歳の時計屋のおじいさんになんて事を!













『僕、ちょっと行ってくるね!
老人を労るという事をあのおバカな恋人に教えて来なきゃ!』



【…恋人とは…認めてるんだね。】



『え?なに?』



【…ううん。いってらっしゃい。
僕、お店の花も見せてもらってるから。】



『うん、ごめんね!直ぐに連れ帰ってくるから!』








タタタタッ!








もぉ!

本当になにをやってんの櫻木 翔琉は!




お年寄り相手に優しくできない彼氏なんて僕が根性を叩き治してやるんだからぁ!