※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























~Blue~






いつものおじさんが僕の方に駆け寄ってくる…





嫌だな…

今日は直ぐに立ち上がってこの場を去るっていう事ができそうもないのに……







どうしていつもより大分早い時間なのにいるんだろ…



はぁ…







でも、動かないと…








ググッ
『くっ…』



「動いたら駄目だ!怪我してるじゃないか!」



『ビクッ!』



「…え?あ、ああ…ごめんよ。」



『……』



「いつもより早い時間に君が歩いてくるのが見えて来てみたんだけど…」



『……』



「……ちょっと前ごめんね。」










おじさんはそう言うとベンチに座る僕の前に膝をついた。


近い……

でも…近すぎない…





まるで僕の苦手としている事を知っているみたいな……


ううん、そんな訳ないよね…










「私の名前は富士岡といいます。
ここの図書館の…今は嘱託職員として働いています。
今日は朝早くから図書館を開けなくてはいけなくてこうして来ています。」









…自己紹介…?



それって僕もしなきゃいけないのかな…?










「家族は妻が一人。
あ、妻が何人もいたら大変だね?ハハハ。」









…なんなの、このおじさん?



やっぱり早くここから__










「君の名前は…いや、今はそれ所じゃないね。
君、今すぐ病院に行こう。
足の怪我もだけどそれよりも顔が赤い。
そっちの方が今は問題だ。」









…病院?

何言ってるんだろ…足だって大丈夫だし、体だって力さえ入れば…






ググッ 

『……ぁ…』






フラッ


倒れ__






バッ!
『っ!』



「…すまないね。でも見ていられないんだよ。」



『っ…離し…て下さい…』



「それも申し訳ないんだけど、できないな。」








大人…嫌だ……









『…い…や……』



ナデナデ
「ごめんよ…うん、嫌だよね。」



『っ…』



「…おじさんの息子もね、君と同じだったんだ。
君と同じ目をしてた。
誰も近づかないで…そう言ってるような目をね。」



『!』



「だから君を見た時に、ああ、この子もかと思ったよ。
だけど…いや、だからこそかな。
君が気になって仕方なかった。
君に声をかけずにはいられなかった。」



『……』



「…君からしたらうざったいおじさんだったよね。
だけどおじさんは、君を構わずにはいられなかった。」



『……』



「そして今も…。
こんな事をされるのは本当に嫌だよね。
でもおじさんは、君がこんなに辛そうにしているのを見過ごす事はできないんだ。
苦しそうな君は見たくないんだ…」



『…病院…は…』



「うん、分かった。
じゃあ図書館の中ならいいかな?」



『…迷惑…が……』



「かからないよ。大丈夫だからね。」



『……』



「さあ、早く涼しい所で休もうね。
おじさんの背中に乗れるかな?」



『…え……』



「うん?
ああ、大丈夫だよ。おじさんは君1人くらい軽々おんぶできるからね。
さあ、おいで。」



『っ……』








スッ…

「うん。辛いだろうけどしっかり掴まっていてね。
じゃあ行くよ?よいしょっと!」



グラッ
『!』



「もう少し頑張ってね。」



『……』











……僕、何してるんだろう…



こんな高校生にもなって、おじさんにおんぶしてもらうなんて…








でも、なんだろう…



この広い背中かな…?

それともこの整髪料の匂いなのかな…?












「智!しっかり掴まってろよ!走るぞー!」


『アハハハ♪お父さん早~い♪』


「楽しいかー?」


『うん♪楽し~♪』


「智が楽しいなら父さんも楽しいぞー!」














…父さん……



昔、父さんがこうしておんぶしてくれた事を思い出したよ………