※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
~Blue~
❬事と次第によっては…俺の知り合いに今すぐ電話して来てもらうけど……いいね?❭
そう誠二さんに言われて僕は少し焦ってしまった…
警察…そう頭をよぎったから……
ガタッ!
『やめて下さい!ペットボトルを避けきれなかった僕が悪いんです!』
❬じゃあ…ペットボトルが頬に当たったと?❭
『はい!だから警察になんて…そんな大事にしないで下さい!』
❬警察ね…。
でもね多野君?
そのペットボトルは勝手に飛んできたりしないよね?
それとも自分で飛ばして取り損なった…なんて、無理な言い訳でもするのかな?❭
『っ!』
…焦ってしまったんだ。
だから、ついそのまま言ってしまった…
転んだとか誤魔化せばよかったのに……
❬…どうなのかな多野君?❭
…大事にされたら困る。
だって困るのは___
〖誠ちゃんもうやめて。〗
『!』
❬…壱智、でもな?❭
〖多野君が困ってる…だからもうやめて。
それに”無理に聞かない“って誠ちゃんは言ったよ?
それなのにしつこく聞くの?〗
❬!❭
〖…僕、しつこい誠ちゃんは夜だけにして欲しいなぁ?〗
ガタガタ
❬すまない多野君!この話しは終わりにしよう!❭
『…え?あ、はい…分かりました。』
〖うんうん♪誠ちゃんはやっぱり自分の言った事は曲げないよね~♪
流石、僕の誠ちゃん♪〗
❬勿論だ壱智。
俺の壱智への想いが曲がる訳はない!❭
…なんか噛み合ってないような……
〖あ、誠ちゃんそろそろ事務所の人が迎えにきちゃうんじゃない?〗
❬そんなものは待たせておけば__ ❭
〖うん?今、なんか言った?〗
❬っ!❭
〖まさか、迷惑かけていい…なんて思ってないよね?
そうだとしたら…僕怒っちゃうよ?誠ちゃん?〗
スッ! バッ!
❬では多野君!
君が初バイトの日には必ず参上するからまた会おう!
それまでは呉々も怪我には気をつけて。じゃ!❭
『…あ、今日はありがとうございました。』
〖誠ちゃんいってらっしゃ~い♪〗
❬いってきます!また後で!❭
ガチャ! バタバタバタ…
…颯爽と現れて颯爽と帰っていくのが…なんか……なんだろ?
…いい例えが思い付かないな。
〖ごめんね~?慌ただしくさせちゃったね~〗
『あ、いえ…』
〖でも誠ちゃんは本当に頼りになる人だから何か相談事があったらしてあげてね?
きっとヒーローみたいにビュンって飛んできて解決してくれるからね♪〗
あ、ヒーロー!
そっか戦隊もののヒーローみたいな感じなんだ!
うん、なんかしっくりきたかも。
〖ん?多野君どうかした?〗
『あ、いえ…納得してました。』
〖ん~?〗
『えっと……なんでもないです。』
〖そう?あ、じゃあこれからの事とか話しあおうか?〗
『あ、はいお願いします。』
それからは壱智さんとバイトの内容だったり、勤務時間だったりを話した。
途中からは、部屋から出ていた奏四さんも加わって何日からバイトに入れるかの本格的な話し合い。
その後は、壱智さんのお城…という名のパン屋さんの中を案内してもらったり、隣のお店の厨房も覗かせてもらった。
そこで5人兄弟の末っ子だという修伍さんと初対面して挨拶したんだけど、寡黙というか…ちょっと怒っているのかな?という印象を受けた。
お仕事中だったから…というのもあるのかもしれないけどね。
三葉さんも改めて挨拶してくれた。
ニカッと笑う笑顔が素敵な人で、料理をしている姿は雑誌の1ページみたいで素敵だった。
そして肝心のお店の雰囲気もとても良かった。
兄弟皆さんが仲が良いというのもあるだろうけど、1番は壱智さんがいるからかな…と思った。
”I‘m home“…本当にそう言いたくなりそうなくらい暖かい雰囲気を感じがしたから。
ゴソッ
〖えっとじゃあ次は…〗
「イチさん、それはちょっとバイト内容としてはどうなんでしょう?」
〖え?そう?〗
「はい。そんな小麦粉粉の種類まで教えて、多野君にパンを焼いてもらうんですか?」
〖え?あれ~?〗
「すみませんね、多野君。」
『あ、いえ…』
この材料でパンが作られるんだって思ったら楽しくなってたし…
「それと多野君にお迎えが来てますから、終わりにして下さい。」
……迎え?
〖え~。もう?〗
「…イチさん。多野君を既に2時間も連れ回してますから。」
〖あれ~?そんなに経った?〗
「はい、経ってます。だから今日は諦めて下さい。
多野君が夏休みに入ったら沢山話せますから、ね?」
〖うん、分かった~♪
じゃあ多野君をお見送りしよう~♪〗
「ええ。では行きましょうか。
裏で待ってもらっていますから。」
…誰が迎えに来てくれているかも分からないまま僕は壱智さん達の後についていった。
ただ、その裏口を出る前に壱智さんが__
〖うん、もう頬は大丈夫そうだね。〗
『…え?』
〖良かった。〗
…もしかして、その為に時間をかけてくれた?
一緒にいる時も、何回も ”冷やしててね♪“ と壱智さんから言われていた。
ずっと僕の頬っぺたを心配してくれてたんだ…
ガチャ!
〖お待たせ~♪〗
[あ、壱智さん今晩は~。]
〖逢葉君、今晩は♪
多野君のお迎えありがとう♪
まだ明るいといっても夜だから助かるよ~〗
[いえいえ♪
最初から来るつもりだったから大丈夫ですよ。]
逢葉さん!?
迎えって逢葉さんの事だったんだ…
〖逢葉君も、”多野君可愛がり隊“の一員だね♪〗
[アハハ♪そうですね。
でも、そう言うという事は壱智さんも__ ]
〖うん♪
逢葉君、こんないい子の多野君を紹介してくれて本当にありがとう♪〗
[はい!智君の事よろしくお願いします♪
じゃあ…帰ろっか智君♪
和君がラーメン食べたいって言ってるから早く早く♪]
『あ、はい!あ、壱智さん__ 』
〖いいなぁ~ラーメン……〗
『…え?』
「イチさん…ラーメンの事を考えるのは後にして下さい。
今は多野君に挨拶を。」
〖ん~?あ、そっか。
多野君、じゃあこれからよろしくね♪〗
『はい、今日はありがとうございました。
こちらこそよろしくお願いします。』
〖ふふ♪本当にいい子~♪
気をつけて帰ってね~バイトに来てくれるの楽しみに待ってるからね~♪〗
『はい。
奏四さんもありがとうございました。皆さんにもよろしくお伝え下さい。』
「ご丁寧にありがとうございます。
多野君も体調に……いえ、私もバイトの日を心待にしてますね。」
『ありがとうございます。それでは失礼します。』
僕達は2人に見送られながらお店を後にした……
[…フフ。いい人達に、いい所だったでしょ?]
本当にそう思った…
素敵な大人の人達だと…
『はい。
逢葉さん紹介してくれてありがとうございました。』
[どう致しまして♪]
こうして僕の新しいバイト先が決まった…