※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



























~Blue~






「誠二さん?どうし__ 」



 ❬ん?どうして此処にいるのかって?❭



「…いえ…愚問でしたね。」



 ❬ああ、愚問だな。
新しいバイトが入るのに俺が面接しない訳ないだろ。❭



「でしたね。自分の仕事をサボってでも来ますよね。」



 ❬だろ?…でな奏四。❭



「はい?」



 ❬早くこれを受け取ってくれ。
修伍からトレイ事預かったはいいが、上のコップの置き方が分からない。❭



〖あはは♪誠ちゃんらしい♪〗



「…流石、不器用の代表。
ま、ここまで来るのに溢さなかったのが奇跡ですかね。」



 ❬お、兄ちゃんをもっと誉めていいぞ。❭



「…はいはい。」












…ソウシさんのお兄さん?






えっと…

ソウシさん達はイチさんの弟で、このセイジさんも、ソウシさんを弟と言うんだから……




見た目的にもセイジさんが4人兄弟の1番上の人なのかな?










…コト



きれいな緑色…

なんか、久しぶりに見たかも…









「多野君、どうぞ。
メロンソーダはイチさんの好みなので嫌いじゃないといいんですけど。」



『あ、はい昔よく飲んでいたので大丈夫です。
ありがとうございます。頂きます。』



〖え…?多野君の昔って…事は…〗









……?









「イチさん、大人になっても好きな人は沢山いますから。」



〖だ、だよね?〗



「はい。」



 ❬そこも壱智の可愛い所なんだから変えるなよ?❭



〖誠ちゃんがそういうならおじいちゃんになっても飲み続けるよ~♪〗



 ❬ああ、いいなそれ。❭



〖ふふ♪〗










…なんかこの2人、兄弟というよりは___









ジロッ
 ❬で、君が新しいバイト希望の子かい?❭



『!』









あ、挨拶を忘れちゃってた…








ガタ
『初めまして、多野智と言います。
今日はお時間を取って頂きありがとうございます。
よろしくお願いします。』



〖わぁ~♪多野君本当にいい子~♪〗



「はい、とても礼儀正しいですよね。高校生とは思えないくらいです。」



 ❬”オオノ サトシ“…?❭



〖ねぇ~?ふふ♪〗










……ん?なんだろ?


僕の名前ってそんなに変かな?








あ、そうだ履歴書……











ゴソッ
『あの、これが履歴書に__ 』



 ❬採用!❭










……え?









パチパチパチ
〖わぁ~おめでとう多野君♪〗












…いや、まだ何も……というか履歴書すら見てもらってないんだけど…











「ゴホン。
イチさん拍手している所すみませんが、多野君の希望の面接をしていません。
それでは、折角話しをすると決めてくれた多野君も困るのでは?」



〖あ!〗



「それと誠二さん。」



 ❬ん?❭



「多野君の見た目の可愛いさから、イチさんの近くで働いてもらっても何の問題もないと判断されたんでしょうけど、折角書いてきてくれた履歴書も見ずに急に”採用“と言うのはどうでしょう?
失礼なのでは?」



 ❬!❭



「分かったなら、座って多野君の話しをしっかり聞いて下さい。」



 ❬壱智……奏四がこんな立派に…❭



〖誠ちゃん、奏四はずっといい子だよ♪〗



 ❬ああ、分かってる。
ただ、弟の成長が嬉しくて……クッ…❭









…え?泣いてる?









〖あ~ふふ♪年々涙脆くなってるね誠ちゃん♪〗



 ❬クッ…❭



「あの…こっちが恥ずかしくなるので辞めてもらっていいですか?
それに多野君も履歴書持ったまま固まっていますから、早く何とかして下さい。
見ていて可哀想ですから。」



〖あ、多野君ごめんね?
座って座って?あと、飲んで飲んで♪〗



 ❬悪い事をしたね…えっと多野君。
この履歴書も受け取ります。
どうぞ座って。❭



『あ、はい、お願いします。』



〖あ、ジュースも飲んでね~♪〗



『はい、頂きます。』













さっきとは違って、セイジさんはとても仕事ができる人という感じのオーラが出ていた。


眼鏡もかけていたから尚更かな…






…なんか、翔さんがもっと歳を重ねたらこんな感じなんじゃないかな?と、僕の履歴書を読んでくれているセイジさんを見ていて思った。






そして、その間に僕の話し相手をしてくれていたイチさん…改め、壱智さん。


その壱智さんからご兄弟の話を聞いた。









そして驚く事に5人兄弟の長男が壱智さんだった。


2番目の弟さんだという、隣の誠二さんの方が年上だと思っていたから本当に驚いて、目をぱちぱちしていたら…










〖え?僕の方が下だと思った?
ふふ、僕もう38歳だよ♪で、誠ちゃんは37歳♪〗










えっ!38歳!?


…失礼だけど、本当に___










 ❬見えないくらい家の壱智は可愛いでしょう?❭












…はい、とてもメロンソーダが似合ってます……










 ❬さて、履歴書を見せてもらって気になる点を何点か質問させて貰ってもいいかな?❭



『あ、はい。』










質問は誠二さんが、壱智さんはその間隣でニコニコしてくれていた。



親でもおかしくない歳上の人に対して失礼なんだけど、その顔を見ると和む……と感じてしまって、誠二さんの質問にも僕は言葉に詰まる事なく答えられた。






…ただ、ある質問の時だけ僕は少しだけ答えに間が空いてしまった。













 ❬ところで、この保護者欄が電気屋の逢葉君なのはどうしてなんだい?❭











少し間が空いてしまったけど、前のコンビニの面接の時も言った事と同じ事を2人に伝えた。


両親がいない事、それともし僕に何かあった時に連絡する相手は未成年後見人になって下さっている方よりも逢葉さんにお願いしたくて、いつも書いてもらっているんです…と。










 ❬そうか…君も…❭



『…?』



〖多野君は…ご両親が亡くなって1人になったの…?
1人で辛い夜を過ごしてきたの…?
君にヒーローは__ 〗



 ❬壱智…❭



〖っ…誠ちゃん……〗



 ❬うん、分かってる。❭










……ヒーロー?


戦隊?

なんの話しだろう?









 ❬理解したよ多野君。
あの逢葉君なら直ぐに駆けつけてくれそうだしね。
ね、壱智?❭



〖……うん…〗











……なんか壱智さんが暗くなったような…












 ❬じゃあ逆に多野君から何か質問はあるかな?❭










きた…


下を向いてしまった壱智さんが気になるけど、僕は話さなきゃいけない事を誠二さんに向かって話した。






僕が自分より背が高い男の人が苦手な事…



特訓はしたけど、今でも急に目の前に立たれたり、手を出されたりすると体が反応してしまう時があるから、お店に迷惑をかけてしまう恐れがある事などを。








誠二さんはその僕の話を聞いて驚いた顔をした後に、ちょっと険しい顔をした…



そして今まで下を向いていた壱智さんが…









ガタ!

『…え?』



〖多野君…抱きしめていい?〗



『え…』



〖…多野君がこういうのは苦手だって分かってるんだけど…その、ダメかな?〗



『え…あ、いえ……大丈夫ですけど……』




スッスッ   _ギュ


〖……多野君…いい子だね…僕にいっぱい甘えていいからね…〗












…壱智さんはそっと近づいてくれて、凄く優しく抱きしめてくれた。




フワッ…


…甘い匂い……ああ、パンの匂いか…










…でも、どうしてこんな事をするんだろう?











 ❬多野君、改めて君を採用するよ。
バイト内容は、壱智とあと3人の弟と詳しく話して欲しい。
アルバイトの時間や賃金、休みの事も希望はちゃんと伝えて欲しい。❭



『…え?』



 ❬あ、すまないね。
俺は面接はするけど、別の仕事をしているから店のシフトとかはさっきまでいた奏四が担当なんだ。❭










あ、そういえばさっき奏四さんに”仕事をさぼった“と言われていたような……









 ❬紛らわしい事して悪かったね。
でも、これだけは譲れなくてね。❭



『あ、いえ…とんでもないです。
面接して頂いてありがとうございました。』



 ❬…ああ、本当に多野君を紹介してくれた逢葉君には感謝だね壱智。❭



〖うん、そうだね誠ちゃん…〗



 ❬こんなに礼儀正しい子でしかも壱智に似て可愛いときた。❭



『…え?』



〖うん、そうだね誠ちゃん…〗



『え!?』



 ❬フッ、壱智がこんなにベッタリでも俺が苛々しないのは多野君で3人目だな。❭












…それは喜んでいいのかな?


というか壱智さんはずっとこのまま?











 ❬という事で家の壱智と、弟達の店を宜しく。❭



パッ
〖よろしくね多野君。
多野君と一緒に働ける事が嬉しいよ。〗










あ、離してくれた…










〖でも、絶対に無茶はダメだよ?
いっぱい話してバイトの事を決めていこうね?〗











僕の話を聞いても雇ってくれるなんて…











『ありがとうございます。
よろしくお願いします。』










…本当にありがたいな。











 ❬それで多野君?
ここからはバイトの話しではないから言いたくなければいいんだけど…❭



『あ、はい…?』



 ❬その頬の腫れは誰に何をされたのかな?
まるで叩かれたみたいに赤いけど。❭



『!』



 ❬事と次第によっては…俺の知り合いに今すぐ電話して来てもらうけど……いいね?❭












……え?