※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





























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スッ
《どうもこんにちは、櫻田さん💢》



〚…ああ、桃井社長。
いらっしゃらないかと思いましたよ。〛



《そりゃいますよ、当然ね💢》



〚ははは…そうですか。〛



《ええ、そうですよ💢》











…バチバチと聞こえてきそうな、そんな2人の会話。



笑ってるんだけど、笑ってない…よね、2人。











《ところで、櫻田さんはいつまでその格好で私達の前にいらっしゃるんでしょうか💢?》



〚ああ、メイクも終わって着替え途中でしたから。〛



《では即刻回れ右して戻られてはいかがでしょうか💢。》



〚見せられる…いや“魅せる”体だと自分では自負してますが、どこか問題が?〛



《それはそれは。
さぞご自慢されたいのでしょうが、私達には全く興味のない話しですね💢》



〚桃井社長にはそうでしょうが、意見ならそちらの……チラ。
お2人から是非聞きたいものですね。〛













…え?僕…?

目が合ってるって事は……僕の意見って事だよね?




えっと……


櫻田さんの体の感想……感想………





あ!









『なで肩ですね。』










フフ。あのなで具合が桃井さんと一緒だ。









〚なっ…〛



〈ぶっ!アハハハハ!
秋最高!感想が肩って!アハハハハ♪〉



『…え?』








…ニノさんに笑われったって事はこの感想は間違ってたのかな?


櫻田さんもなんか変な顔になっちゃったし…





でも、桃井さんは……









《よしいいぞ秋。》









褒めてくれたけど…










《という事らしいので、さっさと服を着てもらえませんか?
それともまだ感想が必要でしょうか?
今ので十分お分かりになったと思いますが?》



ペチペチ
〚…もっと鍛え直さないと駄目か。〛



《ご利用をお待ちしています。》



〚…お宅のジム、午前中に行ってきたばっかりなんですけどね。〛



《いつもご利用ありがございます。》



〚…ハァ。藤ヶ谷。衣装は問題ないと伝えてくれ。〛



「はい、分かりました。」



スッ
〚では、少し失礼します。〛






スタスタスタ…








櫻田さんはまた布で仕切られている所に入っていった。



笑いが治まったニノさんが“たぶん衣装に着替えてる途中だったんだよ”と僕に教えてくれた。



その言葉通りで、ジャッ!と音が鳴った方を見ると、さっきとは違う服装の櫻田さんが出てきた。






…す、凄い。



光沢のあるワインレッドのパンツに、白シャツ。

あと着てはいないけど手に持っているのは同じ色のジャケットとあれは、黒いネクタイ…?





ボタンを閉めてないからか胸元まで開いていて…



…なんだろう?…大人の色気?


そういうのがビシビシ感じられる気がする……










『…凄い…芸能人オーラ……』



コツコツコツ
〚…まさか、服を着た方が誉められるとは思わなかったな。
フッ。でも、お気に召して頂けたようで何より。〛



『はい。とてもお似合いで__ 』



パシッ!
『ぁぅっ!』










…これじゃ、前が見えないんだけど…











〚…可哀想に。桃井社長も酷い事をなさりますね。〛



《なにがでしょう💢?
私はただ見なくていいものを見ないようにしているだけですが?》



〚彼はお宅の大事なアーティストでは?〛



《その通りですが?》



〚なら、もう少し扱いを考えてはいかがですか?
そんな事をしたら可哀想でしょう。
しかも大事な顔に__ 〛



《ああ、誤解をさせてしまったならすみません。
勿論力加減は分かっていますよ。
私がアキに傷をつけるなんてあり得ないんですから。
ああ、でも痕は沢山つけていますがね?》



〚……〛



《勿論、見せませんよ?
アキも魅せれる身体ですが、どこかの誰かさんとは違い一切安売りはしていない__ 》



ガッ!
《ぐっ!?》









あ、手が外れた。









〈自業自得って分かりますよね?
…そこで存分に味わっていて下さい。〉



ガク…
《…脇腹…が……》








…え?桃井さん?

なにがあったの?










〈すみませんせんね、櫻田さん。〉



〚…相変わらず手厳しいな虹也。〛



〈あ、俺には普通の話し方なんですか?〉



〚今更お前に丁寧に話して何になるんだよ。
それに、俺が一応丁寧に話そうと思ってる人をそこに蹲らせたのはお前だろ?〛



〈あれは自業自得ですから。〉



〚…お前時々怖ぇよな。〛



〈大城さんを見習ってますので。〉



〚益々怖ぇよ…。でも大城は“社長”にあんな事はしねぇぞ?〛



〈ハハハ。ウチはゆる~い事務所ですから。〉



〚…なんだかな。〛



〈まあ、あの人の事は置いといて…秋、おいで。〉











蹲っている桃井さんの背中を撫でていると、ニノさんに呼ばれた僕。


“行って下さい”と同じく屈んでいた縞夫木さんに言われたから、僕はニノさんの横に立った。





そして、ニノさんと一緒に今日呼んでくれた事への感謝を櫻田さんに言った。











〚いや、こちらこそ感謝する。
“シキ”と知り合いだからと色々注文が煩かったから本当に助かった。〛



『え?』



〈それは櫻田さんの勝手でしょう?
あんなツイをあげて…こちらからはお願いもしてないんですからね。〉



〚だからこうして来てくれた事に感謝してるって言ってるだろう。〛



〈断っても文句は言わないで下さいよ?〉



〚…あれはいい宣伝効果になったと思うが?〛



〈その打算がムカつきます。
“シキ”がこんなにも売れているのは、決して櫻田さんのお陰ではありませんから。〉



〚…まあ、そうかもしれない。
歌も本当に良かったからな。
…だが、俺も一役買っただろう?〛



〈無駄にね。〉



〚おい、無駄ってあんまりだろ?〛



〈あんなのが無くてもアキの歌は良いんですよ!
聞けば分かるんです!だから櫻田さんがした事は余計なお世話ですから!
それに、櫻田さんのはただ自慢したかっただけでしょう?
ファン1号とか言って喜んでるくらいですしね!〉



〚…喜んだら駄目なのかよ。〛



〈別にいいですけどね。
ただそこに“新たな仕事”が絡んでなければね。〉



〚……〛



〈正直に言って下さい。
何社からオファーがきたんですか?〉



〚…4社。〛



〈そんなに?ハァ…。〉



〚……〛



〈最初に言っておきます。シキを利用なんてさせませんから。〉



〚そんなの分かってる。〛



〈今回は特別ですから。
櫻田さんが長年広告してる所だから、こうして話を聞くんですからね!分かってますか!?〉



〚分かってるって。
だから、感謝してるって言ってんだろ?〛



〈これで義理立てとか無しですから。
というか確実に俺達の方に貸しが多い筈ですから覚悟してて下さいよ!〉



〚…だからそれも分かってるって。〛



〈本当ですか?〉



〚ああ。虹也にもあるが特に秋人君には多いからな。
だから、俺で出来る事があるなら何でもするさ。〛



〈ま、それが分かってるなら良しとします。〉











…隣にはいたけど、一切話しに入っていけないでいる僕。


お仕事の話しは…ちょっとよく分からなくて…ね。









そのあと、番組のスタッフさんが控え室にきて“リハーサル”というのが始まると櫻田さんに言っていた。




リハーサルが終わり本番を迎えるまでの櫻田さんの空き時間に、お仕事の話をする人達に会う事になっている。


だから先ずは、そのリハーサルを見学させて貰う為に僕達はぞろぞろと移動を始めた。







…まだ脇腹を擦っている桃井さんも、勿論一緒に。






僕は、桃井さんの隣にいきたかったんだけど…










コツコツコツ

〚ところで、なんで秋人君はそんな格好なんだ?
まるで就活の大学生みたいだな?〛



〈俺の付き人…なんですよ今日は。
だからマネージャー風にスーツを着ているんです。〉



〚ああ、成る程。有名人は辛いな。〛



〈…それを貴方が言います?〉



〚俺は超有名人だから、変装なんて無意味。〛



〈…はいはい。〉



〚あ、でも顔バレしてないのにその格好は必要か?〛



〈秋が私服で歩いていたらスカウトされまくりになるでしょう?
だから、事務所の人間だって思わせるこの格好が1番なんですよ。〉



〚ああ、納得だ。〛



〈でしょう?〉









…櫻田さんがどこを納得してくれたのかは分からないけど、今日の僕はニノさんの荷物持ち。

だから、ニノさんの少し後ろにいなきゃならない。





そして、こんなバッグも持って歩いたりしてる。



中身は珈琲のボトルやティッシュとか小物しか入ってない軽いバッグなんだけど、ニノさん曰く必需品?だそうだから…












暫く歩いてスタジオという所に着いた僕達。




これから櫻田さんのリハーサルが始まる。



僕はこのスタジオに入ってからワクワクしていた。





暗いスタジオ…

だけど、色とりどりの照明……



確認の為なのか着いたり消えたり、ビームのような赤い光りも動いたりしていた。









僕達が静かにいるのはスタジオの隅のもっと暗い場所。

スタッフさんの邪魔にならないようにとここに決まったけど、歌っている櫻田さんを見るのには中々いい場所だった。








そして櫻田さんの歌が始まった。


イントロ…足元だけの青い照明の中、櫻田さんが立っている。





そしてAメロが始まり、サビに入ると照明が一気に櫻田さんの全身を照らし出した。



…僕はゾクゾクとした。




凄い…





そう思って聞いていたサビの途中で、いきなり音が切れた。

櫻田さんの声は聞こえるのに、曲の方が聞こえないんだ…




…トラブル?


そう思っていると、急いでスタッフの人が櫻田さんに駆け寄り何かを話していた。










〈まあ、よくあるよ。
その為のリハーサルなんだしね。〉










ちょっと前に立っているニノさんが言ってくれて、そのまま様子を見ているとまた最初の薄暗い照明に戻った。

そして、イントロも始まった……





歌う側の櫻田さんはどう思うか分からないけど、僕的にはまたあの低い出だしの櫻田さんの声が聞けるから満足だったりするかな…。





ワクワク…

僕は少し遠くの櫻田さんの姿を見て、聞えてくる歌声を待っていた。







そしてそのAメロの歌い出しが始まる…という時に僕は……










ガバッ!
『っ!?』









後ろから口を塞がれ勢いよく後ろに引っ張られた……