※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





























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“友達になって”と僕が言って、惺史の少し呆れたような顔を見たら僕はなんて子供っぽい事を言ったんだろう…と思ってしまった。





でも他にどう言えばいいか分からなかった。





これから惺史とは連絡も取りたいし、また直ぐにでも会いたい。


それにもう惺史の言葉とか“間違わない”という事を知ってしまったし、頼れるって思ってしまったんだ…






だから、これで終わりにはしたくなかった。


それと…成瀬先生はああ言ってくれたけど、なぜか分からないけど家にお邪魔しても惺史はそこには居ない気がして……それが凄く不安なったんだ。









スッ…



『っ!ま、待って惺史!』









ちゃんと掴んだはずなのに、僕の指から服がすり抜けてしまって惺史がまた歩き出した…


僕は行ってしまうと思って、惺史の背中に…








タタッ…     ドンッ
【っ!】









後ろから抱きついた…










ギュ…
『…なんで……怒ったの?
友達なんて言って…子供みたいだったから?』



【…ハァ……姿見えなくして歩けばよかった…】



『…え?惺史そんな事もできるの?』



【…練習中。】



『…凄い。』



【ありがとう。…というか早く離れて。】



『っ!やっぱり怒ってる?呆れてるの!?
でも!惺史が教えてくれたんだよ!?
だから僕言いたい事があればちゃんと話そうって__ 』



【それは分かってる。】



『なら!』



【でも秋人はちゃんと分かってない。】



『…え?』









僕……なにか間違ってる?











【秋人の恋人の性格をちゃんと分かってないって言ってんの。】



『……え?』



ザザッ!
《アキ!お前俺の目の前でなにやってんだー!》



『え…?』



【…ハァ…だから離れてって言ったのに…】



『え?…え?』










桃井さんが叫んでた。


でも10m位しか離れていないから、その表情も分かる訳で…



怒ってる?







その桃井さんがこっちに来ようと歩いてたんだけど…急に立ち止まった。


よく見れば桃井さんの肩に手が……









『成瀬先生…?』



【うん、まぁ…そうなるだろうとは思った。】



『今度は成瀬先生が…怒ってる?』



【まぁ……うん。】



『?』






バタバタバタ

「大野さん。」



【綾ちゃん。真空は?】



「今は栗原先生とあちらで待ってもらっています。
取り敢えず場所を移動しましょう。」



【…そうした方が良さそうだね。】



「はい。栗原先生曰く“君子危うきに近寄らず”だそうですので。」



【…了解。朝の事、相当怒ってたって事だね。
でも頃合いを見て行くよ。】



「はい、それが宜しいかと思います。
お相手は小野君の“恋人さん”と名乗られていましたからね。」



【うん。】



『…あの、惺史?』










何が起きてるか分からないんだけど…










【ああ、ここに物凄く鈍感な人間が1人いたんだった。】



『…それ僕の事?』



【秋人以外に他に誰がいるの?】



『…ムッ。』



【はいはい、剥れてないでこっち来て。】











惺史に“こっち”と言われた方について行くと、せの高い木の下で青いバッグを大事に抱えている栗原先生が苦笑いで立っていた。


そしてその場に行くと、訳が分からなかった僕に分かるように説明してくれたのが…綾野さん……






惺史は“よろしく”と言って、栗原先生が抱えていたバッグの中にいる真空ちゃんと何やら話しているみたいだった…






丁寧に説明してくれる綾野さんのお陰で、僕は直ぐに理解できた。


そして、他の人から冷静に話されるとこんなにも恥ずかしいのかと思ってしまった…









『...../////』



「綾野君の説明を簡単に言えば、彼は小野君しか見ていない物凄く熱い男って事だね。
だから小野君の行動一つで、熱すぎて周りがよく見えずに暴走してしまう…という所かな?
それだけ小野君を愛しているという事でもあると思うけどね。ハハ。」



『栗原先生…//////』



【暴走は面倒しか起こさない。】



「はい、ごもっともです惺史君。」



『…栗原先生……』



【だからこそ秋人の行動にも注意が必要。
自分の大切な恋人を守れるのは秋人だから。】



『僕…なの?』



【彼が暴走する程に好きな恋人は誰よ?】



『…僕…です…//////』



【分かればいいよ。】



『……ムッ…』



【…今度は何に剥れたの?】



『…なんか惺史が……たまにお兄さんみたいに見えるから狡いなって思った。』



「ブハッ!」



【……】



「狡いって……アハハハハ!」









…どうして爆笑?











『…栗原先生…僕なんか変な事を言いましたか?』



「いや…その……アハハハ__ 」



【栗原先生。】



「ピタッ!…失礼しました。」









…ここの関係性も分からないな……


でも綾野さんも笑ってるみたいだから、僕、何かおかしな事言ったんだろうな…










ピョコッ
‹ ミャァ~ゥ~? ›



【…どうだろうね。】



‹ ミャァ~♪ ›



【……どうだろうね。】



『…惺史、なに?』



【…“またチュってする?”って……“僕また見たいの” だって。】



『マソラちゃん…//////』



【…ま、真空は“仲良しさん”が大好きだから、これからも仲良しさんでいてねって事かな。】



‹ ミャ♪ ›









マソラちゃんにも見られてたって事は…ここにいる栗原先生や綾野さんにも見られてたって事だよね?

という事は……









【なに?
あの距離で見るなっていう方が無理じゃない?】








…だよね。








【公共の場所でとか人前なのが恥ずかしいなら、そこも含めて秋人が彼の行動をどうにかするしかないって事。】



『……』



【“守る”って色々あるんだよ。】









あ…桃井さんの立場とかもそこに含まれてるって事なんだ…








【でも、秋人は気にするだろうけど、肝心の本人があんな調子で気にしてなさそうだから、秋人の懸念は無駄な気もするけどね。】








……やっぱり惺史は時々凄く年上みたいな事を言う。


お兄さんがあの成瀬先生だから、似る…というのは分かるし、それは物凄く納得できる事を言ってくれるんだけど…



僕は同級生みたいな友達の……












『…顔の筋肉が痛いって言う惺史がいいな。』



「ブッ!…ハッ…ごめんなさい。」



【…ハァ……はいはい。
じゃあそろそろ向こうが大変な事になってるから行くよ鈍感秋人。】



『…鈍感って……』



【こういう俺が良いって言ったの誰?】



『…僕だけど……鈍感って……』



【じゃあ、我が儘秋人?】



『じゃあって……え?僕、そんなに我が儘?』



【フフ。俺の前ではいいんじゃない?
俺は気にしないし、寧ろその方がまだいい。】



『っ!それはこれからも話を聞いてくれるって事?』



【まあ、話しなら聞くけど。】



『じゃあまた会ったらベール貸してくれる?
寝る前とか連絡してもいい!?』



【…ああ、そうか。…渡し忘れてた。】



『…え?』



【秋人、左腕出して。】



『え?う、うん…?』







ゴソッ……カチッ



『…え?惺史……これなに?』











青い石の…ブレスレット…?





あれ?

でもこの青い石…僕が昔、海で拾って持っていた物に色が似てる…


小銭入れに入れて持ち歩いていたのに、あの事故の後に見た時には無くなってたアレと……












【あげる。】



『え?』



【秋人の不安解消アイテム。
これで夜中に1人で起きる事はなくなるから。】



『っ!本当に!?』



【だから俺は嘘はつけないって。
いい?もう左手に傷なんかつくんないでよ?】



『っ……惺…史…』



【出た…泣き虫秋人。
でも今は泣いたら俺が困るの。だから引っ込めて。】



『…どう…やって……無理ぃ……』



【…ハァ。真空ちょっと来て?】



トンッ
‹ ミャァ~ ›



【秋人、真空を抱っこしてちょっと落ち着いて。
じゃないとまた彼が騒ぐでしょ…“泣かせたのは誰だ” ってね。】



『…そう…か……うん。マソラちゃん抱っこしてもいい?』



‹ ミャ♪ ›



『…ありがとう……グスッ…』









…でも僕は泣き止む所か、マソラちゃんの温かさにまた涙が出た。


一時期は枯れたと思った僕の涙は、ここ数日で溢れるばかり…




ずっとどこかに閉じ籠ってこんな日を待ってたみたいに……











‹ ミャゥ~? ›



【…そうだね。逆効果だったかも?】



‹ ミャゥ~ゥ… ›



【秋人はどこか痛い訳じゃないよ。】



‹ ミャァ? ›



【…笑う為だよ。】



‹ ミャァ~♪ ›



【そうだね。栗原先生がよく言ってる。】



‹ ミャァ♪ ›



【そう、明日また歩き出せる為の涙だね。】



‹ ミャ~ ›



【フフ。いい子だね真空…チュ】



‹ フミャ~♡ ›



『……』



‹ ミャ? ›



【ん?あ、涙止まったね秋人。】










…うん、止まると思う……



凄く嬉しい事を言ってくれてたから、また更に涙が出たけど、でも目の前で、可愛い子に綺麗に微笑む人がキスをしてる所を見れば……



驚いて止まると思う……







それにマソラちゃんに、こんなキラキラした青いベールが纏えば誰でも目を惹き付けられると思う…













【ん?どこ見て……ああ、これか。】



フッ_

『あ!勿体ない!』



【勿体ない…って。】



『だって凄く綺麗だったのに…』



【はいはい。じゃあまた今度ね。】



『また見せてくれるの?』



【だって俺に会いたいんでしょ?】



『っ!』



【それともその石があるからもう俺は用済み?】



『そんな事ない!会いたい!』



【…それ、余り彼の前では言わない方がいいかもよ。】



『どうして?だって惺史は僕の__ 』



【友達…って言ってもヤキモチを妬く人は誰にでも妬くからさ。
ま、その反動が秋人にいくだけで俺には害はないから別にいいんだけどね。】



『…反動?どういう事?』



【経験あるのみ…かもね。
さて、彼等の所に行くよ。そろそろ領さんを止めて彼を解放してあげないと。】








そう言われてそっちの方を見ると、仁王立ちした成瀬先生の前に項垂れて正座している桃井さんの姿があった…

その後ろには縞夫木さんと佐東さんも揃って正座してる…





ニノさんは、成瀬先生の横に同じように立って3人を見下ろしてるけど……


いったい何事なの…?









【あ~あ。スーツなのに…】



『惺史…あれ、何?』



【あれが、怒らすと怖い相手って事だよ。】









成瀬先生が…って事だよね。

うん、それは見れば分かるんだけど…










【あ、秋人。余り変な顔しないでよ?】



『え?』








何の事…?









スタスタスタ
【領さん、その辺にして下さい。】



〖…惺史君。〗



【皆さんもスーツが汚れてしまいますから立ち上がって下さい。
小野君も今一緒に……あれ?小野君?どうしたんですか?】










綺麗な顔で微笑みながら、丁寧な言葉使い……


…あれ……誰…?