※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





























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僕は歩いて横に並んでる6人の前まできた…





一歩下がった所に成瀬先生と縞夫木さん、佐東さんがいる。


そしてその前に波多野先生にニノさんに………それから桃井さんが立っていた。









ゆっくり歩いて…ではなかったかも……



だって、足が軽いんだ…

それに迷ってもいなかった…





惺史が背中を押してくれたから…

薄いピンクのベールは僕を包んでくれたままだから……





だから真っ直ぐ前を向いて歩いてここまで来れた……










スタッ…




“ごめんなさい” はある…


黙って1人で外に出たんだから……





だけど、今はそれじゃない。





それ以上に思ってる事はあるし、ごめんなさいを先に言ってしまったら、僕のこの2日間は何の意味もない逃げただけの時間になってしまう。


そうじゃないから……

とても、とても…僕にとって大切な時間になったから……





だから…










『…迎えに来てくれてありがとうございます。』









そう言えた。

だって、僕はもうちゃんと顔を見れるから。






成瀬先生が微笑んで見守ってくれてたのも分かるし、佐東さんが目頭を押さえて俯いてるのもニノさんが僕の方を見て泣いてるのも分かった…


佐東さんを縞夫木さんが声をかけてるのも、波多野先生がニノさんを支えてるのも分かった…





そして桃井さんが……









タッタッタ…




ギュゥ…
《当たり前だ。
大事な恋人を迎えに来ないなんて俺がする訳ないだろうが。
何をしてでも駆けつけるに決まってる。》










僕を見て笑ってくれてたのが分かったから、だから僕は感謝の言葉を言えたんだ……







ああ、そうか…


分かったよ惺史…






あのメッセージの“むかえに行ってあげて” って、こういう事だったんだね…







自分にとってとても大事な人や大事な物……それを両手で抱きしめて存在を確かめればこんなに安心できるし嬉しくなる……


そして、自分が此処にいていいんだとこんなにも分からせてもらえるんだね……







ありがとう惺史…


帰ったら僕もあの絵を抱きしめるよ…





そして僕は…あの頃の自分を迎えに行くよ……


僕の鎧になってもらう為に……









グィ
『…ぇ……ぁ…んっ!』



チュ
《…アキ……俺のアキ……》





チュ  ヂュ……
『っ……ンッ…』







ダッダッダッダ!  ドンッ!

《ぐぁっ!》



『っ!?』



〈ふざけんなこのエロ魔人!
こっちは感動してるっていうのに台無しにしやがって!〉



《ぐっ…おま……だからって…脇腹に膝は__ 》



〈自業自得だから!〉



《いや……全く思わないんだが___ 》



〈思いなさいよ!〉










…ああ、これ…久しぶりにみれた…









ギュ!
『!』



〈秋、ごめん…本当にごめん…〉



『ニノさん…』



〈俺がいない方がいいと思って家に帰らずにいたら…秋がいなくて……ごめん…俺の所為で___ 〉



『違います。』



〈!〉



『僕に勇気がなかったんです。
だからちゃんと向き合えなかった。
でももう大丈夫です…だからまた僕と話をしてくれますか?』



〈秋……俺を許してくれるの?〉



『僕の方こそ…話を聞かなかった事…ニノさんは許してくれますか?』



〈っ!〉



『……』



…ギュ
〈…もう……秋の作ってくれたハンバーグないんだ…
俺の為に作ってくれていた…あのハンバーグ……〉



『…食べてくれたんですか?』



〈当たり前だよ……帰らない俺の為にあんな毎日作ってくれてたのを食べない訳ない…〉



『嬉しいです…』



〈…秋、話そう。ちゃんと話したい。
秋が嫌な事は考えてないし、絶対にしない…だから帰ってきて……〉









…やっぱり惺史の言った通りだね……


ニノさんは僕の嫌がる事なんて最初から無理強いする人じゃなかった…










『…はい、ニノさん……ハンバーグ作りますね。』



〈秋……お帰り。〉



『はい。』



ガシッ!
〈ぐっ……〉



《虹也~💢》



〈…ちょっと!
なんで俺を秋から引き離そうとしてるんですか!〉



《当然だろうが💢
アキは俺のなんだよ!それなのになんでお前が“帰ろう”とか言うんだよ!
それは俺の台詞だ!》



〈…図々しい。〉



《何がだよ!
いいからお前はアキから離れてさっさとあのエロ医者の所にでも戻りやがれ!》



〈じゃあ秋と一緒に行きます。
ほら、秋行こう。〉



《違ぇ!!》










……フフ。

このやり取りを聞いてると落ち着いてくるんだから不思議だなぁ…




あ、不思議といえば…惺史は今……









_スッ
〖お楽しみの所、失礼。〗



《ぬあっ!?》



『あ、成瀬先生……』



〈成瀬先生。今日は散歩コースを教えて頂きありがとうございました。〉



〖いいえ。〗









散歩コース?という事は……









『成瀬先生がここを…?』



〖家を留守にしますから、私達の行き先を伝えただけです。
またどこぞの誰かさんみたいに、家の前で騒がれると非常に迷惑しますから。〗



《 ギクゥ!》









…桃井さん……小刻みに震えてる……









〖小野君。
どうやら散歩は終わりのようですね。〗



『…成瀬先生……本当にありがとうございました。
それと、お世話になりました。』



〖いいえ。私はご一緒できて楽しかったですよ。
それにまたいつでも誘って下さい。
ゆっくり歩くことも、時には立ち止まる事も散歩の楽しみの1つですからね。〗



『…また……お邪魔してもいいんですか?』



〖是非。小野君だけならいつでも歓迎しますよ。〗



《……ガクッ…》









…桃井さん…以外ならいいって事かな…?










〖それに、小野君とは近々またお会いしなくてはいけませんしね。〗



『…え?』



〖“御礼”の件ですよ。〗



『あ!』









そうだった!

その事で僕と連絡が取れなくてあの日マンションまで来てくれてたんだった…


それなのに忘れてた……









『すみません!すっかり忘れてて…』



〖構いませんよ。
それよりも優先すべき大事な事が小野君にはあっただけですから。
それに、物は既に全てこちらで揃えましたのであとは小野君に手渡して頂くだけですから。〗



『っ!…そこまでして下さっていたんですか?』



〖はい。私は小野君の弁護士です。
小野君の為になら何でもしますよ。
ですから、勝手に住所を調べ“俺の恋人に会わせろ”と朝早くから押し掛ける人を追い返す事もします。
私は“小野君の”…弁護士ですから。〗



《ビクゥ!!》



〖まあ、それなりに覚悟をもっていらっしゃったのでしょうから、どんな仕返しをしてやろうかと今から楽しみではありますけどね。
…ね、桃井さん?〗



《ビク ビクゥ!!》









…ああ、桃井さんが………









〈それはそれは。
どうぞ手厳しくよろしくお願いします。〉



〖分かりました。〗



《ちょっ!おい虹也!お前はなにお願いしてんだ!》



〈え?何の事ですか?〉



《しらばっくれんな!》



〈ちょっと…成瀬先生の前でそんな煩くしていいんですか?〉



《なっ!》



〖そうですね。
耳障りは……とても不愉快な気持ちになりますね。〗



《っ!!?大変申し訳ありませんでした!》










…桃井さん……本当に成瀬先生が怖いんだな……










〖ああ、こんなに長く話してしまいすみません。
小野君、では私達はこれで失礼します。〗



『…え?』









…あ、そうか……


桃井さん達が迎えにきてくれたんだから、僕は桃井さん達の車に乗って帰るんだ…




そうだよね…




でも、なんか寂しいと思ってしまう……


もう絶対に会えない訳じゃないのに、そんな気分になってくる…












〈あ…今こっちに歩いてくる彼も成瀬先生のお知り合いですか?〉



『!』



〖ええそうです。では彼が来たので私達はこれで。〗



『ま、待って下さい!』



〈秋?どうしたの?〉



『成瀬先生…あの……桃井さん達に紹介してもいいですか?』



《は?》



〖…フフッ。
彼がいいと言うならいいのではないでしょうか。〗



『はい!』



《あ?おいアキ何を___ 》












僕は、僕達の横を軽く会釈をして通り過ぎようとしていた惺史の服を掴んだ。











『惺史待って!』



グッ!
【っ……】



『惺史!僕はまた会いんだ!その約束が欲しい!
だから僕と友達になって!』