※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





























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…僕は桃井さんが離れてくれてまたホッとしていた。





だって…

桃井さんが手で撫でる箇所や、唇を押し付けてくる場所が熱くてピリッとして、本当に僕の体がどうにかなっちゃうと思ったから……



だから僕はニノさんが来てくれて良かった…けど……






ソファーの下で倒れてる桃井さんは……










〈ったく。
ああ、はい秋これに腕を通そうか?〉



『…あ…自分で着れます…』



〈俺がしたいからいいの。〉



『…はい。』



〈なんかこういうのいいね。〉



『…あの、ニノさん…?』



〈んー?
次はこっちの腕ね。〉



『あ…はい……』



〈うん。それで何?〉



『あの…桃井さんは大丈夫ですか?』



ゲシッ
〈ああ、ここに転がってる人ね。〉











……あ、今度は踏まれてる。










〈大丈夫、大丈夫。
それにこの変態男は床に転がしてた方が秋の為でもあるしね。〉



『え…?』



〈え?だって冬司さんに触られて嫌だったでしょ?〉



『……え?』










嫌…ではなかったかな。

ただ、身体が変に反応して困ってはいたけど…











〈…え?秋…本気?〉



『……本気?』








何がだろう?









〈…それは……
でも、秋がそう思ってるなら俺は見守るしかないけど…
でもなぁ…?相手がコレだし、秋が毒される所なんて見たくないし……










…えっと……ニノさん?

また思ってる事が勝手に口から出てるの?






でも、僕に服を着せてくれて毛布も上から掛けてくれた。


そして、髪の毛も直してくれたんだけど……やっぱり僕は見えてない?









でも本人の意志が1番大事だし、こっちの人は今更聞かなくても好きなの明らかだし……
だけど…やっぱり躊躇いがあるんだよな…こんな冬司さんだしさ……
いや、でも待てよ?
意外とこの図々しい男がいれば秋の考えも…
そうだ!それがいいかも!
あの時も秋は冬司さんの声に反応してたし、なぜか素直に従ってた…
それにキスされてる時だって嫌がってる素振りは見せなかったし…?










っ!


…それって、桃井さんが僕にって事だよね?

それをニノさんにも見られてたって事だよね? 





そんな…そんな……











いや、でもあの時の秋は寝てるようなものだから抵抗しなきゃとかに意識はいってないか……










そうだとしてもニノさんに見られてたなんて…


恥ずかしい……












だけど秋のさっきの赤くなった顔は明らかに照れてる感じだった…
本当に嫌ならあんな反応はしないだろうし、受け入れてないならさっきこのソファーに押し倒されてる時も必死に抵抗しただろうけど…それは感じなかったよな?
っていう事は、やっぱり秋は冬司さんの事を少なからず好意をもってる…って事になるか…












…僕が桃井さんを好き?





……ニノさんは何言ってるんだろう?









僕が桃井さんと出逢ってまだほんの少ししか経ってない。

それなのに好き?




…そんな事、ある訳ないよ。








確かに、知り合ってからそんなに経ってないけど桃井さんの事はよく知ってるとは自分でも思う。



食べ物の好みだったり、趣味や休日の過ごし方。

服のブランドだったり、愛用している歯ブラシとかシャンプー。



あとは出身学校とか、どこの産婦人科医で産まれたかとか……






色々知ってるけどそれは全部、桃井さんが僕に質問する時に自分から話しをしてくれたから。

僕から聞いた訳じゃない。






ご飯を作るから好みや嫌いな物を聞けたのは助かったし、お風呂の準備もあるから湯船にちゃんと浸かる人かどうか聞けたのは良かったと思う…






…でも他は、日常に必要な情報じゃない。



必要じゃないから“そうですか”としか返してないのに……







どうして僕は桃井さんが愛用している歯みがき粉の銘柄を覚えているんだろう…?



どうして僕は、ニノさんのお家なのに桃井さんの好物を週に3日は作っているんだろう…?








それに、どうして僕は……







あんな事されて、“嫌じゃない”って思ったんだろう?









右腕は動かしにくいけど、左腕は動いていた。

それに足だって蹴るなり逃げるなり出来た。









でも、それを僕はしなかった……










《アキ…なんて綺麗なんだ……》










そう言われて、そんなの嘘だ!ってもう1度叫ぶ事ができなかった……












『だってこれを見て綺麗なんて言う人がいる訳_ 』



《ここにいるだろうよ?》



『!』



《アキの目の前にいるだろうよ。》












桃井さんが言った事は本当だったから……










それに桃井さんの声が、本当にそう思っているかのように優しかったんだ……

そして僕の肌を撫でる桃井さんの手が、優しいのに、そっと触れる感じなのに、何度も確かめるように動いていたんだ……









ライトの下で見られるなんて僕には耐えられないはずだった……

間近で見られるなんて嫌なはずだった……


それでも僕は桃井さんと視線が合ってからも目をそらさなかった。





僕の体をゆっくりソファーに横にされて桃井さんが僕に跨がるような格好になっても、下から這い出ようとは思わなかった。








だって、僕が見上げていたのは桃井さんだったから……












『っ!』












…嘘……これって………


ニノさんが独り言で言った通り、僕が桃井さんを好きになってしまったって事…?







…違う!

そんな訳ない!





だって知り合って間もないのに…こんな………こんな…










ツン…

『…え?』










僕の背中に掛けられている毛布が引っ張られた。


その引っ張られた先に目線を落とすと、そこにはニヤニヤと笑っているように見える桃井さんがソファーにいる僕を床から見上げていた…









『!』



ニヤッ
《どうやらその顔は、起きてる時にも自分の気持ちを自覚したみたいだな。
アキ、お前はもう俺に堕ちてるんだからさっさと俺の傍にくればいいんだよ。》



『っ!』



《そしてさっさと俺の下で、堪んなく綺麗でエロい身体と可愛い顔を見せろよ。
ま、こうしてアキを見上げんのも悪くねぇけど、それはやっぱり俺に跨がった時に見たいからな。クク
お?アキの生足発見。
こっちの感度も確かめてみないとな?》





スリ…


『!』










そう言って僕のズボンの裾から桃井さんは手をいれてきた…


だから思わず……








ゲシッ…

《ぶっ!》











僕は桃井さんのニヤニヤしている顔に足を出してしまった……










俺はアキを応援するべきか、それとも嫌だという心に従って冬司さんから遠ざけるべきか___って、え!?
秋何してるの!?でもナイスだよ秋!〉













…桃井さんごめんなさい……


足を顔に…なんて、本当にひどい事をしてごめんなさい……






でも、お願いだから今は僕に触らないで…

そして僕をそんな顔で見ないで…








触られた所が熱くて恥ずかしくて……



僕がどうにかなっちゃうよ……