※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





























.•*¨*•.¸¸♬







波多野先生は、2年前にあんなに迷惑をかけたっていうのにまた僕を診てくれるという…。


“その為に来たんですよ”と笑って言ってくれるけど、僕はなんて言っていいか分からなかった…







だって僕はお医者さんにそんな事を言ってもらえるはずない…


人の命を救うお医者さんにとって、僕がしようとした事はきっと許して貰えない事だろうから……










だから、熱を計られながら“何か思い悩んでる事はないですか?”と聞かれた質問にも答えられなかった…














「うん、そうですよね。
自分が分からない事は答えようがないですよね。」



『……』



「僕だって急に言われても言えませんよ。
まあ、僕の場合は悩んでる問題が多すぎてどれか1つになんて絞れないんですけどね?クフフ。
あ、熱なかったね良かった。
でもまだ少し顔が赤いから、何かおかしいなと感じたら直ぐに言って下さいね。」



『……』



「えっとじゃあ次は…」



ギュウ
『……。』



《なんだよ?》



「…あの、そこから退いてもらえませんか?
秋人君の身体を見たいので。」



《おい!それムカつくぞ!
俺だってアキにそんなエロい言葉まだ言った事ないのに___ 》



ベシッ
〈お医者さんに何エロいとか言ってるんですか!
それも“まだ”ってなんですか!〉



《これから言うからに決まってるだろう!
アキに“目の前で服を脱げ”と言うのも俺!
“脚を開いてみせろ”というのもこの俺だけ___ 》



バシッ!
《がっ…》



〈黙りなさいよ!〉



《…いへぇ………なにふんだよ!したかんははねぇは!》注:痛ぇ…何すんだよ!舌噛んだじゃねぇか!




〈はいはい、舌噛んだから何言ってるか分かりません。〉




《わはってふはねぇは!》注:分かってんじゃねぇか!




〈だから分かりませんって。
あ、波多野先生すみませんでした。
この人は俺が押さえてますので秋をどうぞ診て下さい。〉




ジタバタ
《みんはねぇ!!》注:見んじゃねぇ!




〈はいはい、ちょっと黙りましょうね。
こんな人と従兄弟なんて俺が恥ずかしくて仕方ありませんから。〉



《💢!》



「では診させて頂きます。
あ、卓巳先生ですよ…虹也君。」



《え?…ああ、そうでしたね卓巳先生。》



「はい♪」



《💢!!ほの!えほいひゃ!》注:この!エロ医者!



「クフフ。
僕も男ですからそれは当たってます。
でもちゃんと真面目な町医者でもありますからご心配なく!」



《っ💢💢!》














ニノさんによって桃井さんの腕が僕から離れた。



さっきまで熱かったくらいなのに、今はなんだかスースーしてる…







桃井さんの腕の中……

大人の男の人って感じの香水のいい匂いがしてたな…








……って、僕、なに考えてるんだろ!



違う違う!

今はそんな事を考えてる場合じゃなくて!












……でも、あの桃井さんの唇…








本当に記憶にないけど、だけどあの唇の感触は……













「お~い、秋人君?」



ビクッ!
『は、はい!』



「えっと…ごめんね?
でも、身体診たいから服脱いでもらってもいいかな?」











あ、そうだ。

今は波多野先生が僕の体を診たいって言われてたんだった……



でも…服……











「ここに、虹也君に毛布も用意してもらいました。
診察室だと2人っきりだけど、今日は違っててすみません。」













…先生に気を使わせてしまった……







大丈夫…だよね……


波多野先生はお医者さんだし、ニノさんはお風呂場で僕が寝ちゃった時に全身見てる。



ただ桃井さんは……








バサッ

『ぁ……』



「うん。これで隠してパーテーション替わりにしますね。」











波多野先生は僕の背中側に毛布を広げてくれてそちら側にいる2人からは見えないようにしてくれた。













《あ!なんで隠__ 》


ペチ
〈はい黙って。〉



ふごふご…













…これなら……うん。




僕は服を脱いだ。

すると波多野先生が背中に毛布を掛けてくれてた…











「寒くはないですか?」



『…はい。』




「良かった。
えっとじゃあ診せて下さいね。
皮膚の方は…ああ、これはひきつれ辛いだろうね。
うん、やはりこれは手術が必要ですね。」



『……』



「こっちの方は想定内なので、大丈夫ですよ。
病院に…あ、附属病院の方に古牧先生という研究大好きな医者がいましてね?
その先生が色々と実験…いや、秋人君にいい治療方を考えてくれていますので是非病院に僕と一緒に行きましょう。
ちゃんと創傷外科専門の医者もいますのでこれからの事とか話もできますから。」



『……』



「…でもね秋人君。
こちらの治療は少し遅らせても僕は大丈夫だと判断しました。
あ、でもほんの少しですよ?
関節を伸ばすのに支障をきたしてますから早く手術をする事を薦めます。
けど…」



『……』



「何をするにもその時に体調が万全でなければなりません。
だから僕が先に治療しなければならないのは秋人君のその不安そうな顔の方です。
僕になんでも聞いて下さい。
これからの事でもなんでも。
そしてその不安な顔を取り払いましょう!
僕は秋人君といっぱい話がしたいですよ♪」












波多野先生はずっと黙っていたのに、そう言って僕に笑顔を向けてくれた。


そして…











「今日の所はこれで帰ります。
あと、これをどうぞ。
今日からはあの薬ではなくこのお茶を寝る前に飲むようにしてみて下さいね?
一応、診察予約は3日後の午後にいれておきます。
できれば僕の医院でお話ししたいですけど、どうするかは秋人君が決めて下さい。
あ、あとこれは僕の連絡先です。
こっちは24時間いつでも話ができますから、もし気が向いたらかけてきて下さいね♪」













僕に渡した紙と同じ物をニノさんにも渡して桃井さんに怒鳴られながらも、僕に“また会いましょう”と笑って言った波多野先生はニノさんに見送られながら帰っていった。





僕は先生に“さようなら”しか言わなかった……









僕はなんて最低なんだろ…

あんなに親身になって話してくれたのに、さようならだけで済ませてしまうなんて……










でも、何も言い出せなかったんだ……


僕が今思ってる事を言ったら、波多野先生に相談したというニノさんをガッカリさせてしまうと思ったから…





そして、医者である波多野先生を怒らせてしまうと思ったから……













“手術はしません”

“良くなる未来を僕は望んでいないから”







……それが今、僕の思っている事…













もしこの先、まだ生きていようと思えたとしても別に右手が使えなくても問題ない。

不便かもしれないけど、痛みはずっとあるのかもしれないけど、手術なんてそんな事を僕にしてもらわなくてもいい…






波多野先生達も、僕なんかより他にもっと苦しんでいる人を診た方がきっといい。

生きたいと願い苦しんでいる患者さん達の方を…











僕が前に手術をしようと考えたのは、夏さんが何度も言ってきたからだった…。


夏さんが、泣きそうな…怒ったようなそんな何とも言えない顔で “春…俺の為に頼むよ” とそう言ったから……







でも…

もうそんな事を言う夏さんは……















《なぁ、俺にも見せろよ。》



『ビクッ!』










……桃井さん…?



波多野先生がニノさんに何かしないようにと、一緒にマンションの下まで見送り行ったと思っていた……









《お。やっぱりまだ服着てねぇじゃん。
な?いいだろ?》










…服?


そういえばまだ毛布にくるまったままだった…





え?

じゃあ桃井さんが“見せろ”って言ってるのは……










『っ!……いや…』



《なんでたよ?
波多野には見せたのに俺には駄目だって言うのか?》










だって波多野先生はお医者さんで、桃井さんは……




桃井さんは……なんだろう…?












グィッ
『!』



《駄目なんて…俺には言わねぇよな?》













嫌だ…こんな醜いモノを桃井さんには見せたくない!












《前は服の間からチラッとしか見れなかったんだよ。だから…な?》



『ゃっ…こっちはダメ!』












僕はずれ落ちる毛布を何とか押さえて右側だけは隠していた。












《…じゃあなにか?
半分は綺麗で見てもいいけど、もう半分は汚いから見るなとでも言いたいのか?》










だって実際にそうなんだ!



火傷の痕は僕の右側にばかりある。

左半分は何ともないんだから。






……自分の左側を自分で羨むくらいになんだ。



そしてこの痕がある右側を憎いとも思う程に……













スリ…

《馬鹿だな…どっちもアキなんだから綺麗に決まっている。》



『っ!そんなの嘘です!』



《なんでだよ。》



『だってこれを見て綺麗なんて言う人がいる訳__ 』



《ここにいるだろうよ?》



『!』



《アキの目の前にいるだろうよ。》











…そんなの……嘘だ……













《信じられないってか?
ま、そうなるわな。見てもいないのに勝手な事を言うなってな。だから……》




バサッ!

『あ!』



《ちゃんと見せろよ。そして俺に言わせろ。》













桃井さんに勢いよく毛布を取り上げられた。



僕は顕になってしまった右側を必死に隠した。






でもその丸めた僕の背中を桃井さんは撫でた。











スッ…
《アキ…驚いた……》



『っ……』










……ほら…やっぱり………僕の身体は……













《なんて綺麗なんだ。
まるで花が身体に咲いてるみたいに色づいてる。
こんなに美しいなんてやっぱり見て良かった…》



『え!?』



《チュッ…》



『ひぁっ!』










な、なに今の…


一瞬、弱い電気が流れたみたいにピリッてした……






僕は驚いて思わず背中を反って桃井さんを見た。











《…ここ、この痕の部分が敏感になってるのか?》



『…え?』



《マジかよ…本当に堪んねぇ…》



『え?……え?』



《その上これ……》









これ?










《こんなピンク色した可憐な蕾を2つも俺に見せつけるなんて…
アキ、お前は俺を萌え死にさせる気か?
それともこれは俺に舐めていいというお誘いか?》



『…え?』



《ああ、やっぱり堪らないな。
この身体に咲く花も、咲いていないこっちの白い肌も俺を魅了して堪らない。
そうだ。
この際だからもう1つある蕾の方も俺に見せてくれるか?ついでに味見も___ 》



『あ…』



《あ?》









…ニノさん……













バシッ! 

《!》





ゲシッ!  ゲシッ!!  ゲシッ!!!






《っ!ちょ…おい!無言で俺を蹴るなよ虹也!》



〈黙れこの変態!
俺が卓巳先生を送って行ってる隙に秋に何してんだよ!
というか何いやらしい事真顔で言ってんだよ!〉




ゲシッ!!

《痛ぇって!あ!つうかお前今の“卓巳先生”ってなんだよ!
俺は許さないぞ!》



〈そんな事今は関係ないでしょうが!〉



《大有りだ!
俺はアキも虹也もあの波多野に渡す気はねぇ!》



〈寝言は寝て言え!〉



《寝て言ったらお前はその通りにするんだな?
よし、いいだろう!じゃあ寝ようじゃねぇか!
という事だからアキ、俺と一緒にベッドへ___ 》



〈💢!!〉





ドカッ!


《ぐはっ!》




〈あんたは一生1人で寝てやがれ!この変態迷惑男が💢!〉