※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































どんな4人だと思う?って言われても、僕が考えられるのはあの4人だけだし、それ以外にちょっとうるさい4人組なんて……



でも…まさかね?











〘フフ。その4人で当たったるよ。
サトが何処にいるか探してるらしい。〙



『マジ?』



〘クスクス。うん、マジ。
あのさサト?その帽子に気付いてた?〙



『帽子?』



〘カメラついてる。〙



『!』








そんな訳は…と思って帽子を調べて見たら、本当についていた。

鍔の左側に物凄く小さい物が……





こんな細工ができるのは和だけだ…。










『…マジか。』



〘サトごめん。
俺、それ分かってたんだけど…たぶんさっきので壊しちゃったと思う。〙



『さっき?』



〘ピリッ…て電気走らなかった?〙



『あ!あった!』



〘うん、それ。
ごめん…俺のそういうのに影響しちゃうんだ。
スマホとかには影響しないようにって何とか改良できたけど、隠しカメラとか隠しマイクとか電波出してるやつは壊してしまうんだよ。
だから、サトにどんな影響が出るか分からなくて最初はしてなかったんだけど、渉羽君がちょっとうるさくて…
本当にごめん。〙











“俺の”って……この惺史を囲んでいる膜みたいなモノの事を言ってるんだよね?










〘弁償するから言って?〙



『…いや、いいよ。
そもそも僕のじゃない。
勝手にされた事だから弁償なんていらない。
寧ろ、ちょっと怒ってる。』



〘…でもサトに何かあった時の為でしょ?〙



『……』



〘だから、そのつけた人に聞いてみて?
本当に弁償するからさ。〙



『…弁償はいらない。
でも代わりに聞かせてほしい。』



〘え?〙




『…そもそもなんで分かったの?
4人組はそこに猫が教えてくれた?んだとしても、どうして僕と一緒にいるあの4人だって惺史は分かるの?
あとこんな僕でも気づかなかった小さいカメラにどうして気付けたの?
不思議な力を持ってるのは知ってるけど…惺史は何者なの?』



〘…それ聞いちゃう?〙



『聞いちゃう。
だって、色々と不思議すぎてなんか1つでも昇華しないと食欲がわかないっていうかさ…』



〘“消化”できなくなっちゃうから?〙



『うん……って、惺史笑い事じゃないんだけど?』



〘フフ。ごめんごめん。
うん…どう言ったらいいかな?〙



『なに言われても疑わないけど?』



〘…フフ。
じゃあ、俺、嘘がつけないんだ。〙



『…ん?嘘をつかないのはいい事…なんじゃないの?』



〘厄介だよ。
冗談は言えるけど、嘘をついて逃げる事はできないんだから。〙



『…惺史は今逃げたい?』



〘…フフ。
サトの事を綾ちゃんに呼びに言ってもらった時からその選択肢はないかな。〙



『…なんで?』



〘話を聞く、関わるって自分で決めた人には、俺は偽らないって決めているから。〙



『…それ以外の人間とは?』



〘話さない。〙



『…話さない?』



〘話すの苦手だし、疲れる。〙



『…じゃあ僕と話してる今も?』



〘サトは疲れない。〙



『へぇ?』



〘素で話せてるから。
あとは……似てると思うからかな。〙



『僕と惺史が似てる?あり得ないでしょ?』



〘どうして?〙



『だって僕は汚い。惺史は綺麗で__ 』



ムニ…
『!?』










…嘘…この僕が頬をつねれるまで気付かなかったなんて……












〘意外と柔らかいね…フフ。〙



『…な、に?』



〘同じだって。
俺だって大切なモノを守る為ならなんだってする。
例えこの手で愛しい人達を抱きしめられなくなっても。
…ううん、もうしているらしい。
だから俺には小さい頃の記憶が何一つ無いから。〙



『!』



〘でもそこはサトと一緒じゃないね。
俺は望んで対価として記憶を渡したらしいから。
だけど他の所はサトと話してて似てるなって思った。〙



『……』



〘…サト、俺がサトに言った事……あれは俺の事でもあるんだ。〙



『…え?』



〘俺も…昔は機械だったと思う。
言われた通りに絵を描いて、言われた通りに……っ…〙










惺史…?










〘……〙



『惺史どうした?』



〘…あ、うん。
俺は…人が嫌いだったんだ。そして自分の事も。
だけど、こんな俺を好きだと言ってくれた人がいた。
俺が守るべき愛する子を見つけられた。
だから俺は今を大切にしようと思った。
大切な人達がいるこの時を生きようと…〙



『……』



〘俺はそう決めたけど、時々やっぱり迷う事もある。
でもそういう時は空を見たりする。
ただボーっと眺めていると、声がするんだ。〙



『…声?』



〘“今日は天気がいいね” とか“ お日さまこんにちは” とか…フフ。
とても優しい声がするんだ。
だから俺は自分の居場所を再確認できる。〙



『……』



〘サトもきっと大丈夫。
迷う事があってもサトにもその声は聞こえてくる。
その声を聞いたら……〙



『惺史?聞いたらなに?』



〘…フフ。
サト、耳をすませて?〙



『ん?』










ゴソゴソ

「おい、押すなって!」
「痛えな!足踏んだの誰だよ!」
「うわ~猫多いね~」
「ちょっと静かにして下さいよ!」












カタッ
『!』



〘フフ。ほら、サトは気になって4人の声のする所に行きたくなったでしょ?〙



『あ……』



〘だからサトは迷っても大丈夫だよ。
あの4人がいる場所にサトは自分で歩いていけるんだから。〙



『…惺史……』



〘後方80m先のレンガの花壇の陰にいるね。
ちょっとうるさいから皆が警戒してる。もう少しで怒りだすかも。〙



『!』



〘クスクス。〙



『…惺史、また会おう。』



〘それは決まってるの?〙



『会いたいから今決めた。』



〘フフ。
サト達が調べたら俺が何処にいるかなんて直ぐ分かるんだろうね。〙



『要注意人物2人にバレないように会いに行く。』



〘クスクス。楽しみにしてる。
あ、そうだ。〙



『?』



〘サトは俺が“何者”か聞いたよね?〙












あ、そうだった…忘れる所だった。












〘俺は人間……だけど人間じゃないよ。〙



『……惺史は、僕がご飯を食べれなくなってもいいの?』



〘クスクス。
でも俺は嘘はつけないから。〙



『…う……そうだった。』



〘俺が何者かはサトが決めてよ。
サトの目に俺はどんな風に映ってる?〙










そうきたか…











『……じゃあそれ宿題にする。』



〘…え?〙



『今度会う時までの僕の宿題。
答えを持ってくるから、惺史はちゃんと僕と会ってよね!』



〘…フッ…アハハ♪
うん、じゃあ楽しみにしてるよ。
またね、サト。〙



『またね惺史。』













僕は惺史に手を振った。



ベンチの向こうで遊んでいたショウ達も、僕が行く事に気付いてくれたみたいで手を振ってくれたから、振り返した。


あのマソラと呼ばれていた黒猫とも今度遊べるといいな…と思いながら。













後方80m、花壇の裏…









「「「「あ……」」」」










…本当にいたよ。

揃いもそろって“しまった”という顔をした4人がね。










『…帽子にカメラって……』



「「「「……」」」」



『…ま、いいよ。4人に会いたかったし。
あのさ、海寧のプレゼント決めたから一緒に買いに行こう?』



「っ!」
「どうしたんだ?」
「一緒に行っていいの?」
「何があったんです?」



『…一緒にいたくなったの。』



「「「「!!!!」」」」



『…で、行く?』



「「「「行く!」」」」



『あ!ここでは静かにしないとダメだから!』



「「「「え?」」」」











だって静かにしないと…







ニャー







ほら、折角いい人間って言ってくれたのに僕までこの公園に出禁になったら嫌だからさ。


















その後、僕達は5人で買い物をした。


やっぱり4人がいると、車を出してくれたり専門店を調べてくれたり、包丁を作ってる職人の人に連絡をとってくれたりとやる事が早くて、あんなに悩んだのに2時間で全てが揃っていた。


…やっぱり、1人より5人だよね。
















そして、11月26日…













「「「「『お誕生日おめでとう!』」」」」













海寧に誕生日プレゼントを渡した。


“どうして欲しいと思っていたのが分かったの” そう言って凄く喜んでくれた。







でも……



…また、謎が増えたよ。






だって、そのプレゼントのヒントをくれたのは惺史だから。





宿題の謎もまだ解けてないっていうのにさ…ハァ。












この冬になる時期は海寧達の家で暮らしているから、僕達もパーティーに加わっていた。


そのパーティーもそろそろ終わりかな…と、思ってテラスにいる時、この家で働いている人が僕に声をかけてきた。











「失礼致します、益子様。」



『ん?』



「益子様にお荷物が届いております。」



『僕に荷物?』











…おかしい。

僕はネットで注文なんてしていないし、そもそも偽名である“益子宛に”この家に荷物が届くはずがないんだ。





僕は警戒した。


なんなら、この家からそこの荷物を持って離れる最短のルートを頭の中に思い浮かべていた。












『…伝票には誰からと書かれてる?』



「申し訳ありません。
直接承ったので伝票はありません。」










余計怪しくなった。

でも、これを受け取らないとこの男の身が危険になるかもしれないと思ってそっと手を伸ばすと…










「ただ、名乗られた方は“綾野様”と仰います。
名刺も頂きましたので身元は確かで御座います。」



『!』













綾野って……あの惺史の付き人してる…あの綾野?