※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~



































その組織でのコードネームをなんで………




あの時は死角にいたし、顔を隠していたから見られていないはず。





そもそも、あの場にいたのは僕だけじゃない。

実働班が4人。サポートが4人。


それでも皆、ある一定の距離からこの人に近づけない、見えない壁みたいな物に阻まれていた。


だから、僕だと分かるはずは……








あ!


…そうだった……この人の弁護士はあの成瀬だったんだ。


そしてあの弁護士は姫乃と繋がっている。





ならその情報を持っていてもおかしくはない。





……最強タッグすぎるんだよな、あそこの2人は。










『…ごめん。』



〘なにが?〙









初めてと嘘ついた事とか、過去の事とか…なんか諸々…










スクッ
『ごめんなさい…。』









過去にした事を考えると、僕はこんな風にこの人の前に出てきてはいけない奴だったんだ。


…あの時の、この人の脅える顔を思い出したし…











『ごめんなさい。もうアナタの前には現れないから…』











早く此処を立ち去らないと…










〘なんで?〙



『…え?』



〘俺、別にあなたの顔を見たくないとか言ってないけど?〙



『っ!』



〘確かに、2人からは貴方の事を聞かされてはいるよ。
成瀬さんは特に、俺が狙われた時の事を覚えているから貴方を良くは思っていない。〙









…ほら、だから……










〘でもだからって俺は、どうしようもなかった貴方を責める気なんてないよ。〙



『!』



〘組織の命令でそうするしかなかった貴方を誰が責められるの?〙



『っ……』









…命令……確かにそうだった。

でも僕は逆らえなかったんじゃない……僕は……










『…違う。
僕は逆らえなかったんじゃなくて、逆らわなかったんだ。』



〘……〙



『命令に疑問なんてもたなかった。
依頼を遂行するだけ…“何故”とかは考えてなかった。』



〘……〙



『…これまでしてきた悪事を説明される対象者もいた。
“こういう事をした。だから苦しませろ” それが依頼だからって言われても、僕の頭の中では既にどの手段を使うかとか時間は何分必要かとか…そんな事ばかり。
逆らう気なんてなくて、早く終わらせる事ばかり考えてた…』



〘……〙



『だから僕にはアナタにそう言ってもらえる資格なんてない…』











アナタへの依頼は、生きたまま捕縛する事だった。



組織が手を引いたからアナタは今こうして無事でいる。

もし、あのまま引かずにいたらアナタは死んでいなくてもどうなっていたか分からない。







アナタの絵で泣いて喜んでいた海寧だってきっと見れなかったはず…










だから、そんな事をする所だった僕はこの人の前に__










〘ねぇ知ってる?
俺はその後3回はそういう事があったよ。〙



『!?』



〘あなた達だけじゃなかった。
だから俺はあなたを責めるなら、他の何人もの人を責めなきゃならなくなる。〙



『……』



〘正直、そんなの面倒なんだよね。
だからしたくない。〙



『…え?』



〘面倒な事はしたくないの。分かる?〙



『…そんな理由?』



〘そんな理由。〙










…そんな…理由でいいの?











〘分かったなら、立ってないで早く座って。
じゃないと3人が心配してしまうから。〙











あ…そうか心配。



ん?3人?


……あそこには睨んでる人が1人と、綾野という人…あと1人は何処だ?



…?







ストン…


〘…フッ。〙



『…なに?』



〘思ってた人と違うなって思っただけ。〙



『…僕が?』



〘他に誰がいるの?〙



『…僕もアナタをそう思うけど?
海寧から聞く話とは雰囲気が違うっていうか…。』



〘ああ……あれは俺じゃなくて天ノ御空で話してるから。〙



『え?二重人格なの?』



〘っ!……フッ。〙



『?』



〘…本当に面白い人だねあなたって。〙



『え?違うの?
人間ってそういう人がいたりするよね?』



〘…いるもしれないけど、俺は違うね。
丁寧に話す時と、今みたいな素で話す俺がいるって感じ。
海寧君も仕事の時とかそうしてない?〙



『ああ、成る程。
分かった勉強になったありがとう。』



〘…どういたしまして。
ま、そもそも俺は人間でもないんだろうけどね。〙



『え?』











それってどういう事?

人間にしか見えないんだけど……僕と何か違う?







ジー

……やっぱり造りは同じじゃない?










〘…ねぇ、純真って言われない?〙



『僕?』



〘うん。〙



『言われない。』



〘そう?〙



『だって僕は危ない奴だから言われる訳ない。
それに汚れまくりだから、逆にそんな風に言う人がいたらおかしいよ。』



〘……〙



『ん?どうしたの?』



〘…いや……〙



『?』



〘…うん、なんとなく分かったかな。〙



『え?何が?』



〘いや、こっちの話し…。
それで、俺に何を聞きたいの?〙













え?またそこに戻るの?

僕、用がある訳じゃなくてほんとに“なんとなく”後をつけて来ちゃっただけだから、そう改まって聞かれても困るんだけど…




でもどうしよう?


そういうの聞いて、“ありがとう”って言って直ぐ帰るのが1番いいよね、たぶん……





聞きたい事…聞きたい事……





あ!










『じゃあ!海寧へのプレゼント何がいいかな?』



〘……は?〙












…え?

僕、何か間違った事言った?





ちゃんと質問になってたよね…?