※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





























~No.2~





ベシベシ…




……あん?





ベシベジ…






……何だよ……誰だよ人が寝てるっていうのに……






バシッ!







……絶対に、海じゃない事だけは分かった。








《……》



【お、やっと起きた。】







サト…かよ。








《…何だよ。何してんだよ。》



【それはこっちの台詞なんだけど?】








はぁ?

こっちの台詞って何だよ💢



明らかに夜明け前の空じゃねぇか。



そんな時間帯に起こされて俺がどれだけ………






あ?………なんで空が?







ガバッ!

《!?》



【だから言ったじゃん。
こんな所で1人テントから離れて寝て…何してんの陸都?】








はぁぁぁ!?何でだ!?



昨日は誰だったかが5人で寝るとか言い出して、2つあるテントの内1つに“きつい”と言いながらも一緒に横になったんだ。



海が楽しいって言って許可したもんだから、仕方なく…本当に仕方なく俺も了承してやった。







俺だって何でだか知りたい!






海を真ん中に右隣は確保していた。

左隣には伊吹が、そして海の頭の上には大河が…澄岳は入り口から1番奥の伊吹の隣に寝ていたはず。




俺は入り口側…

確かにテントから出やすい位置にはいた。





だが…





こんなにテントから離れてるのは何故だ?


10mはあるよな…?








《…なんで俺はここにいるんだよ……》



【…本人でもそう思うんだ。】



「説明しましょうか?」



《は…?》









サトだけしか気にしていなかったら、俺の後ろにはシュウジが立っていた。







「…よいしょっと。」







よいしょ…?


随分おっさん臭くなってるが…?







「…ああ、すみませんね。
筋肉痛をまだ少し引きずってましてね。」



《…運動か?》



「いえ、鬼みたいな子に強制筋トレをさせられまして。」



《……は?》



【シュウジは筋トレ。
アキラはアプリで問題集100問の解答。
ノゾムはゴルゴンゾーラのパスタ作り。
ユキオは1人でパクチーの旨辛鍋を作って必ず完食する事。】



《あ?》








なんだ、それ?

筋トレに問題を解くのと、パスタに鍋?



それが何だって言うんだ?








【悪さしたから当然の罰らしいよ。】



《悪さ?…何したんだ?》



「ギクッ…
ま、まぁ…それはいいじゃないですか。
それで、陸都君がここにいる理由ですが…」








…話をそらしたな。









「今日の見守り隊の活動は私達2人なので、カメラで見てましたけど…」








…まぁ、見てるだろうとは思っていたから驚かないな。


テントの方を向いてるカメラが3個はあるからな。







「陸都君、あなた寝相悪いですよね。」



《…ああ。》



「それに加えて今日は大河君が大暴れでした。」



《はあ?》



「先ず、寝返りをうった君は海寧ちゃんとの間に隙が少しでました。
その間に大河君の足が割り込んできました。」



《大河の足?》



「はい。
で、その足に陸都君、君蹴られてます。」



《!》



「それでテントから転げでたんですね。
狭いからと入り口を締め切ってなかったみたいですからね。
その後、寝惚けていたのか君は何かを探す動きをして、この丸太にたどり着きました。」








…丸太って俺の隣にあるこれか?


これは食事の時に座ったりしてたやつだが……




俺は寝惚けながらこいつを探したって事か?


何故だ?








「それはそれは気持ち悪い動きでした……ええ。
でも丸太に抱きついて落ち着いたみたいでそのまま此処で寝てしまいました。」







…こいつに抱きついた?







【これさ、映像じゃ分からなかったけど…こうやって直接見ると海寧のウエスト並みに細いんだね。】



《!》



「ああ、成る程。
そういう事ですか。だから陸都君はこれを抱き締めて落ち着いた訳ですか。
…丸太ですけど。フフ」








そういう事か!

海を抱き締めた時とこの丸太が……






《って!海はもっと柔らかいだろうが!》



【…自分で自分にツッコミいれてるけど、そうしたのは陸都だから。
というかさもう、早く皆を起こしてきてくれない?】



《……は?》



「ああ、そうでした。
急がないと日が昇ってしまいますね。」



《……は?》



【この島で夕陽は沢山見ただろ?
見てないのは朝日。だから皆で見に行くの。最後なんだしさ。
だから、早く動いてくれない?】







……朝日を見に行く?

それこそ何でだ?








【お~い?】



「駄目ですね。
サト、こういう時は……」



【ん?】



「陸都君、いいんですか?」



《あ?》



「…今、海寧ちゃんの隣で寝てるのは伊吹君と__ 」



《あっ!!》








大河ー!あいつー!!




バタバタバタ






【おお~流石。】



「それほどでも。」












シャッ!

《っ!起きろ大河ー!!》



[うげっ!]



〈ビクッ!〉
『ふぇ~?』
〔…うっせぇな💢〕







大河を海から引き離す事ばかり考えていたのに、気付けばサト達の思惑通りになっていた。








【おはよう。
じゃあ早速行くよ?】



「皆で朝日を見に行きましょう。」













東の海岸に歩き、10分後に見た昇ってくる朝日…。



俺にはこれを見る意味が分からなかった。

海と何度も2人で見た事があって珍しくもなかったからだ。






だが、3人は違った…。




言葉を発すること無く、ただ色が変わる海と空を見ていた。






さっきまで言っていた眠いという文句も出ず、息づかいすら分からない程にただ静かに……







キュッ

『♪』







そうだな海。

俺には分からない時はお前の顔を見ればいいんだよな。



お前が笑っているという事は、サト達が考えてくれたこれが正解なんだって分かるからな…。









朝陽が昇ると、漸く3人が動き出した。

その顔を見ると、やはり正解だったみたいだ。











テントに戻り朝食は何にするか…と話し合っていると、柳田さん達がサンドイッチと卵スープを持って来てくれた。


2日連続で夕食をご馳走になったお礼だと言って。









朝食を食べ終わると、今度はサトが“特製キーマカレーを作ってあげるから、昼食は気にしないで”と言ってくれたから俺達はテントなどの片付けに専念出来た。







昼食は、サトと海寧用に特別に作られたというカレーが気になった3人が口にして水をがぶ飲みする羽目になっていた。




俺は勿論その激辛具合を知っているから食べなかったが、何故かダメージを喰らっているユキオ達3人と一緒にソファーに横になっていた。


あの罰…というやつが関係しているのか?






もしかしてシュウジが言ってた“鬼みたいな”って言うのは……


まあ、いいか。












そして午後3時…


俺達が島を離れる時間が来た。




来る時はヘリで来た伊吹と澄岳だったが、帰りは絶対にクルーザーに乗ると言い出した。



“5人の旅行ですから” そういう伊吹に皆心配したが、シュウジからよく効く酔い止めを貰ったから大丈夫だと言うから仕方なく納得したという所だ。









20人は乗れるクルーザー。


操縦がサトなのは分かるが、何故か4人も向こうに送り届けるのだと俺達の荷物をそれぞれに持ちながら付いてきていた。





だが、クルーザーに乗る前に…







【はい。
じゃあ皆、乗船券を出して。】












……は?


乗船券って…何だ?