※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
~No.3~
[なんでかな~?]
〈…なんででしょうね?〉
[どうしてかな~?]
〔どうして…だろうな…〕
[何を間違ったのかな~?]
《……どこかだろうな。》
[俺だけなんてさぁ~]
ガバ!
『トラ~♪』
ゴンッ!
〈あ…〉
〔あ…〕
『…海、いい音したぞ。』
…うん、おでこがちょっと痛いよアーちゃん……
『いつまで机とキスしてるのぉ~♪
カフェに行こう?メロンの新作デザート今日からなんだから~♪』
美味しそう…でもね、アーちゃん。
俺、ちょっと今ショック受けてるんだよ。
このテスト結果の順位表を見ちゃったから…
学年ごと5教科で順位付けされてる方は問題ないよ?
5人とも満点できれいに上から並んでる。
でも、"特選科"だけが受けた3教科も合計した特選科だけの順位表…
どうして俺は9番目にいるんだろう。
アーちゃんとリッちゃんは二人とも満点で仲良く1番。
そして3番が794点のガッくん。
4番が791点のイブちゃん。
俺は777点……で9位。
微妙。
俺はどうしていつもこうなんだろ。
皆と違う…皆に並べない…皆には___
『トラ~?行こぉ~?』
[…アーちゃん…俺を置いてって?]
美味しそうだけど、こんな微妙な気持ちで食べれるか分からないからさ…
『え?嫌だよ?』
[…え?]
『トラがいなくて、僕は誰と美味しいね~って食べればいいの?』
[アーちゃん…]
『ね♪一緒に行こう?
あ、半分ずつ食べるぅ~?ンフッ♡』
それは………
[うん!食べる♪]
『じやあ行こ~♪』
〈…復活早いですね。〉
〔まぁ…大河だしな。〕
《………》
聞こえてるよ!
別に復活はしてないんだよ。
まだ落ち込んでるしね。
でも、やっぱりアーちゃんとは___
『トラ~凄いね~♪。
7が並ぶなんてなんかいい事おきそうだよね~♪
あ、新作スイーツが凄く美味しいとかかな~?
楽しみだね~トラ♪』
一緒にいたいんだよ。
本当に凄いと思ってくれてる顔で俺に笑いかけてくれる。
それだけで…こんなにも軽くなるんだから。
〈ちょっとそこ!先に行かないで下さい!〉
『イブも早くおいで~♪
トラの隣空いてるよ~ね~?フフッ♪』
うん、ありがとうアーちゃん。
カフェに到着した俺達を珍しい物でも見るかのような視線が気になった。
他のクラスは通常授業。
だからここにいるのはそれぞれの学年の特選科の人達だけなんだけど、それでも気になるくらいの視線。
ま、珍しいよね。
俺達は基本生徒会室にいるし、このカフェに食べ物を調達しにきたりもするけど5人では…って無かったから。
新作のメロンのデザート。
アーちゃんが来たと同時に中のシェフが嬉しそうに準備し始めた。
…ここのシェフは見てわかるようにアーちゃんファン。
だって、“お蕎麦食べたいね~”なんてアーちゃんがぽろっと言ってた事を話しただけで、ここには似つかわしくないような物でも“是非食べてみて下さい”って作っちゃうからね。
だからアーちゃんはあまりここには来ない。
いや、来させないようにしてるって言った方が正しいかな?
俺達4人のそういう勘は当たるし、そういう所は何も言わなくても意見が一致してるからね。
ほら、今だってリッちゃんとガッくんが取りにいってる。
アーちゃんが連絡していたみたいだけど、払うのはやっぱりリッちゃんなんだね。
デートに来たカップルじゃないんだから、俺だって払うのに……
ま、いっか。
こういう時はイブちゃんを見習って俺もご馳走になればいいだけだよね!
だって両隣に座った二人と一緒にいたいし♪
『今日の学食メニューなんだろう?』
〈海寧…あなたこれから甘い物食べようとしているのに学食が気になるんですか?〉
『え?ダメ?』
〈今食べたら絶対に食べれないくせになに言ってるんですか?〉
『だからじゃん♪
食べれないから想像してるだけ~』
〈…それならいいです。
それに、我々は学食には行きませしね。いや正確には“行けない”ですね。〉
イブちゃんが言うことは当たってる。
学食を提供している食堂。
この学園の食堂は凄く大きい。
そして噂には美味しいらしい。
部活をしてる人ように量が多い物や、安い物。
そして日替わりランチはワンコインで満足意外無い!って話し…。
気になるけど、俺達は行かない。
行きたいけど行けない。
だって特選科を面白く思わない人達も多いからね。
食事の時は結構注意が必要なんだよね。
椅子に座ってるから周りを囲まれる。
動線が狭い。
凶器にもなりえるお箸やフォーク、それに熱湯もある。
それに人が多いから何か混入させられるって可能性も…
俺達は小さい頃からそういう教育を受けてきたからだから“行けない”なんだよね。
このカフェはまだ俺達仕様に作られているからこうして座っていられるだけ。
あのシェフも、ウェイターも人物調査が済んでる人達だろうし、ここのガラス張りは防弾仕様ってのもイブちゃんが教えてくれたしね。
『分かってるけど食べてみたいよね~
日替わり定食っていうの♪』
アーちゃんは行きたそうだけど、きっと無理。
というか絶対に無理。
俺達4人がそれを許す訳ないもん。
…でも、アーちゃんが本気で隠密行動すると気づけないんだよね。
あのリッちゃんでさえ。
はぁ~本当に心配。
〈じゃあ身元調査した食堂のおばちゃんを個人で雇ったらどうですか?〉
『でも~大鍋?で作るから美味しいんだって~。
……あ!』
[…どうしたのアーちゃん?]
『エヘヘ♪』
[なに?]
〈大河やめなさい!
今、海寧はくだらない事を考えている顔をしています!〉
『くだらなくないよぉ~♪あのね___ 』
〈いいです!聞きたくないです!
嫌な予感しかししません!〉
[どうしたのイブちゃん?]
〈大河は黙ってて下さい!
それより!あれです、あれ!あの話しをしましょう!〉
『ぶぅ~』
〈こっちの方が大事ですからいいんです!〉
[よく分かんないけど、あれって何?]
〈今年の夏の旅行の事ですよ!〉
[あ!そっか!]
〈ね?こっちの方が大事でしょう?〉
[楽しみだよね~♪]
『ぶぅ~』
〈そんな口を尖らせないの!〉
うん!
本当に楽しみだったから早く話したいよ♪
アーちゃんが決まってるって言った所もずっと気になってたしね♪
やっぱり楽しい話をするのっていいよね~♪
カチャカチャ
〔…お待たせ。〕
ん?
あ!ガッ…くん…?
え?ガッくん?
それって……メロンのデザートっていうより、メロンそのままだよね?
〔海寧?本当にこれを頼んだんだよな?〕
『うん♪』
カタッ
《海、待たせた。》
『きたぁ~♡僕のメロン♪』
…え?
テーブルの上にはメロンが2つ…
『これね~中がくり貫いてあって層のケーキになってるんだってぇ~♡
美味しそうだよね~』
《海、飲み物は何がいい?
それに合うのが何か分からなかったから、一応水にしたが…。》
『陸~ありがとぉ♡
うん、お水がいい。ほら、皆食べよう?』
アーちゃんの前には丸々一個のメロンが置かれた。
で、俺達の方にも一個。
あ、こっちは4等分にカットにされてる。
けどアーちゃんの方は…
『メロン~♡』
えっと…
ため息が1人。
驚きが1人。
そして優しく笑って見てる人が1人。
…うん。
ま、誰も止めないからいっかぁ~
[アーちゃん♪
お腹いっぱいになったら俺が食べてあげるから言ってね~♪]
『うん♪ありがとぉトラ~』
これは俺の役目。俺だけができるね!
だから、そんな睨んでも無駄だよ~だ。
俺は譲らないし、この隣の席も退かないからね~だ♪