※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
〜№4〜
…何をやっているんだか、あの2人は。
私の名前は、四ツ家 伊吹(よつや いぶき)。
今日からこの嵐志野学園高等部に通う者です。
この色違いと決められた白い制服の所為で悪目立ちして視線が痛いくらいだというのに、私達3人が校舎に入らず、こうしてある人を待っているのには理由があります。
それは……
[う〜ん…アーちゃんまた挨拶されてる〜。
なかなかこっちまで辿り着かないね〜]
そう、下手すると挨拶を返すのだけで何時間もかかってしまいそうなあの人を回収、連行する為です。
勿論、隣には番犬ならぬ狂犬がついてます。
ですが、挨拶は黙認するという“協定”の所為でああやって虫が集るかのように人が群がっていくんです。
まるで、甘い蜜に誘われるかのように。
そんな虫から壁をつくる為に我々は待っている訳ですが…
あんな変装じゃ他の生徒はよくても、赤桜上がりの生徒は怯まないでしょうね。
さっき大河が大声であの人を呼んでしまってますし…。
[あ〜、アーちゃんが見えなくなっちゃう…]
〔…囲みだしたか。
久しぶりに海寧に会えたからなのか、先輩ってのは本当に質が悪い。〕
〈…協定。〉
〔…あ!半径2メートルか!〕
〈ええ。そろそろ破りそうじゃないですか?〉
〔だな。…ん?と、いう事は___ 〕
〈狂犬が噛みつきますね。〉
貴様等!離れろ!!
〔あ、噛み付いたな。〕
[…ねぇ、リッちゃん遅くない?
アーちゃんに近づく奴はもっと早く排除しなきゃダメじゃん。
あれじゃ、なんの為にアーちゃんの隣にピッタリくっついてるか分かんないよね〜]
〔!〕
〈……岳さん、お願いできますか?
私は大河と此処で待ちますので。〉
〔あ…ああ、分かった。〕
…訂正が必要ですね。
あそこで吠えてるのは狂犬よりも猛犬。
隣にいる人物の言う事は絶対に聞きますから…
どちらかと言えばこちらにいるのが狂犬でしたね。
沸点は高いですが、一度キレたら……
まぁ、何とかできるとしたら今、番犬が迎えに行ったあの人だけでしょうけどね。
ザワザワッ…
…あ、来ましたね。
流石、番犬君は優秀ですね。
と、いうかあの顔に睨まれたら誰でも道を開けるでしょうけどね。
[あ!アーちゃん♪]
…こちらの機嫌も直って何よりですね。
『おはよぉ〜トラ〜♪』
ガバッ!
[アーちゃんおはぁ〜♪ギュ〜♡]
…おっと。
《…💢》
『陸〜』
《…分かってる。だからいつも我慢してる。》
『よくできました〜♪』
…相変わらず、良く躾けてらっしゃる。
〔こら。
こんな所で抱き合ってないでさっさと行くぞ!〕
[え〜]
〔えーじゃない!見てみろ!
折角俺が引き剥がしてきたのに更にギャラリー増えてんじゃねぇか!〕
[え〜]
〔まだ言うか💢?〕
〈大河、いい加減にしておいた方が__ 〉
『あ♪イブおはよぉ♪』
〈え?
あ、ええ。おはようございます。海寧。〉
『キヨにはさっき言ったから〜よし!
じゃあ行こうか皆♪』
[うん、行こうね〜アーちゃん♪]
《…おい💢》
〔やれやれ…〕
〈……。〉
『ん?お〜い?何してるの皆〜置いてくよ〜?』
[置いていこぉ〜♪]
…いや、待ちなさいって。
《海!待て!》
〔おい!大河だけじゃ駄目だって!〕
〈…ハァ。〉
〔伊吹!ため息ついてないで走れ!〕
…こうしてまた、我々が振り回される日々が始まる訳ですね。
まぁ、仕方ないですよね。
私達の大事で大好きなご学友に振り回されるんですから…。
『イブ〜本当に置いてっちゃうよ〜?早く〜』
はいはい、今行きますよ。