※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~





















リンリン♬

「いらっしゃいませ……あ、お疲れ様です 」


「お疲れ!俺用のブレンドお願いできる?
サイズもいつもので 」


「はい。裏にお持ちしますか?」


「いや、いいよここで待つから…ところで舜…じゃない、店長は?」


「あ、店長は先程買い出しから戻られたのでいらっしゃると思います 」


「そっか…」


「…どうかされましたか?」


「え?どうして?」


「なんかオーナーがいつもより楽しそうなので 」


「…そうみえる?参ったな 」


「参った?…ですか?そうは見えませんが…
お待たせしました。どうぞ 」


「ありがとう。じゃあこれで…」


「あ…はい。ありがとうございます 」


「ご苦労様。それじゃ引き続きよろしくね 」


「はい!お疲れ様です 」










~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*







「舜(しゅん)?…いる?」


「おぅこっち~!…………って何その顔?」


「お前も言う?…そんな顔変なの俺?」


「…変なんて言ってないだろ?我らがオーナー様にそんな事言ったら何されるか…」


「思ってねぇだろ!」


「思ってないけどさ~その顔どうしたのよ?」


「…何が?どう変なんだよ!」


「いやいやだから変って言ってないって。
相変わらず濃いし眼力半端ないのは変わってないけどさぁ~、顔がさぁ…半笑いなんだよね?気づいてる?気持ち悪いよ?」


「お前っ!気持ち悪いって何だよ!」


「アハハ!ごめん冗談だって♪でもどうしたのよ?なんか良い事でもあった?」


「冗談に聞こえねぇけどな!…まぁ、良い事はあったな。その為に今日は来たんだし 」


「なに、なに?言ってみ?」


「店のロゴが決まったんだよ!」


「…店のロゴって、純(じゅん)がずっと悩んでたアレの事?何年も決まらなかったから無しでいくのかと思ってたよ 」


「考えてたわ!でも中々決まんなくて俺も諦めてたんだけどさ、いい素材があったんだよ♪
っていうか出会ったって言った方がいいか?」


「いや、意味分かんないけど?」


「まぁまぁ♪サンプル持ってきたから…ほら!見てみ!」


「……これ?えっ…もう作ってんの?」


「勿論!出来が良かったから既に生産ラインにのってる。明日着くから、明後日からはこっちに切り替えて!」


「…カップに、紙袋…サンドイッチ用の容器まで。拘ってんなぁ~へぇ~」


「表の店名の脇ん所にロゴ入れる為に、明日の午後に業者くるからさ!よろしく~」


「…うちだけ?他の店舗も?」


「当たり前じゃん!他の3店舗も明後日から同時にするから!このロゴの商品化も考えてんだよね♪」


「へぇ~~~」


「…なに?反応薄くね?気に入らない?」


「違う違う!意外だなって思っただけだから 」


「…動物のロゴが?」


「うん…だってお前、動物を愛し、動物に嫌われる男じゃん?そんな純がまさか猫を選ぶなんてなぁ~なんか…可愛いな?」


「…馬鹿にしてる?」


「してないって!…でも猫ね~?
これうちの店の袋だろ?それを咥えてる猫なんて…よく考えたね?」


「それ実際に写真に撮ったんだよ 」


「は?」


「だから出会ったって言っただろ?
そのロゴは実際の写真からシルエットを抜き取って作ったんだって!
まさかあの写真からこんなにいいロゴが出来るなんてな…」


「写真って…まさか純が撮ったの?…猫だよな?どっかのペットモデルとか?」


「違う。ほらあそこに公園あるだろ?そこにいた…たぶん野良猫 」


「っ!!」


「いや!俺が1番驚いてるから!」


「……珍しい事もあるんだな?まさか野良猫なんて警戒心の塊じゃん?
それが純に近寄るなんて……」


「…俺も初めてだよ。ここから出てさ、舜がくれたサンドイッチを食う為に公園に寄ったんだよ。
でも、ほら…俺、こんなんだから公園内の猫に警戒されるのも嫌だから、外れにある誰も来ないような所で休もうとしてたんだ。
そしたら人間じゃない先客がいてさ……」


「それがこのロゴの野良猫?」


「そう!ベンチの前の芝生で気持ちよさそうに横になってたんだけどさ……なんか凄い惹かれてさぁ~」


「えっ?猫相手に?」


「いやぁ~日の光が当たってこう…光り輝いてるっていうか、なんか神々しくてさ…近くで見たいなぁって思ったんだよね 」


「仰々しいな…野良猫なんだろ?」


「野良…かなぁ?なんか俺の言葉が分かるみたいに鳴くんだよなぁ~。毛並みもすっげぇ良かったし可愛くて綺麗だった 」


「だから…猫だろ?可愛くて綺麗って…どっかの女みたいな例えだぞ?」


「いや、女なんかより数倍可愛いって!
舜もあったら惚れるって絶対!仕草とかも堪んねぇから!」


「…猫だよな?」


「間違いなく猫だった 」


「猫に惚れる?
……俺の周りで流行ってんの?それ 」


「何言ってんの?」


「いや、菅田がさぁ~お前と同じ事を最近言っててさぁ…流行ってんのかと思ったわ 」


「菅田が?ヤダよ!俺、あいつと同じ趣味嗜好は拒否したい!」


「おいおい…一応お前の店で働いてる従業員ですけど?」


「だってあいつなんか変態じゃん!仕事は出来る奴みたいだから雇ってるけどプライベートは係わりあいたくない感じ!」


「……意外に合うと思うよ?」


「ヤダって!断固拒否する!」


「そっか~?ま、菅田の話しは置いといて…
その猫はなんだってうちの袋なんか咥えてんだ?
確かに可愛い画だけど、なんか食いもんでもあげたのか?」


「袋をあげたんだよ 」


「いや、だから中の食いもんの話しだって…
あ、この前って試作のローストビーフサンドの事か?
それをやったの?」


「いや、それはちゃんと俺が食ったよ?」


「全部食ったの?」


「勿論食ったよ。それに関しては要改良ってとこかな…まだ店にはだせないかな 」


「厳しいね~。でもオーナーのお前が言うんだから間違いないか?
味には煩いもんな、お前 」


「だからこうして店をもててるんだろうが!」


「ハイハイ。そうですね~順調に店舗数も増やしてるもんな?」


「お蔭様で。それもこれも従業員に恵まれてるからです。感謝してますよ店長 」


「……なぜか嫌味に聞こえないのが不思議だ 」


「阿呆ぉ!本心だからに決まってんじゃん!」


「ま、純は昔から周りをよく見て配慮を忘れないイイ男だからな~これで顔もイケメンなんだから敵わないよなぁ~」


「…嫌味にしか聞こえないけど?」


「まさか……本心だけど?」


「その間が既に本心じゃないって言ってんだろ!ったく!」


「まぁまぁ怒んなって♪それで、グッズ展開ってその猫のロゴで?」


「忘れた頃に本題かよ……。
はぁ~。そうだよ!何枚か写真撮ったけど、また行ってみて撮らせてくれるかお願いしてみるつもり 」


「…ペットモデルとかじゃなくて、やっぱりその野良猫なんだ?」


「勿論!変える気はないよ!」


「はぁ…野良猫ね~。いなかったらどうすんの?」


「…いない?」


「あの公園は特別だろうけど、野良猫の世界は結構シビアだよ?いないって可能性もあるだろ?」


「っ!?」


「今頃気付いたのか?」


「ど、どうしよう……」


「そんなにショック受けなくても…。
ま、探してみれば?匂いに釣られて出てくるかもしんないし?」


「はっ!そっか!そうだよ!こんな所でグズグズしてる暇ない!」


「おいおい、こんな所って…」


「はっ!?」


「今度は何?」


「……お土産持ってない 」


「…まるで恋人に会いに行くみたいだな 」


「そうだ!舜!パン作って!」


「はぁぁぁ?」


「だからパンだって!」


「猫へのお土産に?…サンドイッチ用の中身の事?ローストビーフとか材料ないし…他のでよくない?猫缶とかさ 」


「違うってパンだって!あの猫、パンが好きらしいんだよ!」


「……パン好きな…猫?」


「そう!この前もローストビーフには見向きもしなくて、パンにばっかり興味あるみたいなんだ!
でも調べたら猫は腹を下すかもって書いてあってあげれなかったんだよ!
だから代わりにそのパンの匂いがする袋を気に入ってて、余りにも可愛いから写真に撮ったんだ。それがこのロゴになったって訳!
………舜?頭抱えてどうした?」


「…いや、なんか最近よく聞く話しだな…と…」


「パン好きな猫が?珍しくない?」


「……だろう…な…」


「よく分かんないけど…?
いや、まずはこっち!俺、その猫にパンをあげたいんだよね♪出来たら焼きたてがいいからさ、舜、頼まれてくんない?」


「……パン…ねぇ…」


「材料は店ので大丈夫だと思う。無添加を選んでるし…でもバターはダメらしいから注意して作って!」


「……もう作る前提の話し?」


「当たり前じゃん!喜んでほしいんだよ!」


「…だから…彼女かって!」


「可愛い猫にだよ!」


「…分かってるって……はぁ。分かった。猫でも食えるパンを調べて作っててやるよ 」


「やりっ!んじゃ今から__」


「無理だから!準備があるからな!」


「ちぇっ。…分かった。じゃあ明日、出来上がりにあわせて来るから、用意しといて!
焼きたての匂いのパンを持って行きたいからさ♪」


「…甲斐甲斐しくね?」


「そりゃなんたって運命の出逢いだからね♪」


「……あのさぁ純?お前やっぱり菅田と似てるわ 」


「っ!何でだよ!?俺はヤダって言ってんのに!」


「いや~それがさぁ…アイツも今一目惚れした相手を探して歩き回ってるらしいんだわ…」


「それが何?俺の話と関係なくない?」


「…残念だけど、関係あると思うわ…」


「ねぇだろ?一目惚れって相手人間の女だろ?
こっちは___ 」


「白猫……。」


「えっ…?」


「純が言ってんのってパンの匂いが好きな白猫の話しだろ?」


「えっ…?俺、白猫だって言ったっけ?」


「はぁ~~~。そっか…やっぱり似てるわ。
菅田が一目惚れしたっていうのも、たぶんその白猫の事だからな 」


「……えっ?うそ?」


「本当 」


「……… 」


「………ま、良かったな?…身近に仲間がいて 」



良くねえーーー💢!!!