※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~


















男は玄関脇に設置されたインターフォンを押した

だか、何度か押しても応答がない。それどころか家の中から聞こえるはずのインターフォンの音さえも聞こえてはこなかった。


仕方なく、男は扉を叩いた。それでも返答は無い。
何度も叩いてはみたが、やはり中からは物音一つしない。

ここは住宅街の為、何度も叩けば周りに怪しまれると考え、その男は手を降ろした。

仕方なく、中にいる人の名を呼ぼうとも考えたが、明らかに表札とは違う名だった為に、住民にもし聞かれたら余計怪しまれるのではと考え、声をかけるかどうか躊躇っていると、玄関から離れていたもう1人の男が戻ってきた。






「こっち…」


「……どこへ?」

顎で行き先を指すとスタスタと歩いて行く後ろ姿を追いかけ、もう1人も玄関から離れた…


家の角を曲がり進むとそこには裏口があった






「…裏口?」


「玄関よりは大分解錠が簡単でしたからね……」


「お前!それってピッ___!!」


「しーーー!声が大きいですって!
時間ないんでしょ?……どうするんです?」

大きい声で叫ぼうとしていた男の口に手を当て、話せないようにしてからもう1人の男は続けて聞いた






「………。」


「時間がないので私は行きますから!」


「待てよ!…俺も行くから!」


「…じゃ、急ぎましょう?」

そういうと解錠された裏口の取っ手を引いて2人は中に入っていった…







家の中では、いつの間にか寝てしまっていた智仁が玄関を叩く音に漸く気付き、躰を起こしていた

思わず、玄関まで出なくてはと思った智仁だったが、躰はまだ怠く脚に力も入らない状態だった。
しかし何とかして立ち上がろうとした時に、清雅の言葉を思い出した…

「誰が来ても家には入れてはいけない。出なくていい」

それに従うしかない智仁は、立とうとしたのを止めて、そのままベッドの縁に腰掛け静かに聞き耳をたてていた


その内、玄関を叩く音は鳴り止み智仁はホッとした。

それもつかの間、直ぐに聞こえてきたドアを開ける音に驚き、一瞬固まってしまった…

あれは、さっき一通り説明を受けた時に教えて貰った裏口がある方向だった



直ぐに清雅を思い浮かべたが、よく聞くと足音は2人分だった

段々と近づいてくる足音…その間にも、ドアを一つ一つ開け中を確認している様子が分かった。

この部屋は裏口からは1番奥にあったが、足音は直ぐそこまで近づいている


智仁は、清雅ではないと確信して、自分の格好を正すために慌てて服を探した。
だが、自分の服は床に無造作に散らかっている…そこで仕方なくベッドサイドにあった清雅のシャツに手を伸ばし、それを急いで羽織りボタンを留めていった。


自分より大分、大きいシャツ。
勿論、袖も長く智仁の手をスッポリと覆ってしまっていたため邪魔でなかなか上手くボタンが留めれない。

仕方なく、ボタンは中途半端にし、せめて下着でもと思い辺りを見回していると、寝室の扉がガチャと開いた……










ガチャと言う音で智仁が扉の方を見ると、そこには色白な男性がドアノブを握って呆然と立っていた。



智仁は目が合った……

そしてどこかで見た顔だと思い返していると、後からもう1人現れた…







「おい章!?お前早いって……ん?どうした?
__あっ!!」


章と呼ぶ男の肩に手を置き、溜め息をついた後、開いた寝室の中にいる智仁を見つけ驚いた顔をした男性……。


智仁はこの人を知っていた。
いや、忘れる筈がないこの顔。


(櫻庭 慧翔)

そうあの時に教えて貰った人が今、ここにいる…




智仁は頭の中が、?だった…

どうしてここにいるのか?
どうやってここに入ったのか?



予想外の人達の登場に困惑し、最終的には、
もしかして、清雅に会いにきたのか?と考えだした。



でも、清雅はここにはいない。
電話で呼び出されて行ってしまったから、そっちに会いに行って欲しいと考えた智仁だったが、伝える術がなかった…

そう、今は装置を付けているから声が出せないのだった…



智仁は辺りを見回して、何か書ける物を探していると、章と呼ばれた男性が智仁の側に歩み寄ってきた



それに気づいた智仁が視線を戻したその時…






『っ!?』

智仁が着ているシャツを思い切り掴み、グイッとベッドから降ろし無理矢理に立たせた……






「お前…………なにをした?」