※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
















閑静な住宅街にある平屋の一戸建て。
白い外壁と少し高さのあるこれまた白い塀に囲われている為か、周りの家屋と比べると目立たずひっそりとそこに建っていた…


その白い家を見ている者が数名いたが、住宅街の為、怪しまれる事を怪訝してかその場に溶け込もうと住民に成り済ましている者と、離れた場所に車を停め玄関を覗う者と様々だった。


家の中には2人。約1時間ほど前にこの家へと着いたようだった…






「智仁…つらい…?」

ベッドにうつ伏せで力無く倒れている智仁に背を向けて座っている清雅が振り返り話かけた






『………』


「…頭痛の方が酷い?それとも躰…?」


『……………りょう…ほう…』

智仁は力無く躰を投げ出したまま返事を返した






「ンフフ。躰は仕方ないよ?さっきは途中で邪魔が入ったからさ~。
でもさっき軽くしか洗ってないから俺のがまだ中に残ってたね~お陰で滑りがよかったから俺も待たずにできたし♪ま、良しとしようよ~俺の気分も大分晴れたし♪」


『………』


「あとは頭痛かぁ~。やっぱり人混みに行くと色んな人の気持ちが分かっちゃうんだね~。頭がパンクする感じ?
でも、直接顔を見なければ平気なんでしょ…?」


『………たい…ていの…ひとは………』


「大抵の人?違う人がいるの?」


『…おもい…が…つよい…ひと…は……だめ…』


「ダメって……頭が痛くなる程、感情が勝手に入ってくるって事?その人の顔を見なくても分かっちゃうって事?」


『………う…ん…』


「ここに着くまでにそんな人が居たの?」


『………いた…』


「へぇ~面白いね?まだまだ俺の知らない事いっぱいあるんだね~♪
じゃあ、帰ってきたらまた教えてくれる?俺、そろそろ出なきゃいけないからさ~」


『………』


「…どこに行くか聞かないの?」


『……しって…る…』


「あ!そうだったね~。装置着けてないから丸わかりだったね?
はぁ~。でも行きたくないなぁ~。智仁とゆっくりしたかったのに……残念。

あの人から今日訪問するなんて聞いてたかな~?ま、直接電話で確認されたから行くしかないんだけどね~」


『………』


「話が終わったらここに直ぐ戻って来るからいい子にして待ってるんだよ?」


『……』


「分かった?」


『……は…い…』


「ンフフ。さてと、スーツはあっちに置いてあるからそれを着るとして…。
あ!そうだ!」

清雅はバッグに必要な物を入れ身支度を済ませるとまた智仁がいるベッド脇まで戻ってきて智仁を見た






「智仁?誰も来ないとは思うけど…。もし誰か来ても絶対にこの家には入れちゃ駄目だよ?
外のインターフォンにも出ないこと!いい?」


『………はい…』


「うん♪いい子いい子♪じゃ___」


『あっ…………まっ…て……』

智仁は何とか腕に力を込めて上体を持ち上げると顔を清雅の方へと向けた






「ん?なに?」


『そ…れ……つけ…て……』

智仁はそう言うと目線だけを動かして、清雅がマンションから持ってきていたボストンバッグの中にある物をじっと見た






「ああ、そっか!約束だったもんね?今だすね~

……それにしても自分で取れないように細工されるなんてね…。何考えてんのかな?俺にはさっぱりだよ?ま、分かりたくもないけど……」


『………ご…めんなさ…い…』


「どうして智仁が謝るの?あぁ……俺の気持ちを詠んじゃったのか…ンフフ。」


『………』


「じゃ、着けるよ?少し我慢してね…?」

清雅は智仁の後から装置を首に通すと、片方ずつ手に持っていた接続部分を首の後で合わせた



[カチッ]     [ピーー]


『っ!!』


「平気…?」


『…ハァ…ハァ…ハァ…………。……コクッ』

智仁は首元を押さえながら眉間に皺を寄せて痛みに耐えた後、小さく頷いた






「それを着けてれば頭痛はしないんだろうけど…
装着の事を考えるとどっちもどっちじゃない?
俺が帰ったらどうせ外しちゃうし…

やっぱり山中君に頼んで、完璧に壊して貰うか、分解して細工を外すかしないと駄目だね…。
帰ってきてからそれも考えよう?
俺も、知り合いに聞いとくから!」


『………』


「あ、ヤバい!時間だ!じゃあ行ってくるね?」


『……コクッ』

智仁が頷くのを見て、清雅はバッグを片手に持ち寝室から出て行った



玄関に鍵が掛かる音が聞こえると、智仁はホッとしたようにまたベッドに倒れ込み静かに目を閉じた…






清雅は靴を履きセキュリティーのパネルを少し操作したあと玄関を出て鍵を掛けた。
数歩行くと、アルミのカーゲートを少しだけ開けて表の車道へと出る。

ここは住宅街の為、日中のこの時間帯に走る車は1台も通らなかった。


それでも右、左と時間をかけて確認した後、漸く家の前から大通りへと歩いて行った








それを見ていた者は、清雅の後をつけタクシーに乗り込むのを確認するとどこかに電話をかけた…






清雅が人と会うために家を出てから約15分後、1台の高級車が白い家の前に静かに停まり、車の中から2人の男が降りてきた。

男達が降りると車はまた静かに走り出し、家の前から離れていった。


男達は素早くカーゲートを引き敷地内に入ると玄関の前に立ち、1人がインターフォンを押した……