※これは妄想腐小説ですBL要素が含まれます※
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
「トモ君?まだ具合悪い?」
涼は朝食の席で隣に座る智仁に体を向けて心配そうに聞いた
『大丈夫だよ』
智仁はテーブルに置いてあったメモ帳をとり書いたものを涼が見える位置まで上げて見せた
「でも、明日までお休みなんだよね?」
『そうみたい。僕はもう平気なのにね』
「でも、倒れたんだから当然だよ!しっかり休まないと!じゃないと僕、心配で心配で…」
『心配かけてごめんなさい』
「違うよ!謝って欲しい訳じゃなくて……。
心配なのは本当。でも…嬉しい…かな 」
『嬉しい?』
「うん!だってこんなにずっと一緒にいられて嬉しいから!」
『………』
「はいは~い!いつまでもお話してないで早く朝ご飯食べよ?山中君は今日“グリーンハート”に行かなきゃいけないでしょ?遅れちゃうよ?」
対面に座る清雅が2人のコップに、オレンジジュースを入れながら話しかけた
「……所長?やっぱり今日休んじゃダメ…?」
「ダメだよ~!3日間お休みしてるんだから!
それに今日は行くって約束してたでしょ?約束は絶対~!」
「でも……… 」
涼は寂しそうに俯いてしまった。その肩をトントンと叩き智仁はメモ帳を涼に見せた
『僕 夜ご飯作って待ってるよ 今日は何が食べたい?』
「ホントに!?じゃあね~今日は麻婆茄子がいい!」
『分かった 』
「やった!僕、トモ君の作ってくれるご飯美味しくて大好き♪」
『ありがとう 』
智仁は涼の笑顔につられてニッコリ微笑んだ
「え~!?俺が作るのじゃ不満なの?中華得意なのに~!」
「…所長のもオイシイ…よ…?」
「くぅー!はいはい分かったよ!それでも智仁君の方が美味しいって言いたいんでしょ!?」
「うん♪トモ君のは別格だから♪」
「……中華得意なのに自信無くすなぁ~。
まっ、仕方ないか…
ほら山中君!早く食べないと折角、智仁君が作ってくれた朝ご飯が冷めちゃうよ!?」
「あっ!そうだった!!トモ君いつもありがとう♪頂きま~す!」
『召し上がれ』
「あ~この野菜のスープ美味しい!さすがトモ君だね~♪」
「こらっ!いちいち智仁君を見つめなくていいから!本当に時間無くなっちゃうぞ!?」
「あっ!やっば~~」
涼は時計を見て時間が迫っている事に気づき、モグモグと急いで食べ始めた
涼が頬を目一杯膨らませて食べている姿を隣で見ていた智仁はクスクスっと優しく微笑んでいた
「じゃあ…行って…きます…」
出発の時間になった涼は玄関で靴を履き、見送ってくれる智仁に向かって言った
『行ってらっしゃい』
「………。」
『…?』
「行きたく…ない。でも約束だから行かなきゃいけない…けど………」
涼は、俯きながら小声で言う。
そんな涼に智仁はメモ帳にペンで書いて見せた
『帰ったら今日どんな事をしたのか教えてね?楽しみに涼君の事待ってるから 』
「っ!う、うん!いっぱい報告できるように頑張って覚えてくるね!」
『頑張りすぎはダメだよ?』
「うん!分かった!
あっ、………その……行く前にギュッてしてもいい?」
涼は恥ずかしそうに頬を染めて言うと、智仁は笑いながら両腕を前に出した
それを見た涼は嬉しそうに智仁に抱きつき、段差で少し身長差がでた為に、いつもとは違う智仁の胸辺りに顔を擦りつけて思いっきり深呼吸をした
「……そろそろいいかな山中君。遅れちゃうから行くよ?」
なかなか出てこない涼を呼びに来た清雅が玄関のドアを開けて2人を見ていた
『…………。』
「は~い!今行きます!じゃトモ君行ってきま~す」
涼はやっと決心がついたのか笑顔で智仁に手を振り出て行った
その涼に智仁は笑顔で手を振って見送ったが、玄関のドアが締まりロックの音がカチャンと響くと顔からは笑顔が消え、大きな溜め息をついた……
2人が出て行くと、智仁は忙しく家事を始めた。いつもの一連の流れである。
朝食の食器を洗い片付け、第一陣の洗濯物を洗濯機に入れて回す。その間には掃除機をかけて、第二陣の洗濯の為に、ベッドのシーツを各部屋から集めて回る。
3枚のシーツは中々の量になるため、小分けにしていくといつも洗濯に時間を取られる。
だが、智仁は掃除も洗濯も嫌いではない。
むしろ楽しそうにいつもしている。
洗濯物を干す時も、天気がいい日はベランダに出て太陽と風を感じながら楽しそうにしていた。
今日も天気が良い。
ベランダで智仁は嬉しそうに第一陣の洗濯物を干し終わると、次はベッドメイキングに取りかかる
いつもは自分の仕事があるから、洗濯だけでその他はお昼過ぎに1度戻ってきた時にしていたが、今は仕事を休まされ時間に余裕がある為、一緒に片付けようと動いていた。
替えのシーツをクローゼットの中から出すとそれぞれのベッドに敷いていく
2つのベッドメイキングが終わり、最後の部屋の扉の前で智仁は立ち止まった
シーツを持ったまま扉のノブに手を掛ける事もせずに暫く佇んでいた
「入らないの?」
『__ビクッ!』
急に後ろから声をかけられ智仁は思わず驚いて持っていたシーツを落としてしまった
慌てて拾おうと手を伸ばしたが、先に拾われてしまい、そのまま伸ばした手を掴まれ、部屋の中へと連れ込まれた
「シーツを洗う為に部屋に入れるのに、シーツを敷くのには抵抗あるの…?」
『………』
「クスクス。いつもああなの?俺の部屋に入る時はいつも固まっちゃうの?」
『………』
「でも君は優しいから嫌々でもシーツを敷いておいてくれるよね?優しいもんね…君は……」
清雅は片手に持っていたシーツをベッドの上に投げると、両手で智仁の両手首を掴み引き寄せた
『!?』
「君は優しいから……山中君に抱きつかれても抵抗しないよね?
…でも、俺がすると違うよね?どうしてかな~?
さっきは、我慢して見てたんだよ?分かる~?分かるか。俺、たぶん思いっきり睨んでたと思うし~君もビクッてなってたしね……」
清雅はそう言うと、智仁を掴んでいた手に更に力を入れて握りしめた
『__っ!!』
「…ほら?また逃げようとする…酷いな~俺、傷ついちゃうじゃ~ん」
智仁は握られた手首が痛いのか顔を顰めたまま振り払おうとしたが、全く離れなかった。
力の差がハッキリしていた
「無理無理。君の力じゃ振りほどけないから~あまり動かすともっと痛くなっちゃうよ?こんなに細いんだからさぁ~折れちゃうかもね~?」
『っ!?』
「アハハ~大丈夫大丈夫♪そんな可哀想な事しないからさぁ~」
そう笑いながら言った清雅は智仁の腕を強く引っ張り、その躰を抱き寄せ背中に腕を回して動けないようにした
『!!』
「スー…ハー…ああ。君の匂い。それとお日様の匂いも少しするね~ベランダに出て洗濯干してくれたんだぁ~ありがとね~
でもね~もう一個の匂いはいらないんだよね……さっき、玄関で抱きつかれた時についたのかなぁ~邪魔なんだよね…折角、君の匂いを楽しみたいのにさ……
ねぇ…?脱いで?」
『っ!!』
「フフ。震えてるね?でもダメ。
……君は優しいから言われた通りに出来るよね?
……ねぇ?………智仁………?」