※これは妄想腐小説です※
~間違われた方、苦手な方は戻って下さい~





















「___これが今回の全貌です」


慧翔は鼻息荒いまま誰にも口を挟ませないままに一気に話し終えた

智仁は聞いた内容に驚きと動揺が隠せずに俯いてしまっていた






「…それは分かりました。ですがその庭園に薬品が撒かれた事と大澤君と何の関係があるんですか?」


長世副社長が前屈みで慧翔に聞いた






「時期が一緒なんです!彼がここを逃げるように辞めたのと薬品が撒かれた時期が!!」


慧翔は興奮冷めやらぬまま机を叩き長世を見て大声で言った




「…へぇ。それだけで?」


「何ですって!?」


「…だってそうでしょう?
辞めた時期が同じというだけで証拠もなく彼を犯人扱いしているのですよね?
軽率すぎませんか?」


「違います!証拠はあります!!」


「へぇ。証拠…ね。どんな?」


「おい!あの映像をだせ!」


慧翔は隣に座る警備担当者に指示をだした。
そして、防犯映像を映したPCを3人の方に向きを変えて見せた。






「これです!ここに映っている男が分かりますか!?
これは庭園の隅にあるカメラです!この場所は貯水槽がある所へと続く道です。

止めろ!!

ここです!こいつが持っている物が分かりますか?
これは何かの容器です。我々はこの中に薬品を入れていたのだと考えています。
それを貯水槽に流した。それで花が枯れ、木々が弱っているのだと考えています!」


「全て憶測でしかありませんよね?」


「っ!ですがこいつは迷うこと無く貯水槽へと向かい直ぐに引き返しています!
時間にしても数分もかかっていない!
それはどこに何があるか知り尽くしていないと出来ません!
ここで働いていた彼なら易々と出来たでしょう!?違いますか!?

あなたに聞いているんです!!

これはあなたではないのですか!?
なぜ一言も喋らないんですか!
今更自分がしでかした事に慌てているんですか!?
そんなの遅い!庭はもう__」



バンっ!

いい加減にしろっ!!


松丘が勢いよく机を叩き立ち上がると共に怒声が会議室に響いた

その余りにも大きな声と気迫に室内にいる皆が息をのんだ






「おいっ!長世もういいな!?」

松丘は睨んだまま叫ぶように長世に言った






「はいはい。正直俺も限界だったし構いませんよ 」


長世は両手を上に挙げため息混じりに松丘に答えた


その後に松丘を見て驚いて固まってしまっていた智仁の背中に優しく手をあて擦っていた






「長世に言われて今まで大人しく聞いてやっていれば…お前は何様だ!?あ゛あ?人に一方的に難癖つけやがって!!
てめぇは刑事か!?
人を取り調べみたいに扱いやがって!
よくそんなんで櫻庭の名を名乗れるな!?

てめぇみたいなのが上に立ってるなんて呆れて何も言えねぇよ!
櫻庭ってだけで調子のってんじゃねぇぞ餓鬼が!!」


「__なっ!!?」

慧翔は気迫に負けてヒュッと息を吸い込み目を見開いていた






「はいはーい!ストップ!
松丘さん?皆さん恐がってますから!少~し圧下げて!」

長世が軽い感じで松丘に注意を入れた






「あ゛あ!?
何がだよ!お前が大人しく話を聞けって言うから俺は今まで我慢してたんだぞ!?」

その言葉に松丘は腕を組み睨むように長世に視線を移した






「分かってますって!よく我慢してたなーと感心してました!」


「分かってんなら邪魔すんじゃねぇよ!!」


「…でも黙ってても何回もキレてましたよね?
顔に出てましたし!俺が話さなきゃ掴みかかろうとしてましたよね?」


「何が悪ぃんだよ!こんな奴に俺が黙ってると思ってんのか!!」


「…思ってませんよ。思ってないから、あれ程始まる前に釘さしたじゃないですか!?」


「だ、か、ら!守っただろぉが!
もう十分話聞いてやっただろ!?もういいだろうがよ!」


「よくないですから!手なんて出したらそれこそ問題になりますから!」


「知らねぇよ!元々はこいつが悪ぃんじゃねぇか!俺が何しようと__」

松丘は我慢できなくなったのか、慧翔の方に歩み寄ろうとした時賺さず長世が口を挟んだ






「怖がってますよ?」


「あ゛ぁ?」

松丘は立ち止まり長世の方に振り返り聞き返した






「怖がってますから…智仁君。」


長世は隣で呆然としていた智仁をチラッとみて松丘に言った

その長世の言葉にハッ!とした松丘は直ぐに椅子に座る智仁を見てしゃがみ目線を合わせた






「っ!!!だ、大丈夫か智仁?
違うぞ!違うんだ!お前にじゃない!
お前を怖がらせる気なんてなかったんだ!!
スマン!許してくれ!」


両手を顔の前で合わせた松丘が頭を下げ智仁に謝った

智仁はそんな松丘に首を横に振ってこたえた


長世は漸くおさまった松丘を見てヤレヤレと肩を竦め、そして再度慧翔達を見据えると話だした…