※これは妄想腐小説です※



















~章和side~


白熱灯に照らされた高架下。
人など滅多に通らないからここは格好の待ち合わせ場所だ




「二條さん!こっちです!」


「ああ。悪いね西端君。仕事中に…」


「いえ!二條さんの頼みなら何でもしますから!」


「そっ?助かるよ__それで?頼んだものは?」


「はい!こちらがその番号の契約主です 」


「………法人契約なんだ 」


「そうです!知ってますその会社?」


「知ってる。有名だしね 」


「個人の断定は出来なかったので、その会社で“トモ”と名前につく人達を調べました。これがその一覧です。苗字も含めたので全部で36人です」


「…多いね 」


「従業員が多いですからね…何か絞れる情報あります?」


「情報ね__“トモ君”だから男だろうね…」


「それは分かってます。それで絞ってこの人数です 」


「じゃあ、年代は?その中で10代の子いない?」


「10代は…いないですね 」


「え…?いないの?__じゃあ20代は?」


「20代だと7人ですね 」


「7人か。まだ多いな…あとは…下の名前に限定してみて? 」


「下…ですか?だと4人です。」


「4人ならまぁ、なんとかなるかな…じゃあその情報俺のPCに送っといて?」


「…分かりました。あの…二條さん?」


「なに?」


「その“トモ君”って何かしたんですか?」


「…どうして?」


「あ、いえ…その~今までとはどこか違うなと思いまして…」


「今までと変わらないでしょ?…違う?」


「…そうです…か 」


「助かりましたよ西端君。じゃこれで 」


「…はい。二條さん 」






相変わらず勘がいいですね。私そんなに顔にでてましたかね?
まぁ、職業柄必要なスキルなんでしょうが…
ま、深く詮索しないのも彼のいい所なんでしょうがね…


相田さんが以前言ってましたね…

「章は人をよく誑かす。その可哀想な1人が西端君」だって…

誑かすって語弊があるけど人を利用して何が悪いんでしょうかね?
私は使えるものは使いますよ?
出し惜しみなんてして先手を打たれるのは嫌いですから…


それをまぁ見事にされた訳ですけどね…



相田さんが家を教えてくれないのは、1人で落ち着いた場所が必要だからと思ってましたよ…

あなたの性格を知っているから、私が何度聞いても教えてくれないことに理解もしてましたよ?最近はね…


それが、今回は違った

山中君の為じゃないですよね?あの子の為ならもっと早く行動していたはず。
でもしなかった…最初から自分の家に連れて行く気なんてなかったはず。

それなのに急に考えを変えた。私にも慧さんや潤哉君にも教えた事がない場所にあなたは連れて行った。


なぜ?って考えなくても分かる。山中君の為じゃないのだから残るはもう1人…



誰なんです?

あなたが頑なに秘密にしていた場所に易々と容れてしまうそいつは…誰なんです?



私、先を越されるのも嫌いですが、それ以上に横取りされるのが嫌いなんですよね…

あなたは知ってますよね?私の性格…



なら、どうするか分かりますよね?



私の日常を壊したんだ。それ相応の覚悟はありますよね?
ま、なくても容赦しませんけど。


私が引きずりだしてあげますよ。
そこから…そして相田さんの側から……



待ってて下さいね?__“トモ君”__