※これは妄想腐小説です※

















~智仁side~







ここって公園かな?


通り道じゃないからこんな処に公園があるなんて知らなかった…


でもなんか小さくて可愛い



あれが砂場かな?

暗くてよく見えないけど…


僕、砂遊びってしたことないから、あの砂がどんな感触なのか触ってみたいな…





こっちです




また?

いったいどこから____






初めまして




あ……。

あなたの聲だったんだ…






貴方が鎮守様の___



え?鎮守様?鎮守様を知ってるの?



_ごめんなさい ワタシには貴方の声が聞こえないの
鎮守様のように長くはいきてはいないから そんな力がないの…

ワタシも貴方とお話がしてみたかったのに…



…そっか声が………

じゃあ 《こっち》 って言っていたのはどうして?






貴方にお願いがあるのです
その為に風に協力してもらい貴方をここに呼びました
驚かせてしまったのならごめんなさい 》



えっと……お願い?風?……?

勝手に転がっていくから驚いたというか焦ってしまったけど…

……?



ふふ その顔は困っている時の顔ですね?
人はよく表情を変える生き物だから何も話さなくても大体は分かるのだけれど…
貴方はあまり変わらないのですね…何故かしら…? 》



…………。



ああ ごめんなさい 余計な事でしたね

お願いというのは___
そこにいる彼の事です…

彼を助けてあげてくれませんか?ワタシには何もしてあげられない…

まだ幼いのに思い詰めた顔をしてここを動こうとしないのです…
その姿が切なくてワタシは見ていられない 






彼…?


あ…… 本当だ。男の子がいる。

彼を助けて欲しいと言われても…僕なんかにそんな事できるの?


そもそも助けるって何から?

迷子とか?お家に連れて帰ればいいの?
それで終わりでいいの?

それが助けるって事…?




ん?キョロキョロしてる…どうしたのかな?






「ぼ、僕のこと見えるの?」



ん?見えてるけど…。見ちゃいけなかったのかな?



「僕の声…聞こえる?」



聞こえてるけど……?






貴方はいつもはどうやって会話をするのですか?



あっ!そっか!えっと…メモ帳は____






「こ、今晩は」

「えっ?」

「いや、大丈夫…だけど。待って!お、俺のこと見えてるの?」






そこ気になるんだ?   クスクスッ






「見えてるの?本当に!?」






うん。本当だよ!

えっと…この後はどうすれば…?



話を聞いてあげて下さい



話を?…分かった。じゃあまずは座ってからかな…










…………。

なんか暗いなと思ったらここの街灯消えてるんだ…
他は点いてるのに…?ここだけ?






……俯いてる。

こんな事したことないからどうすればいいのかさっぱり分かんないんだけど…

話ってどうやって聞けばいいの?

話して!って僕から言うのかな?

見ず知らずの僕なんかに急に言われても話たくなんかないよね…






「___どうして…?」






あ!喋った…

でも直ぐ黙っちゃった……






「どうして…。どうして___。」






どうして…?どういう意味なんだろ?

でもなんか苦しそう…

無理して話さなくてもいいのに…

僕からは聞けない。君が話したいと思ってからじゃないと。



落ちついて?
僕は急いでないから君も急がないで?

もっと苦しくなっちゃうと思うから。

君のペースでいいんだよ?
僕は君の話を聞いてって頼まれたから…
僕なんかに出来ることがあるのならつき合うから。
君を置いていったりしないから…


だからゆっくりでいいよ?
君が落ちつくまで待つよ。


僕は君の側にいる。大丈夫だよ…






「あ、あなたに…聞きたいことがあって…」



落ちついたの?良かった。

うん?僕に聞きたいこと?…何だろ?






「え…っと。あなたは僕が見える 」    



うん。ちゃんと見えてるよ?さっきから不思議な事を聞くんだね…



「僕の声も聞こえる 」          



聞こえるね。また不思議な質問…



「僕に……触れる…?」          



え?また…?
君はちゃんと生きてる人なんだから当たり前の事なのに。

クスッ  笑っちゃった


じゃあ、はいっ。






「…え?」






急に触られるのは嫌だろうし…

君が確かめたらいいよ






「ダメだよ!!__ごめん!言ったのは僕だけど、僕に触らない方がいい!怪我するかも__」



怪我…?何の心配をしてるの?

でも、君が何かを確認したいから聞いてきたんだよね?

だったら僕は僕にできる事をするよ…






「…………。」

「っあ!!触れた……。い、痛くない!?バチッてなったりしない?」






まだ心配してる…

フフフ  大丈夫だよ。痛くないよ…?






「あ………  温かい… 」



そう…かな?僕より君の方が温かく感じるけど…

…あれ?どうしたの?また黙っちゃった……




あっ!血がでてるよ!?

平気?どうしたの?
ダメだよそんなに強く噛んだらもっと血がでちゃうよ!?






「…う゛ぅぅ う゛ぅぅぅ……」



へ…?ど、どうしたの?痛いの?


わぁ!!

え?何?えっと……この場合どうしたら___



同じように…



えっ?



同じように抱きしめ返してあげて下さい



こ、こう?



ええ ありがとうございます

彼は泣くのを我慢していたみたいですね…

人は儚くて脆い存在 
泣くことで自分を保っていられる 
それが人の防衛本能だというのに

それを我慢するなんて…まだ子供なのに…
なにか事情があるのでしょうが…可哀想に…



…………そうなんだ…。

じゃあ、いっぱい泣いたらいいよ。
僕はここにいるから。
君が泣き止むまでずっとこうしてるから…

大丈夫。ちゃんと側にいるからね。






貴方は?



え?



貴方は…ちゃんと泣けていますか?




………。


僕は______













僕はもう………諦めたよ