※これは妄想腐小説です※




















~智仁side~




*公園で涼と出会うより少し前に遡ります*










お疲れ様でした


元の担当場所に戻った仕事、前とは違う終了時間。

用具置き場と休憩室が一緒になっている一室で僕はメモ帳を持って仕事仲間と呼ばれる人達に頭を下げた






「大澤くんお疲れ様!待ってたんだ!君がこっちの担当にもどってくれて嬉しいよ」

声のする方を見ると、いつもはいないはずの國分本部長が今日はいた。


僕はまた頭を下げた






「久しぶりだね?ホテルでの仕事はどうだった?

今までと掃除の場所も出勤時間も違ったから心配してたんだ!

社長が「毎日連絡とって体調の確認してるから気にするな」って言ってたけど…。

あれ?また少し痩せたんじゃない?


もうー!これだから社長は!!


ちょっと大澤くん!?
ちゃんと食べれてる?睡眠はとれてる??

元々細すぎなんだから、こんなんじゃTVみたいって言われちゃうぞ!!」







えっ…と__心配…してくれてるんだよね?


ここは何て返せばいいんだろう……?




ありがとうございます』?

僕は大丈夫です』?

ごめんなさい』…?



分かんない……どれが正解なんだろ…?







「ちょお!部長さん!!やめとって下さい!大澤くん首傾げて困ってはりますやん!!」


あ……横川君。






「横川…邪魔しないでくれる?俺は今、大澤くんと話してるの!お前の出る幕じゃないの!むしろ邪魔なの!」



「邪魔って!それも2回も!!
傷つきました!俺むっちゃ傷つきました!!
せやから_大澤くん借りますね♪」



「あ!おい何すんだよ!!」



「何って…大澤くんに俺の傷ついたハートを癒してもらうにきまってますやん!
部長のせいで傷ついた俺の繊細な  は・あ・と を♪」



「何が繊細だよ!お前のは邪心だっつうの!」



「誰が邪なんすか!?」



「お前だよ!俺から大澤くんを引っ剥がしやがって!!
癒してもらうだー!?ただお前が大澤くんに触りたかっただけだろうが!

もぅお前の名前、横川から (よ、こ、し、ま) に改名しやがれ!! 」



「なんすかっ!?そない言う部長さんやって大澤くんに触りたいだけなんとちゃいますか~?

痩せたんと違うか~言うてベタベタ触りまくってましたやん!

大澤くん困った顔してはりましたよ!

部長だからって触ってええと思っとるんですか~?
ただのセ ク ハ ラ と違いますか~??嫌やわぁ~怖いわぁ~~~」



「横川ーーー!言わせとけば勝手言いやがって!!
俺部長だぞ!お前を違う担当場所に変える事も出来るんだぞーーー!」



「職権乱用ですやん!怖いわぁ~助けて~大澤く~ん♪」



「あ!待てこら!!大澤くんに近づくな!お前はダメだ!」



「ダメって何がですの!?酷いわ~やっぱりここは大澤くんに慰めてもらわんと~♪」



「だから、寄るな!近づくなー!おい横川ーー!」









『……………』


凄いなぁ…いっぱい喋ってる。

こういうのを犬猿の仲…って言うのかな?

本に載ってたから意味は知ってるけど…
実際見ると凄いんだなぁ…




…これはとめるべきなのかな?

横川君は楽しそうに笑って言ってるけど、相手は部長さんだし…。部長って偉い人なんだよね…?

國分さんはいつも優しくニコニコ接してくれるから分からなくなっちゃうけど…




よし!とめなきゃ!……えっとどうすれば…?







「かまわんと早よ帰り~」




えっ? あ、城嶋さん…。

でも…このままじゃ……




「ええんよ~あの2人はいっつもあんなんやから。
ほら、他の人達は耳塞いどるやろ?

大澤くんは気にせんと先に帰り~今日も歩きやろ?夜道は物騒やから、ちゃあ~んと明るいところ選んで帰るんよ~?」






城嶋さんが僕の頭を撫でながら言うけど…

本当に先に帰っていいの?

2人はまだ何か言いあってるけど…





「心配せんと大丈夫やから~それとも僕送っていこか?」





ううん。そんな迷惑かけられない!



大丈夫です 1人で帰れます ではお先に失礼します

僕はメモ帳を城嶋さんに見せて頭を深く下げた







「ほんま~?なんやちょっと残念やわぁ~。
と、僕が引き留めてたらあかんね?
じゃきいつけてなぁ~また明日~お疲れさ~ん 」



城嶋さんが優しく笑いながら手を振ってくれたから僕は頷いてからその場を去った





本当によかったのかな…

2人は僕が部屋から出たのにも気づいてないみたいだったけど……


でも城嶋さんがああ言ってくれたし、1番の年長者だし__



ポロッ


あ!僕のシャーボ!落としちゃった。
いけない いけない。折角社長がくれたのに傷がついちゃう!



コロコロコロ



え?待って!どうして転がっていくの!?
ここ坂道でも何でもないのにっ!ま、待って!







ハァ ハァ ハァ…

苦しい…胸が痛い  

走ったのなんて…久しぶりすぎて__ハァ ハァ ハァ



ハァ ハァ…

どこだろ…?確かこっちに転がって__あっ!あった!良かった~なくしたら社長に怒られちゃうとこだった…



…ん?あれ?キレイだ……

あんなに転がってたのに擦り傷一つもついてない……どうして?





ガサガサガサ     ガサ ガサ ガサ 






えっ? 


《こっち》…って………なに?