※これは妄想腐小説です※

















ブーブー  ブーブー 

慧翔が自分のデスクに向かって仕事をしている時、ポケットにあるスマホが着信をつげた。



「もしもし」

「あっ、慧さん?今大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ。帰ってきたのか?」

「ううん。まだなんだ。でも今から帰るよ!」

「じゃあ、今空港か?」

「そうなんだ。手続き終わって搭乗待ちしてる。それで…慧さんに早く連絡しなきゃと思って」

「ははは。それはありがとう。なんかゴメンな~」

「いやいや。謝るのは俺の方だよ!折角誘ってくれてたのに、急に行けなくなっちゃって…本当にゴメン…」

「何言ってんだ?そんなん気にするなって!仕事で忙しいの知ってんだから、無理するなって俺、先に言っただろ?」

「それでも!我慢してオープニングまで楽しみに待ってたのに…よりによって…。」

ハァ~と電話越しに長いため息が聞こえてきた。



「ハハハ。そんなに言ってくれんの?なんか嬉しいな。分かったよ。じゃあ今度、潤哉の都合のいい日教えてくれよ!俺が特別に案内役になってやるからさ!!」

「本当!?じゃあ、明日で!」

潤哉はパッと明るくなった声で返した。



「あ、明日!!?…き、急だな~」

慧翔は慌てて自分のスケジュールを確認しだした。



「善は急げってね♪」

潤哉は楽しみで仕方ないのか語尾があがっている。



「急がば回れっていうのもあるけどな…。」

慧翔は明日か~。と頭を抱え、自分の予定を変更できるか悩みながらこたえた。



「だって、早く見たいんだよ!…何?慧さんもしかして…渾身の庭って言ってたのに、俺に見せる自信ないの?」

「あるわ!じゃなきゃわざわざ見に来いなんて言わねえよ!」

慧翔はスケジュール帳をパシッと閉じてこたえた。



「だよね~♪じゃ、明日行くから宜しくね~」

潤哉はクスクス笑って言う。



「お、おう!いいぞ!?楽しみにしてろよな!絶対気に入るから!」

「アハハ♪ありがとう。じゃあ明日空港から直で行くから時間は…そうだなぁ____」

潤哉が明日の予定を教えてくる。それを慧翔はメモに書き込みながら、時間を丸印で大きく囲んだ。









………なんか、強引なセールスを受けた感たっぷ
り何だけど…。



………俺、明日、午前会議あんだけど…。



………フゥ。








残業嫌いな慧翔が残業する事になったのかは言うまでもない…。