※これは妄想腐小説です※
「あ~あ。はじまっちゃったね~♪」
清雅は、笑いながら蹲ったままの慧翔を見なが
らニコニコしている。
「何楽しそうに言ってるんですか?これ、確実
に相田さんのせいですからね」
章和はため息をつきたいのを我慢して、腕組みをしながら相田を見た。
「え~俺のせい?」
「そうでしょう?他にいませんよ」
章和は面白く無さそうに言った。
それでも、ため息は…我慢した。
「そうかなぁ~。俺じゃないと思うけどなぁ~」
清雅はう~ん。と考えるように答えた。
「いや。相田さんがバカな事言うからに決まってますから。それより…どうしますか?こうなったらなかなか戻らないんですから慧さんは…。」
やれやれと首を横に振りながら肩を竦めた。
「そうなんだけど。でもさぁ~昔を思い出すね♪こんな慧ちゃんを見るとさ♪学生の時もさぁ~急に笑い出して止まんなくなって、そんで俺たち3人は落ち着くまで待つっていう♪あ・れ♪」
清雅は昔を懐かしむように、ニコニコしながら言う。
「ええ。それも急にツボに嵌まるから3人で唖然としてましたね。」
「そう!それそれ♪何がツボだったんだろう…て思うけどサッパリ分かんないんだよね~謎だよね~」
清雅は両手を胸の前で組んで頭を横に傾げる。
「いや、謎ではないですけどね。わたし達はただ普通の会話をしてるだけなんですけど。それのどこに_」
「えっ!?章はわかるの?」
章和の話が終わらないうちに、清雅は悔い気味に言葉を被せてきた。
「はい?分かるっていうか、だから会話の_」
「会話?誰の?」
「だから、わたし達の_」
「えっ?どこらへん?」
「どこ?」
「どこから、どこまでで慧ちゃんはこうなっちゃうの?」
「いや、それ私に聞かれても…」
「ほら~章もやっぱり分かんないんじゃん!やっぱり謎じゃ~ん!」
「………もう、謎でいいです。」
突っ込み処が満載すぎて、章和は何度目かの諦めを決めた。
「ほら~そうでしょ~」
清雅は章和とは裏腹にどこか勝ち誇った顔をして大きく頷いた。
(だから…ため息しかでないって…分かれよもぅ!)
章和は、内心で呟きながら、こちらも何度目かの我慢をした…。
そして、諦めを含んだ目で静かに慧翔をまった。
程なくして、笑いから復活した慧翔が
「続けてって言ったのは俺だけど…もう勘弁して貰えませんか?」
両手を顔のまえで合わせて頼み込む仕草をした。
でも、口元はまだ薄らと笑っているし、目がニヤけている。
2人は
(説得力のない顔だなぁ~)
…と思いながらも、これ以上ここで立ち往生する訳にはいかないと思い、無言で頷き合った。
「そうですね。早くご挨拶しないと。それに、慧さんは主催者側ですからね。いつまでもこんな所でモタモタしてたら怒られますよ」
「そうだよ~慧ちゃん!俺も早く挨拶しなきゃ!叔父さんに怒られちゃうよ~!!」
清雅は態と身震いをしてみせた。
「いや、怒られないだろう。大人なんだからそれくらい分かってるって」
慧翔は「2人を呼んだのは俺何だから、誰も言うわけ無いだろう」と、鼻で笑うように言う。
「「いや!慧ちゃんが!慧さんが!」」
2人は声を揃えて言う。
「えっ?俺が怒られる方なの!?」
慧翔はまさか、自分の事を言ってるとは思わなかったためか、驚いて聞き返した。
2人はまた同時に頷く。
納得のいかない顔をしていた慧翔だったが、2人の当たり前でしょ?という顔を見たら、
確かに…。
と、反論できずにいた。
「さぁ、行きましょう」
章和は慧翔を促すように肩を少し押した。
「行こう♪行こう♪慧ちゃんのせいで時間くっちゃったしね~」
清雅も笑いながら、章和と同じように慧翔の反対側の肩に手を触れた。
「はいはい。俺のせいですね。ス・ミ・マ・セ・ン~」
慧翔は舌をだして戯けてみせた。
「はい。そんな顔しないで行きますよ」
「そうそう♪イケメンが台無しだよ~」
ほらほら行くよ♪と、清雅は慧翔の背中を押して歩きだした。
「何だよそれ。まぁ、いいけどさ。じゃ、ホントに誰か呼びに来る前に行きますか!」
漸く3人は会場へと向かって歩きだした。
彼らが去った後には、ちょっとした人だかりが出来ていたが、当の本人達は我関せずで涼しい顔をして歩いていった。