※これは妄想腐小説です※











~章和side~


正直、大きい声で叫びたい気分。

「謎すぎんだよ!あんたの考え!!少しはこっちの苦労も分かってよ!!!」って…




彼、相田清雅と私が中学で出会ってから10数年…。


最初は今とは比べものにならないくらい、暗くて、しゃべらない奴だった。

えっ?誰のこと言ってんの?って?
でも、事実そうでしたからね。
あの頃は…ですけど…。


そういう私も、興味がある事や、特定の相手としか好んで話はしなかったけど、軽くあしらう位はしていた。それでも無愛想とはよく言われていたし、陰で何か言われていたのも知っていた。


まぁ、自分の素をだせる相手は既にいたし、クラスメートと呼ばれるだけの赤の他人に、何かを理解して貰いたいとも思っていなかった訳だから、気にもしていませんでしたけど。



そんな私以上に、彼は誰とも関わろうとしなかった。
今では事情も知っているし、そうなるのは理解できるが、当時の子供の私には手放しで受け入れろという方が無理だった。


その当時の彼は、あきらかに何かを警戒しているみたいに挙動不審な行動をしていたし、笑い顔なんて一切見せなかった。


そんな彼に当然私は関わりたくなんてなかった。


私の平穏な日常に彼は必要ないと、予防線を張っていたのに…


まさか…慧さんの従兄弟になっていたとは。


だからあんなに慧さんは世話を焼いていたのか…。

慧さんの身内なら仕方ない。

無理矢理納得せざるを得ない状況だったのを覚えてる。




それなのに、今の彼は…。



「はぁ…。」

ため息が出ない日はないんじゃないかって思う。


変わりすぎたろう~と何度嘆いたか…。
いや、こっちが元々の彼なんだろうけど…正直面白くはない。


私は目が良い。


大体の人の考えも分かるし、何を言いたいのかも直ぐに理解できる。


慧さんなんて、顔に直ぐ出るから簡単に分かるし、あっ!でもコレを本人に言うと「俺はそんなに単純じゃない!」と怖い顔になるから内緒。


とにかく、私の自慢なんですよ?
それで世の中上手く渡ってきているんですよ?



それなのに、この人は…。



「ハァ…。」


どうしてそんなに私の考えの斜め上をいくんですかね…?


それも自覚なしに。


私の考えが追いつかないなんて屈辱でしかないんですけど。



ホント、天然って怖い…。

「ハァ…。」