小島よしおが自転車を盗まれたらしい。

それを聞いてまたまた思い出した。

まだ長岡にいた頃、ALTで日本に来てたアメリカ人の男の人の自転車が盗まれて、その人からいきなり電話があって、「通訳をして欲しい」と頼まれたことがあった。

彼は長岡駅前で自転車を盗まれたと言っていた。自転車はかなりマニアックな自転車で、自転車の写真をいたるところに貼ったら、最終的に見つかったらしい。彼と何度も電話で話してたんだけど、最初はすごく怒ってた。彼の貼った貼り紙を見た、盗んだ少年の仲間が電話してきたと言っていた。犯人は中学生だった。あまりにもマニアックな自転車だったので、すぐに足が付いちゃったらしいんだけど、自転車が見つかったときには、もうバラバラになっていて元通りにはならないと言っていた。

彼は、その自転車がかなり高額だから、その盗んだ少年の親に弁償してもらわないといけないから、その通訳をして欲しいと言うから、私は快く引き受けた。少年は少年課に捕まっていたから、私は警察署まで行くことになった。

1時に警察署に待ち合わせていたので、5分ぐらい前に警察に着いたのに誰もいなかった。しばらく待合室のソファに座って待っていたけど、誰も入ってくる様子もなく、誰も私を待ってる様子もなかった。受付に本を読んでいる女の子が座っていたから、その子に「外国人の人来ませんでした?」と聞いたら、「来てません。」ってものすごくむかつく態度で答えられた。でも誰もいないのはおかしいと思ったので、「少年課はどこですか?」と聞いたら、愛想もなく「二階。」と言うので、私は二階へ向かった。そして少年課の人に事情を話すと、個室で親と、警察官と、彼がもう話してると教えてくれた。一応未成年の犯罪だったので、私の入室を親に許可してもらって中に入った。私はいろいろの話の中で一番印象に残ってるのは、自転車を盗まれた彼の言葉。彼は「自転車が盗まれたことは腹が立つし、いけないことだと思うけど、僕はおたくの息子さんが自転車が好きというのを聞いて嬉しく思ってる。部品の弁償はしてほしいけど、息子さんとお友達になりたい。」私はその言葉を聞いて感動した。私はその言葉を親に伝えた。そして親は言った。「弁償はします。でも、息子とは会わせません」こういう親が人の自転車を盗むような子供を作るんだと思った。私はこの親の言葉も、彼に伝えなくてはいけなかったから伝えたら、彼が「Why?]って私に聞いたのが今でも忘れられない。

警察を出るとき、またさっきの受付の女が本を読んで座っていた。私はもうあったまにきてたので、誰にでも聞こえるでっかい声で、「ちょっと、あんたぁ、公務員のくせに暇そうに本なんか読んでじゃないわよ。さっき、あんた外国人は来てないって言ったでしょ?ちゃんと二階にいたわよ。もう話し合ってたのよ。あんた本読んでて、誰が入って来たのか見てませんでした。って謝れ。」と言ったら、中にいた警察官がみんなこっちを見てた。そしてその女がもごもご言ってたから、「謝るときは、ひざ掛けとってちゃんと立って、本をおいて謝るのが礼儀でしょう。あんた家で何を習ってきたの。こんなんでよく警察の受付なんて勤まるわね。馬鹿でもできるの?」と啖呵を切って帰って来た。

あ~~~すっきりした。あの親にも一言言ってやりたかったけど、一応通訳で行ったから我慢した。