パリでの日本の存在感。 | I can be who I am - ありのままの自分に戻る -

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スウェーデンに留学しています。

イースター休暇でパリに行ってきました。


目的はロスコ展。

それ以外の日は、基本的には街歩き。


今回楽しみにしていたのが、日本食。

スウェーデンにもあるにはあるのですが、恐らく、食材の手に入りにくさや日本文化の理解されてなさから、ちょっとウソモノっぽかったり、度を超えて高かったりします。


焼き鳥が2本で千数百円とか。前にも書いたようにラーメン3000円とかね。



パリに行った方はご存知と思いますが、オペラという新宿駅みたいなとこのすぐ近くに日本人街があって、日本食スーパーやレストランがあります。


レストランというより、ラーメン屋、餃子屋、おにぎり屋、定食屋といった、日本のお店に忠実な形式のとこが多くて、まずこれを見ただけでも、パリのほうが日本の食文化が進出しているなと思いました。





実際日本人街でも、日本人街の外でも毎日日本人を沢山見ました。

パリでは一度もジロジロ見られることはなく、また日本から来たと言ってもへぇ~そうなんだ、という反応で、その点は居心地いいなと思いました。


スウェーデンではアジア人を見かけることがそもそも珍しいため、電車やバーなどでジロジロ見られることも少なくありません。

また日本から来たと言うと「まじか、遠いとこから来たね」とか「勇気あるね」と言われたりして、自分が外国人であることを気付かされることが多いです。


スウェーデン人が差別的にやってるのでないことは、話していれば容易に分かるので、ただ単に、本当に日常の中で日本人との関わりが無いんだろうな〜と思うばかりです。

例えば日本の田舎で外国人が歩いていたら、珍しいなと思って悪意なく見てしまう、とかそんな感じです。



実際、住んでいる人数をざっくりググってみたら、

スウェーデンにいる日本人: 約2,400人

フランスにいる日本人: 約27,000人

でした。


10倍以上も違えばこの扱いの差も納得せざるを得ません。日本人にとってパリは昔から旅行先としても人気ですし、日本とフランスの文化的関わりは結構濃いのかもしれないと気づきました。


エッフェル塔の真ん前に「パリ日本文化会館」なる、3階建てくらいの建物もあって、なんだか不思議な気持ちになりました。


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パリの至るところで日本語の看板を発見して、その度に、センス良い名前だなと思いました。

「外人」っていう、日本から仕入れた古着屋さんとか、「ズズッ友」っていうラーメン屋さんとか。

日本人からしてもちゃんとネーミング意図のわかるものばかり。


スウェーデンでも日本からインスパイアされた店名をたまに見ますが、結構日本人からすると意味不明なものが多いのです。

「ホソイ」とか「スシェリアン」とかね。それはそれで愛らしくもありますが。




イラッシャイという日本食材店 兼レストラン。

品揃えが、大衆ブランドばかりでなく、ちょっとアコメヤを思い出させるくらいにセンス良いです。




おにぎり権兵衛のおにぎり。

滞在中2回食べました。

この明太子と天むす食べた時は、ちょっと涙出そうになりました。

一回目に行った時、ヒョウ柄の毛皮を着たマダムが、この海老がお気に入りだと言っていて、マダム分かってらっしゃる、と感動しました。


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まぁそんなこんなでパリを満喫したわけですが、その一方で、やっぱりスウェーデンを選んで良かったなとも思いました。

日本人が沢山いる環境だったら、おそらく私は外国人の友達を作ったり遊ぶのが億劫になっていたと思います。



また日本人が全然いないからこそ、ある意味"日本代表"のように振る舞える時もあって、クラスメイトは日本の話が出ると私の方をチラ見したり、後から私に話しかけて来てくれます。

私も他に日本人がいないからこそ、自分の生まれ育ったアイデンティティを改めて振り返って、言語化して、時には文化の違いでこういうことが苦手だから配慮して欲しい、とかお願いするようになって、、

自分を理解して周りにアジャストしていくにはいい環境でした。

そしてまたスウェーデンに住む人々は、そういう異質な文化の人も個性として理解しよう、受け入れようとしてくれる素地があることにもとても感謝しました。




そしてパリは私にとっては人が多すぎました・・・・

古き良き石畳の街並みは、悪く言えば歩きにくく、大勢の人を効率的に運ぶようには出来ておらず、路上の大道芸やメトロのストリートミュージシャン等は、ニューヨークのデジャヴだと思いました。。。



また、都会の緊張感や競争的・商業的な雰囲気、足早な人々、キラキラしたビルとホームレスという両極端が至近距離に存在すること、、、

久しぶりに都会に行って、刺激の多さに正直ちょっと疲れました。



帰りに空港に行くバスの中でスウェーデン人がいて、スウェーデン語が聞こえてきた時に、なんだかとても安心しました。

(でもそのスウェーデン人と帰りの飛行機内で鉢合わせて、向こうがとてもびっくりした顔をしていて面白かったです。まさか日本人が、パリからスウェーデンに帰るとは思わなかったのでしょうね。)



ストックホルムに着いたとき、街の静かさと-1℃のひんやりした空気にもホッとして、ああ私の今の家はやっぱりスウェーデンなんだなぁと思ったのです。