<<ブログ 231>>
年末、思いきって古い書類廃棄のために整理をしていた
ところでてきました、みつかりました。
この出てきた原稿によって
今も変わらない私自身のパーソナルキャッチ、自分の行動
キーワードである「にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ」
を決めて公にした時期が明らかになりました。
平成3年(1991年)1月15日でした。
ですので、「にんげん・しあわせゆめ・こころ」を使い始めて
満25年が終わり、正に直近、1月15日から「26年目」に
突入、なんです。
見つかった、出てきたのは当時リクルートで私と一緒に仕事
をしてもらっていたいろんな部門の仲間に毎月月初に、その
時々の私の心に浮かんだことをA45枚~10枚程度に書下ろ
して配ってもらっていた「みなさんへ ○○月にむけて」のプリ
ントされたものではなく、私の汚い字で書き、当時、私の秘書
を務めていただいていた大塚圭子さん(現、杉浦圭子さん)に
ワープロで打ってもらうための文字の大きさとか一行空けて
とかのお願いも記してある手書きの原稿でした。
そころで今回は25年前に遡り?当時の現行の中から関係する
部分をそのまま書き出してみたいと想います。
「にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ」を
それまでのパーソナルキャッチ
「For You With Love」に変えて
使いますの『宣言』書復刻版?
みなさまへ
平成3年1月にむけて
~『術』から『道』へ~
~にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ~
平成3年1月15日
入村 道夫
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(前 略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●さて、正月休み。今年はずいぶんとテレビの前に居る時間
がありました。ただただボケーっと画面をみている時間が
結構、長かったのですが、それはそれなりに頭と心の中に
ヒントを与えてくれました。
●今回の年末年始はやたらと「長編時代劇」が多かったので
はないでしょうか。恒例の忠臣蔵にはじまって清水の次郎長、
武田信玄そして齋藤道三、等々。
●ここで考えました。
●「時代劇」と言いますと武士の時代を示すものとなってしま
っていますが、なぜ武士の時代だけが「時代劇」としてドラマ
化されるのでしょうか。
●もっと太古の時代を描いても、それは「時代劇」のはずです
し、また昭和35年代を描いてもこれまた「時代劇」のはず、
なのでは、と思うのです。
●どうしてなのでしょうか。いろいろと見方・考え方はあると思
いますがひとつには共通してドラマとして描きやすい『夢』を
もち、その『夢』の『実現過程』が人生(喜怒哀楽・努力・精進・
運不運・・・・・・仁・礼・義・・・・・・・義理人情・・・・)と重なって
いるのが武士の時代なのでは、と思っています。
★さて、この正月。いくつかの時代劇を観ながら、今年の私の
「個人年間KEY WORD」を決めました。
★それはちょっと長いのですが
『にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ』。
サブとして「術から道へ」そして昨年まで使っていた
「For You With Love」もくっつけてしまいます。
術から道へ
にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ
~For You With Love~
★去年まで使っていましたFor You With Loveと想いの部
分は全く一緒なんです。
●毎年、私は年間のKey Wordを考え創ってきていますが、
れは何のためなのか。それは1日なりあるいは1つの行
動をしたときに自分なりの振り返りの鏡、「振り返りの
ものさし」として用いるため、です。
●今日一日は自分の掲げている「For You With Love」に
照らして胸を張れる一日だったか、あるしはとある決断を
する時にも「For You With Love」に合致しているよな・・
こんな使い方をしています。
●言ってみれば自分自身の「年間行動指針」となる言葉、
です。
★では、なぜ今年の私の年間行動指針が『にんげん・しあ
わせ・ゆめ・こころ』なのか。そのあたりを少しだけ書いて
みたいと思います。
★時代劇に登場するのは武士。武士と言えば刀。刀と言え
ば剣道。
★なんとここに私の思考のヒントがあったのです。
★剣道は剣道以前は確か「剣術」と言われていたはず。
同じようなものに「柔道」があります。
「柔術」から「柔道」への変化ですね。
★ほかにも「道」のつく「修行的」なものを探しますと、ありま
した。「剣道」・「柔道」・「茶道」・「華道」・「書道」・・・・。
●私の名前にも「道」があります。ごめんなさい、関係ありま
せんね。
★こんな風に考えていてここらあたりで「そうか、今の時代は
もしかしたら人間に『術』から『道』への変化」を改めて求め
ているんじゃないのかな、と思いました。
●では、「術」と「道」の違い、それはどこにあるのでしょうか。
●私なりの結論から書いてしまいます。
その違いは「自分のため」と「みんなのため・他人(ひと)の
ため」の違い、この差なのではと思っています。
★自分のために、自分の力を大きくするため、自己防衛の
ために、他人を抑え付けるため、と言うように使う限りは
「道」にはならずにいつまでも「剣術」「柔術」に留まって
しまうのではないでしょうか。
★それを拡く「ひとのため」「みんなのため」「世のため」に用
いるという目的に添って心を精神を鍛える、精神鍛錬にこ
そ重きを置く(それが基礎となる大前提)ことによって「術」は
「道」に変わっていくのだと思います。
●「鍛錬」と言う言葉を使いましたが、この言葉の意味にも
「修行・訓練を積んで『心身』・技能を立派にすること」と言う
ように『心』がキーワードして入っています。
●途中を少しはしょりますが、「術」と「道」、それぞれにたどり
着くために、それぞれを会得するための過程の言葉も用意
されているんです。
●それは「修行」と「鍛錬」の二つの言葉だと私は思います。
術 ⇔ 修行。磨き練って自己を鍛えること。
道 ⇔ 鍛錬。修養・訓練を積んで心身・技能を
立派にしていくこと。
●このように見ていきますと「歴史は長い長い時間をかけて
『術』から『道』への変化を追い求める」ものであると思うの
です。
●繰り返しになりますが「術」が『道」となるために必要なもの
は「自分だけのために使う用いるのではなく、ひと(他人)の
ため、みんなのため、世のために」とその目的対象を拡げ
ることなのだと思います。
●これは正に昨年までの私のKey Word『For You With Love』
と全く同じなのです。
●『For You With Love』。ちょっと音楽に例えますとニューミュ
-ジック系の響きの言葉でした。
●気持ち、想いは全く変わっておらず、むしろ更に強まっており
ますが、今回気づきの元として観ていたのが時代劇と言うこ
ともあり、演歌ぽく『にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ』のひら
がな13文字のKey Wordとした次第です。
◆1991年。今年は20世紀ラスト10年のスタートの年です。
◆21世紀の生き方、21世紀のリクルートにおける働き方を
次の世代の人たちのために考え、そして実践していきたい、
と考えています。
★「ものさし」を自分達のためにでなく「未来人のために」とする
ことでそこに入っていくことができます。
●『にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ』
●『にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ』
●振り返ってみますと「技術」は人間の生活を随分と豊かに変
えてくれました。でも・・それはまだ『物的に』の三文字を残念な
がらつけなければいけないと思います。
★そこで・・・。ここでも誌面の都合上、途中を割愛させていただ
きますが、ぜひ『技術』を『技道』へ変進させられないもの
かを考え初めています。
★どうすれば「技術」は『技道」となり得るのか。
★いかにしたら「物的豊かさ」に『精神的・こころの豊かさ』を重
ねられるのか。身近なところから考えていきたいと思うのです。
●かなり前になりますが、私はこれから先、文系・理系にかか
わらず求められるようになるのは『テクノビジネスマン』だと語
らせていただいたことがあります。
●そのテクノビジネスマン=技術を人間の心の豊かさを増殖し
ていくために使える人=となっていくためには私たち一人一人
が『鍛錬』を積み重ね、魅力ある人間になっていくことが一番
の入り口なんだと思うのですがいかがでしょうか。
◆現在、これからのリクルートがどう変化していこうとも、どんな
新しいサービスを始めても使い続けられる、耐えられる基幹
システム、NEO-ARKを3年間かけて構築しようとしており、私
がそのプロジェクトリーダーとなっておりますが反省し、心新た
にしたいと思います。
◆発想の中心を徹底的に『ひと』におきたいと思います。
◆コンピュータの持つ処理能力・処理特製の発揮のみを追求
しようとしてしまいますと、得られるものは『時間的短縮=効率』
面のみ、となってしまいます。
◆前記した物的豊かさの追求と同レベルを脱し得ません。
★「ひとの心の豊かさ」増殖ができるシステム、
「にんげんらしさが生まれてくるようなシステム」
にしていきたい、のです。
●事業がどう展開していくのか、売り上げはどれくらいになるの
か等については懸命に考えてきていますが「にんげんはどう
変わっていくのか」「ひとは何によろこびを感ずるのか」「ひと
は何にしあわせを感ずるのか」と言った「ひとの心」に関して
はともすると忘れがちになってしまいます。
★その忘れてしまいそうな『ひとの心』をシステム構築の『根幹』
としていきたいのです。していきます!!
●そのためにも私を含めNEO-ARKシステム開発プロジェクトに
携わひとり一人、全員が『技術者』から『技道者』に変わって
いって欲しいのです。強くそう思います。
●『にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ』。私はこの私自身のKEY
WORDに常に照らし合わせて考え動いていこう(こうどう=考動)
との想いを固めました。
●NEO-ARKプロジェクト、経理・財務、システムセンター、メディ
アデザイン、ワークデザイン、スーパーコンピュータ研究所、
リクルート総合研究機構、リクルートプラシス・・・
私と一緒汗をかいていただいている仲間のみなさん、全ての
組織が「たくさんの人の智慧とこころの結集された組織」で
ありたい、あり続けたいと年の初めに本気で強く思っています。
●今までの技術は人間の能力と仕事の間でベアリング的な働
きをしてきたのではないでしょうか。
●でも残念ながらそこには『にんげんの心』が忘れ去られてし
まっています。忘れ去られている、のです。
●食べるために人間はガマンし続けてきたのかもしれません。
今日の経済発展をもちろん全面否定するものではありません
が、これから先に対しては同じ状況では人間はたぶん、ガマ
ンし続けることはできないと私は感じるのです。
●「なんのためにガマンするのか」。
●この「何のために」が生理的要求(生きる)から物的要求(もっ
と持ちたい、あれが欲しい)へと変わり、更に自己実現(こころ
要求)と言ったものに変わる、そう想うのです。
●私たち一人一人の仕事についても考えてみませんか。まず
身近なところから見直しをしてみませんか。
●その時にはやはり「ものさし」が必要なのです。
★みなさん一人一人のKey Wordを持って、そのものさしで
見直し、それをぶっつけあいましょう。ぶっつけあいません
か。
●1991年。21世紀への架け橋の入り口。
★「術」から「道」への変換期。
●私たち一人一人がより「魅力的なにんげん」に
なっていくことが、リクルートを魅力ある会社に
していく王道であると私は思いますし、そう信じておりま
す。
●For You With Love。にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ。
●にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ。For You With Love。
1991/01/15 自宅にて
16:45 置筆
入村 道夫
今回も最終行にまでお眼を進めていただきまして
ありがとうございました。
1991年の正月休み。
この時はリクルートが決算期を変えて(12月末→3月末)
一年経過した時でしたので
たくさんの年末年始休みがとれた最初の時だったように
思います。
12月決算の時には
大晦日は決算日ですので決算責任者の私は当然に出社
紅白歌合戦は会社のテレビで
そして他部門は休みですのでコンピュータを
フルに使えることから
元旦・二日フル稼働させて決算確定作業・・・
こんな生活だったのが
決算期を3月に変更したことで
普通の?年末年始とすることができ
そのおかげで
何と使い始めて26年目をむかえている
「にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ」を
創造することができたわけです。
決算期の変更提案をしたのも私・・・
その意味では
『自ら機会を創りだし機会によって自らを変えた』
一つなのかもしれないな、と感じています。
決めて社内に公にしたところで
当時、私の秘書役を務めていただき
私の面倒をみていただいていた大塚圭子さん(現、杉浦圭子さん)が
たくさんの「にんげん・しあわせ・ゆめ・こころグッズ」を
得意の書道の腕を発揮して作成してくれ
プレゼントしてくれました。
今も私の部屋に飾っています。
改めて、大塚圭子さん(現、杉浦圭子さん)に心から感謝、です。
『圭ちゃん、ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!』
元気ですか!?
ありがとうございます。
にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ 入道(入村 道夫)



