万引き家族 是枝裕和著
映画になった。映画のほうが先だったのかもしれないけど、あんまり映画を見る気はなかった。でも、たまたま手に取り読んでみて、思いのほか感動した。思いのほか、というのは失礼かと思うが、最後涙が出てきた。血のつながりのない家族、だけど、本当の家族のようなつながりがあった。でも、そのつながりは永遠には続かないことを皆知っていて、その中でごまかしながら生きている。万引きも、ごまかしだ。これを買いますっていうような顔をして取って逃げる。ごまかし。そのごまかしの上に成り立っているからいくら正当なことを言ってても心には響かなかった。しかし・・・エンディング。一定期間を置いたらこの人たちは本当のつながりを紡ぐことができるんじゃないだろうか。せつない本だった。