芸人で作家の又吉直樹さんが好きと言ってから近年再注目された作家、太宰治。

誰でも一度は読んだことがある「走れメロス」や「斜陽」などで有名ですよね。

大人になってからじっくりと読んだことがないなあと思いつつ「人間失格」2回目を読破。

やっぱり私はかなり苦手。なんだか落ち込む。孤独感があるときに読むと最悪な感覚になる。書評に太宰治という作家は、好き嫌いがはっきりされている、と書かれていたが、好きな人はずっぽりはまるんだろうなあと本書を読んでそう思う。

「人間失格」には、人間はここに書かれていることをするとダメになるんだということが書かれている。太宰治の私小説のようでもある。本文で一番ぐさっと突き刺さったのは、主人公葉蔵の子どものころから身についてしまった愛想笑いと他人の感情を操ったような行動。その愛想笑いと行動が見抜かれたときの主人公の弱さははかない。その弱さを隠すべくしての行動がまた痛々しい。

この愛想笑いや媚びた行動、そして痛々しさは私にもあるからしんどいんだと思う。読み進めるのも太宰治という作家が嫌いなのも、自分と似通った部分があるからなんだと感じる。

自分の嫌な面にも対峙し考えることが出来る人が太宰治ファンなんだろう。

 

太宰治の名言の中で私は下記が好きだ。

 

私は、ひとの恋愛談を聞く事は、

あまり好きでない。

恋愛談には、

かならず、どこかに

言い繕いがあるからである。